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1章
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馬車に乗り込んだと思えばすぐに扉を閉められる。
(さすがに魔王は一緒に乗らないのね、そういえば、よく考えたら『運命』ってことは魔王と結婚するってこと?!)
馬車で1人になり急に冷静になる。
この先のことも何も考えずついてきてしまったグレンツェだが、確かにさっき『運命』だと言っていた。
(私、魔力何もないのに、、、)
エルフォルク家が『運命』を重要視していることは聞いたことがあった。だからこそ最強の魔王が産まれたのだ、と。でもそんなの作り話で結局は魔力の強いもの同士の結婚であるとみんなが思っていた。
(でもだとしたら私は不釣り合いすぎる。もしかして誰かと勘違いしてる?)
考え事をしていたら馬車が動き出す。しかし外を見渡しても誰もいない。馬にも誰も乗っていなければもちろんヴァイザーもいない。降りる訳にもいかず、そのまま乗り続けていれば心地よい揺れでグレンツェは思わずあくびが出る。
(孤児院の床で寝ているよりよっぽど寝心地がいい)
ふかふかのソファに体を預けいつの間にか眠っていた。
「おき、、、おきろ、寝すぎだ、起きろ」
「ん、、、あっ、申し訳ありませんっ、、」
目を覚ませば馬車は止まっていてヴァイザーに見下ろされていた。どうやら到着したようだ。素早く体を起こし無言で歩いていったヴァイザーの後をついていく。
大きな扉に大きな窓。何人が住んでいるのか想像もできないほど大きなお城だ。近づけば正面玄関の大きな扉が自動で開く。入れば大きな階段とたくさんの使用人達が迎えてくれる。
(すごいっ!!絵本に出てくるような世界みたい!)
さっきの馬車もこのお城も小さい頃によく絵本ででてきた王子様のものと一緒で久しぶりに心が踊る。
「何をぼーっとしている、早くついてこい」
「っ、申し訳ありません、」
目の前の大きな階段を登っていけば、まずは見た目からどうにかしろ、と言い捨て、たくさんの侍女さんたちに連れられお風呂やらマッサージやらメイクやら、、、いろいろしてもらう。
初めて着るふわふわのピンク色のドレスに身をまとい鏡を見れば誰かわからないほど変わり果てたグレンツェが映っていた。ボサボサだった髪は丁寧に結われハーフアップになっている。メイクも1度もしたことが無いがピンクのドレスに合わせてあるのか柔らかいピンクメイクだ。
「奥様っ!とってもお似合いです!」
「え?奥様??」
鏡の中の自分に見入っていたら急に侍女に奥様と呼ばれ一瞬時が止まった。
「当主様の『運命』なのですよね?!」
「たぶん違うと思います、、あの方はそうおっしゃっていましたが、」
「当主様がおっしゃったならきっと『運命』ですよ!奥様!自信もってください!」
敬語もやめてください!私のことは気軽にレイと呼んでください!と元気に話す侍女は興奮気味にグレンツェを奥様と呼ぶのであった。
「あの、じゃあレイ?ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょうか!」
「『運命』ってほんとにあるの??」
「もちろんです!エルフォルク家は代々『運命』のふたりが結ばれてきたのです!」
「そう、」
「当主様に身なりを整えたら部屋にお連れするよう言われているので今から当主様に聞いてみてはいかがですか?『運命』については1番詳しいはずです!」
「答えてくれるのかな、、」
「当主様はとてもお優しい方ですよ!奥様にならきっと教えてくださるはずです。」
(会ってまだ1日も経っていないと言うのに私は本当にこの国で最強の魔力を持つ男と結婚するの?)
今までの会話では優しさも感じられなかった。本当に『運命』だとして魔力の全くないグレンツェが釣り合うわけもない。このままヴァイザーの勘違いでぽいっと捨てられるのがオチだ。グレンツェが魔力を何も持ってないことを知ったらきっとレイもこんなに優しくはしてくれないだろう。
(言いたくない、いずれはバレるけど少しの間だけでも人の優しさを感じたい、、、)
「奥様?」
「ううん、なんでもない。」
「、? では当主様のお部屋にご案内します!」
レイが一際大きな扉を叩く。
「当主様!奥様をお連れしました!」
「通せ。」
中に入ればたくさんの本が並び、少し暗い、落ち着いた雰囲気だ。奥に視線を移せば先ほどよりもゆったりとした服に身を包んだヴァイザーが座っている。レイはすぐに出て行ってしまいヴァイザーと二人きりになる。
「少しはマシな姿になったようだな」
「侍女さんがやってくださって、」
「もう少し肉を付ける必要があるな、そんなんではこれからの修行もやっていけないぞ」
「修行、、なんの修行でしょうか?」
「花嫁修業のほかにあるか?」
「花嫁、、?」
「先ほどもお前は『運命』だといったはずだ。記憶力もないのか」
「ですが、私は、、、魔力がありませんっ、!」
「そんなこと知っている、会ったときからお前からは魔力が1ミリも感じられない」
「っ、それなのに『運命』なのですか、?」
「あぁ、もちろん最初は驚いたが、会ったと同時に『運命』であると分かった」
「私には『運命』を感じることができません、、」
「当たり前だ、今『運命』を感じることができるのはエルフォルク家だけだからな、昔はほとんどが『運命』で結ばれていたが時代と共に変わり今では『運命』を感じることができるほどの魔力を持つのはエルフォルク家だけだ」
つまり、本当にエルフォルク家は代々『運命』で結ばれているのだ。そして、この国の歴史上一番最強の魔力を持つエルフォルク・ヴァイザーの『運命』は魔力が全くないグランツェであるということだ。
「だからお前には私の妻としてこの城に住んでもらう。もちろん公務の際にも出てもらうがあまり機会はないだろう。だが、いつでも表に出られるよう花嫁修業はしておけ。」
「ですが、魔力のない私を認めてくれる方などいるのでしょうか、」
魔力だけの問題ではない、容姿や家柄全てが不釣り合いだ。グレンツェには何もない。
「認めるも何も私に逆らえる者などいない。私の妻として役目を果たしてくれるのであればお前には不自由ない生活を保障してやる。いい話だと思うが?」
確かに今までの生活を考えたら良すぎる話である。そもそもここで「いいえ」と言ったところで聞いてもらえるはずもない。愛のある結婚ではない。グレンツェはただ『運命』であるという理由で選ばれた。『運命』のふたりが結ばれても魔力の高い子が産まれるだけ。今の時代の『運命』に愛はないのだ。グレンツェはこの提案にうなずくことしかできなかった。
(さすがに魔王は一緒に乗らないのね、そういえば、よく考えたら『運命』ってことは魔王と結婚するってこと?!)
