君は魔法使い

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5.欲しいものを手に入れる

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「……全部ぜんぶ、もらうね」

「あっ…、」

 少し笑って更に近付いた顔。目を見開いたまま、初めてキスされた。触れるだけを数回、唇の先がちょんちょん突くような軽いものだ。
 それから角度をつけてギードが唇で僕の唇をつまんで、舌先がチロチロ舐めてきた。合わせ目から舌先が入って来て、僕が少し隙間を開けたら遠慮なくにゅるりと更に深くまで入ってきた。

「ふっ、んんっ」

 くちゅくちゃん舐められ続け、息が苦しいからギードの服を掴もうとしてるのに、ガシャリと音がしてやはり右手は動かすことができなかった。それでも外すことはしてくれなくて、左手で縋るようにシャツを掴んだ。

 止めてほしいのか触れる行為をしてもらえて嬉しいのか、見たことないギードの様子に驚いてどうしたらいいのかわからない。ただちっとも嫌悪はなく、嫌だなんてことは思っていなかった。

「ふっ、は……ん、んっ」

 隙間から急いで息を吸ったら、またすぐ塞がれてしまった。酸欠と舌先の愛撫で頭の中がクラクラする。
 意識がぼんやりしていると、一度達した陰茎を再び握られた。半分勃ち上がりかけているソレに吐き出した精液を塗りたくられ、ぬちゃぬちゃ淫猥な音が響く。
 先端からまた少しずつ液が溢れ始め、指先がヌメリを辿って移動していった。下へ下へ、その先は触れたことのない場所だというのに、躊躇いなくギードの指は奥孔へ沈めていった。

「んっんっー!」

 痛くはなくても違和感がある。沈められた指先へ意識を向けていたら、ぼやっと一瞬その後孔が温かくなって何かされたことがわかった。
 妙にすっきりというかさっぱりというか、きれいになったような感じだ。たけど孔の近くはドロドロしたものが溢れ、新たに中へ違う何かが含まされていた。

「浄化と保湿の応用。壊したいわけじゃないから安心して?」

 唇が離され説明されても、その内容がやはりそうかと思うのとちょっと物騒なこと言ってる気がして半分聞き流してしまった。僕は足りない酸素を取り込む方が優先だった。

 それからそのドロドロしたヌメリを使って何度も指が抜き差しされ、一本から二本、三本へと増やされた。ぐちゃぐちゃに解された後孔は、初めてだというのに痛みがほとんどない。

「あっ、あ、あっ」

 孔がそれなりに拡がったことが見てとれ目的が変わったのか、入っていた奥深くで指の先を曲げ始めた。何かを探して蠢く指たちが、肉壁のある場所を撫ぜたとき躰が跳ねた。

「ここかな?」

 コリコリそこばかりを突かれる。時々トントン叩かれ、グリッと強く押しながらやはりコリコリ何度もそこを刺激する。

「ぁ、そこっ、あっ…んん、あ、やぁ」

「いや?嫌じゃないね、いいよね?」

 じゃあ違うので可愛がってあげるね。って、後ろから指が抜かれた。満たされていたものがなくなった喪失感でみっともなく内壁が追いかける。

「あ、ぁ……」

「待てない? すぐあげるよ」

 獰猛な声音で宣言すると、奥孔へ猛ったギードが押し当てられた。ふちゅふちゅ切っ先でまるでキスするみたいにその存在を知らしめ、ぴっとりくっつけたらジリジリ押し入ってきた。

「はっ、は、はぁ、あっ」

「……力、抜いて」

 抜いてと言われても抜くことなんかできない。それところかギュッと自分の手を握る。覚悟するみたいにかえって力が込もった。たぶん逃げることはできない、そんな諦めに似た覚悟。
 好きな人を相手に逃げるとか思う必要はないけど、でもちょっといつもと違うギードが恐い。

 すると、両手の平にするりと力を逃させようとするみたいに、ギードの手が入り込んだ。ジャラッて音がした後は手首がすかすかして、拘束がなくなった。でも代わりに両手がベッドへ縫い留められる。上から見下されて、熱量が僕にも伝染してきた。

「大人しく待ってたら逃げちゃいそうだし、もういいかなって。リンが熔けちゃうくらい抱いて、掴まえておこうって思ったから」

「ギード……何言って、」

「だから、抱き潰すね」

 右手を持ち上げられ、擦り傷で血が滲んでいる人差し指を口へ含まれた。れろれろ舐めて舌を這わせ、だけどニヤッて笑ったらガブッと噛まれた。

「い゛ぎっ、っ!!!」

 瞳はとてつもなく熱い欲望を浮かばせているのに、纏う気配は震えるほど冷たく感じた。宣告は誇張なんかではなく、そのままの言葉として実行された。

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