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第2章 回復薬(1)
#12 回復薬を作る
しおりを挟む薬を実際に作る前にしっかりと知識を学ぶ必要があるということで、数日を掛けて薬草について学んでいった。
まだまだ学ばなければいけないことは多いのだが、回復薬を作るのには支障が無くなったということで作製作業に取りかかることになった。
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「ではまずは何をすればいいんですか?」
「体力を回復し傷を癒してくれる回復薬をつくるのだけど、どの薬草をつかえばいいと思う?」
「この辺りの[ジオウ]とかですかね」
「そうねその辺りを使えば間違いないわ。あとは聖水を使って成分を抽出し調合していくと出来るわ」
「やってみます」
手本は見せてもらっているので、見よう見まねで取り組むもやはり一度目は上手く出来ない。スキル[錬金]があるとは行っても初めから上手くいくことはないらしい。そして何度か挑戦していく内にソーラスから合格点を貰えるようになった。
「やはりあなたのそのユニークスキルはズルいわね。私が長年努力して身につけたランクをあっという間にかけ上がるなんて」
「でもソーラスさんのランクはAなんですよね? 僕のスキルが幾ら優れているといってもBランクまでしか効果が無いみたいなのでまだまだですよ」
「あら? でもBランクも相当レベルが高いのよ。一瞬で身につけたなんて聞いたら他の薬師が聞いた卒倒するでしょうね」
聞けばBランクというのは、普通10年ぐらいの経験を積まないと達しない領域なのだそうだ。
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初めての回復薬作りを行ってからは、ひたすらソーラスの指示に従って回復薬の作製を続けていった。
基本の作製方法だけでなく、一手間を加えて作製することでより効果が得られるということで、その一手間を手伝わされた。
『スリスリスリ』とすり鉢で擦る音がひたすら部屋に響いている。
「あのこれはいつまで続ければ?」
「あら、もう音をあげるのかしら? そんなことでは何時までたっても終わらないわよ?」
そういって薬草の山を指差すソーラス。
「まさかあれを全部一人で!?」
「そうね、コスタを助手としてつけるから頑張りなさい」
他の場所で手伝わされることを聞いたコスタは逃げ出そうとするが、あっさりと捕まってハヤトの横に座らされる。
「ならあとはよろしくね!」
「えっ!? どこかに行ってしまうんですか?」
「男あ……いや社交の場に行かなくては行けないのよ。それとも何か文句があるのかしら? それなら私より良いものを作れるようになってからにするのね」
そう言い残してソーラスは部屋を出ていってしまった。
残された二人はただひたすらにスリスリスリスリと続ける。
ソーラスはアダムスが苦手そうだったがその理由が分かった気がする。
それにしても色々な職場を見せて貰ったが、この商会にはスキルのランクが高い人が普通にいる。なのに稼げていないのは変人が多いからなんだろうなと思うハヤトであった。
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