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1章
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レイが案内してくれた部屋をノックすれば中から女性の声が聞こえた。グレンツェは深呼吸をして大きな扉を開ける。
「初めまして、私はファルク・カナリエと申します。」
カナリエは華麗に一礼した後、グレンツェに優しく笑いかける。
「は、初めまして!私はケイン・グレンツェと申します。」
「お会いできて光栄ですわ、グレンツェ様。」
「こっ、こちらこそ!よろしくお願いします。」
カナリエは白髪の混じった茶髪の髪を綺麗にまとめており清潔感のある装いだ。
「グレンツェ様のお役に立てるよう精一杯お手伝いしますわ」
カナリエはにっこり笑うとグレンツェに椅子に座るよう促す。ファルク家は代々エルフォルク家に仕える教育係であり、カナリエは花嫁修業の他にも歴史や文学など幅広い知識を持ちヴァイザーの教育係として働いていたこともあったようだ。
(ヴァイザー様の教育係なんて、、とってもすごいお方なんだわ)
「グレンツェ様は学びたいことなどありますか?」
「え、えっと、私は何も分からないので全て教えて頂きたいのです。」
「えぇ、もちろんグレンツェ様の気になることはなんでも聞いてください。ただ、最初から礼儀作法や刺繍、ダンスなど神経を使うものですと大変かと思いまして、、グレンツェ様のご興味があるものから学んで頂きたいのです。花嫁修業を楽しみの一つとして、、」
カナリエはどこか懐かしそうに言った。
(とっても優しい。カナリエさんも私に魔力がないことに気づいているはずなのに、、)
「ありがとうございます、、ではエルフォルク家のことを知りたいです。」
孤児院にいたときには、こっそり新聞を読んでいた。アランから教えてもらった字を忘れないために読んでいたが言葉の意味が難しくこの国のことはほとんど分かっていない。エルフォルク家のことも魔力が強いということ、それが『運命』によるものとされていることしか知らなかった。
(そういえば、ヴァイザー様をめぐった名家のご令嬢同士の争いのこともたくさん載っていたわ)
「そうですね、どこから話せばいいのでしょうか、、エルフォルク家はこの国で一番強い魔力を持っていることはご存じですか?」
「はい」
改めて聞くとグレンツェは魔力が1ミリもない自分が本当にこの家に相応しいのか疑問に思ってしまう。
「この国では、魔力と権力は比例します。ということは、エルフォルク家はこの国で一番権力を持っていると言えます。しかしここで一つ疑問が浮かぶはずです。」
カナリエは神妙な面持ちで言う。
「疑問、、ですか?」
「えぇ、皇族の存在です。」
「皇族、、」
「この国は帝国なので皇帝がいるのです。いわば、この国を治める一番偉い人と言ってもいいでしょう」
「でも、一番権力を持っているのはエルフォルク家ではないのですか?」
「そうなのです!そこが疑問点なのです!」
カナリエは嬉しそうにぐいっと前のめりになり続けた。
「結論から話すとエルフォルク家と皇族であるシュバルツ家は協力関係にあります。シュバルツ家も元々は『運命』によりこの国で一番強い魔力を持つ家系でしたが、とある代の王子が『運命』に逆らったことで『運命』は途切れ、魔力はエルフォルク家が上になりました。しかし、シュバルツ家には代々魔力だけでなく未来予測の力があるのです!」
「未来予測ですか?」
「えぇ、はっきりと未来が見えるわけではないそうですがこれまで大きな災害や不作、魔物被害は予測できたことから対策をとることで被害は最小限に抑えられているのです。しかし、魔力はエルフォルク家が一番上に上がったため皇族の地位を狙います。ですが、シュバルツ家はエルフォルク家に政治面での協力関係を約束したことで皇族としての地位を守ったのです。」
ここまでは分かりましたか?とカナリエは優しくグレンツェに問う。
グレンツェは少し考えると首をかしげながら言った。
「エルフォルク家はそれでよかったのでしょうか、、皇族としての地位が欲しかったのでは?」
「さすがグレンツェ様!」
カナリエは目を輝かせてグレンツェを見つめる。
「グレンツェ様の言ったとおりです。それではシュバルツ家にしかメリットがあるように思えませんし、エルフォルク家は皇族としての地位も欲しくなるはずです。ですが、現在協力関係になっているのにはちゃんと理由があります。それは、シュバルツ家の圧倒的な国民からの支持です。シュバルツ家はこの国の名前にもなっていますし、なにより、未来予測の力のおかげで大きな被害もなく日々の生活を送れていると言っても過言ではありません。なのでもしエルフォルク家がシュバルツ家を倒し皇族としての地位を手に入れても国民から支持されるとは思えません。ですから、シュバルツ家と協力関係になることでエルフォルク家は国民からの支持を受けつつこの国を治める権力を手に入れたというわけです。シュバルツ家も未来予測の力をエルフォルク家と共有することにより、皇族としての地位を守り続けています」
話しすぎてしまいました、と申し訳なさそうに言うカナリエにグレンツェは首を横に振る。
「では、本当にエルフォルク家とシュバルツ家は対等な関係なのですね」
「はい!そのとおりです。最近はエルフォルク家とシュバルツ家の合同化なんて話も出ていました」
「合同化?」
「そうなんです。ヴァイザー様とシュバルツ家の、、、っ!!あっ!でもその話はもうないのですよ」
カナリエは焦ったように話を切り上げたかと思えば次は楽しそうに言った。
「グレンツェ様!!ヴァイザー様のことは気になりませんか?」
