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第6章 回復薬(2)
#34 回復薬を量産する
しおりを挟むアトゥムスの協力を取り付けたところで道具、手順、人手の全てが揃ったのでいよいよ作製に取り掛かることになった。
■■■
5段に別れた部分の一番下をソーラスが担当して魔道具を操りながら濃縮作業を行い、残りの部分の魔道具はアトゥムスが動かしながら、ハヤトをはじめとした錬金スキル持ちが作業を行う。
「アトゥムスさん、よろしくお願いします」
「いいよ、これぐらい負担でも何でもないしね。代わりにハヤトが約束してくれたし」
「そうですか……よし全員準備はいいな、なら始めてくれ!」
アダムスの合図と共に全員が作業を開始する。
上から段々に薬草の成分が聖水に濃縮されていき、ソーラスが最後の仕上げを行う。その間にも上段では次の準備を行う。
まだ超濃縮状態の回復薬をで乾燥させるまでは至っていないが、無事に量産の第一弾が完成した。
「ソーラスさん、どんな感じですか?」
ハヤトは魔道具を鑑定するスキルを持っていないので品質に問題無いかソーラスに確認をする。
「うん、いい感じだね。これなら全く問題無いよ。ここから乾燥させる作業は私とハヤトで交代しながら回すとして丸薬にするのはコスタに任せよう!」
「俺かよ!」
「得意でしょ、手でこねるの?」
気持ちは分からなくはないが、慣れた人にやって貰うのが一番なのでハヤトもコスタにお願いする。
「頼むよコスタ、慣れている人がやった方が効率がいいだろ?」
「ううハヤトまで……分かったよ、俺がやればいいんだろ」
ということで役割を割り振り直しながら順調に物事は運び、次々に丸薬型の回復薬を作り上げていく。今までの約4倍のスピードで作り上げることが出来るようになったので、なんとか期日までに数量を確保することが出来るだろう。
と余裕が出てきた所でアダムスに今回のこと、そして今後について確認する。
「アダムスさん、今回の収支はどうなりそうなんですか?」
「ははは、それを聞くのかね?」
やはりただの回復薬に対して様々な準備が必要だったのでかなりの赤字なのだろう。
「一応予想はつきますが、教えてもらえますか?」
「まぁ今回の取引に関しては大赤字だな。この取り引きが成功しようがしまいが赤字には変わらん。だが今回の一件で得た量産化への目処もそうだが聖騎士団との繋がりが出来たことがもたらす利益ははかり知れんから今後に期待だな」
「確かに聖騎士団との取引実績を残せれば、顧客の信用が増しそうですもんね。先行投資と考えれば安いものですか」
「いや安くはないが、まぁそうだな。他で段階を踏んで聖都市内での地位を確立していこうと思っていたが今回の取引でその手間が省けた。我々はこの取引を持って聖都市に本格的に進出する」
この話を知らなかった周りの人から感嘆の声が漏れるが、やはりそれだけ首都に進出するということは重要なことなのだろう。
「ならこの取引は絶対に失敗できないですよね」
「もちろんだとも。さぁ手を動かしてどんどん回復薬を作ろう。私も薬草を追加で仕入れてくるから頑張るぞ!」
「「「はい!」」」
ここからは全員の力を合わせて期日に間に合うようにひたすらと回復薬を作り続けた。
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