(確かに気になる、、私はまだエルフォルク様のこと何も知らないわ)
グレンツェの気持ちを汲み取ったのか先程よりもうわずんだ声でカナリエは話し出した。
「初めまして、私はファルク・カナリエと申します。」
カナリエは華麗に一礼した後、グレンツェに優しく笑いかける。
「は、初めまして!私はケイン・グレンツェと申します。」
「お会いできて光栄ですわ、グレンツェ様。」
「こっ、こちらこそ!よろしくお願いします。」
カナリエは白髪の混じった茶髪の髪を綺麗にまとめており清潔感のある装いだ。
「グレンツェ様のお役に立てるよう精一杯お手伝いしますわ」
カナリエはにっこり笑うとグレンツェに椅子に座るよう促す。ファルク家は代々エルフォルク家に仕える教育係であり、カナリエは花嫁修業の他にも歴史や文学など幅広い知識を持ちヴァイザーの教育係として働いていたこともあったようだ。
(ヴァイザー様の教育係なんて、、とってもすごいお方なんだわ)
「グレンツェ様は学びたいことなどありますか?」
「え、えっと、私は何も分からないので全て教えて頂きたいのです。」
「えぇ、もちろんグレンツェ様の気になることはなんでも聞いてください。ただ、最初から礼儀作法や刺繍、ダンスなど神経を使うものですと大変かと思いまして、、グレンツェ様のご興味があるものから学んで頂きたいのです。花嫁修業を楽しみの一つとして、、」
カナリエはどこか懐かしそうに言った。
(とっても優しい。カナリエさんも私に魔力がないことに気づいているはずなのに、、)
「ありがとうございます、、ではエルフォルク家のことを知りたいです。」
孤児院にいたときには、こっそり新聞を読んでいた。アランから教えてもらった字を忘れないために読んでいたが言葉の意味が難しくこの国のことはほとんど分かっていない。エルフォルク家のことも魔力が強いということ、それが『運命』によるものとされていることしか知らなかった。
(そういえば、ヴァイザー様をめぐった名家のご令嬢同士の争いのこともたくさん載っていたわ)
「そうですね、どこから話せばいいのでしょうか、、エルフォルク家はこの国で一番強い魔力を持っていることはご存じですか?」
「はい」
改めて聞くとグレンツェは魔力が1ミリもない自分が本当にこの家に相応しいのか疑問に思ってしまう。
「この国では、魔力と権力は比例します。ということは、エルフォルク家はこの国で一番権力を持っていると言えます。しかしここで一つ疑問が浮かぶはずです。」
カナリエは神妙な面持ちで言う。
「疑問、、ですか?」
「えぇ、皇族の存在です。」
「皇族、、」
「この国は帝国なので皇帝がいるのです。いわば、この国を治める一番偉い人と言ってもいいでしょう」
「でも、一番権力を持っているのはエルフォルク家ではないのですか?」
「そうなのです!そこが疑問点なのです!」
カナリエは嬉しそうにぐいっと前のめりになり続けた。
「結論から話すとエルフォルク家と皇族であるシュバルツ家は協力関係にあります。シュバルツ家も元々は『運命』によりこの国で一番強い魔力を持つ家系でしたが、とある代の王子が『運命』に逆らったことで『運命』は途切れ、魔力はエルフォルク家が上になりました。しかし、シュバルツ家には代々魔力だけでなく未来予測の力があるのです!」
「未来予測ですか?」
「えぇ、はっきりと未来が見えるわけではないそうですがこれまで大きな災害や不作、魔物被害は予測できたことから対策をとることで被害は最小限に抑えられているのです。しかし、魔力はエルフォルク家が一番上に上がったため皇族の地位を狙います。ですが、シュバルツ家はエルフォルク家に政治面での協力関係を約束したことで皇族としての地位を守ったのです。」
ここまでは分かりましたか?とカナリエは優しくグレンツェに問う。
グレンツェは少し考えると首をかしげながら言った。
「エルフォルク家はそれでよかったのでしょうか、、皇族としての地位が欲しかったのでは?」
「さすがグレンツェ様!」
カナリエは目を輝かせてグレンツェを見つめる。
「グレンツェ様の言ったとおりです。それではシュバルツ家にしかメリットがあるように思えませんし、エルフォルク家は皇族としての地位も欲しくなるはずです。ですが、現在協力関係になっているのにはちゃんと理由があります。それは、シュバルツ家の圧倒的な国民からの支持です。シュバルツ家はこの国の名前にもなっていますし、なにより、未来予測の力のおかげで大きな被害もなく日々の生活を送れていると言っても過言ではありません。なのでもしエルフォルク家がシュバルツ家を倒し皇族としての地位を手に入れても国民から支持されるとは思えません。ですから、シュバルツ家と協力関係になることでエルフォルク家は国民からの支持を受けつつこの国を治める権力を手に入れたというわけです。シュバルツ家も未来予測の力をエルフォルク家と共有することにより、皇族としての地位を守り続けています」
話しすぎてしまいました、と申し訳なさそうに言うカナリエにグレンツェは首を横に振る。
「では、本当にエルフォルク家とシュバルツ家は対等な関係なのですね」
「はい!そのとおりです。最近はエルフォルク家とシュバルツ家の合同化なんて話も出ていました」
「合同化?」
「そうなんです。ヴァイザー様とシュバルツ家の、、、っ!!あっ!でもその話はもうないのですよ」
カナリエは焦ったように話を切り上げたかと思えば次は楽しそうに言った。
「グレンツェ様!!ヴァイザー様のことは気になりませんか?」
(確かに気になる、、私はまだエルフォルク様のこと何も知らないわ)
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