馬車で1人になり急に冷静になる。
この先のことも何も考えずついてきてしまったグレンツェだが、確かにさっき『運命』だと言っていた。
(私、魔力何もないのに、、、)
エルフォルク家が『運命』を重要視していることは聞いたことがあった。だからこそ最強の魔王が産まれたのだ、と。でもそんなの作り話で結局は魔力の強いもの同士の結婚であるとみんなが思っていた。
(でもだとしたら私は不釣り合いすぎる。もしかして誰かと勘違いしてる?)
考え事をしていたら馬車が動き出す。しかし外を見渡しても誰もいない。馬にも誰も乗っていなければもちろんヴァイザーもいない。降りる訳にもいかず、そのまま乗り続けていれば心地よい揺れでグレンツェは思わずあくびが出る。
(孤児院の床で寝ているよりよっぽど寝心地がいい)
ふかふかのソファに体を預けいつの間にか眠っていた。
「おき、、、おきろ、寝すぎだ、起きろ」
「ん、、、あっ、申し訳ありませんっ、、」
目を覚ませば馬車は止まっていてヴァイザーに見下ろされていた。どうやら到着したようだ。素早く体を起こし無言で歩いていったヴァイザーの後をついていく。
大きな扉に大きな窓。何人が住んでいるのか想像もできないほど大きなお城だ。近づけば正面玄関の大きな扉が自動で開く。入れば大きな階段とたくさんの使用人達が迎えてくれる。
(すごいっ!!絵本に出てくるような世界みたい!)
さっきの馬車もこのお城も小さい頃によく絵本ででてきた王子様のものと一緒で久しぶりに心が踊る。
「何をぼーっとしている、早くついてこい」
「っ、申し訳ありません、」
目の前の大きな階段を登っていけば、まずは見た目からどうにかしろ、と言い捨て、たくさんの侍女さんたちに連れられお風呂やらマッサージやらメイクやら、、、いろいろしてもらう。
初めて着るふわふわのピンク色のドレスに身をまとい鏡を見れば誰かわからないほど変わり果てたグレンツェが映っていた。ボサボサだった髪は丁寧に結われハーフアップになっている。メイクも1度もしたことが無いがピンクのドレスに合わせてあるのか柔らかいピンクメイクだ。
「奥様っ!とってもお似合いです!」
「え?奥様??」
鏡の中の自分に見入っていたら急に侍女に奥様と呼ばれ一瞬時が止まった。
「当主様の『運命』なのですよね?!」
「たぶん違うと思います、、あの方はそうおっしゃっていましたが、」
「当主様がおっしゃったならきっと『運命』ですよ!奥様!自信もってください!」
敬語もやめてください!私のことは気軽にレイと呼んでください!と元気に話す侍女は興奮気味にグレンツェを奥様と呼ぶのであった。
「あの、じゃあレイ?ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
「なんでしょうか!」
「『運命』ってほんとにあるの??」
「もちろんです!エルフォルク家は代々『運命』のふたりが結ばれてきたのです!」
「そう、」
「当主様に身なりを整えたら部屋にお連れするよう言われているので今から当主様に聞いてみてはいかがですか?『運命』については1番詳しいはずです!」
「答えてくれるのかな、、」
「当主様はとてもお優しい方ですよ!奥様にならきっと教えてくださるはずです。」
(会ってまだ1日も経っていないと言うのに私は本当にこの国で最強の魔力を持つ男と結婚するの?)
今までの会話では優しさも感じられなかった。本当に『運命』だとして魔力の全くないグレンツェが釣り合うわけもない。このままヴァイザーの勘違いでぽいっと捨てられるのがオチだ。グレンツェが魔力を何も持ってないことを知ったらきっとレイもこんなに優しくはしてくれないだろう。
(言いたくない、いずれはバレるけど少しの間だけでも人の優しさを感じたい、、、)
「奥様?」
「ううん、なんでもない。」
「、? では当主様のお部屋にご案内します!」
レイが一際大きな扉を叩く。
「当主様!奥様をお連れしました!」
「通せ。」
中に入ればたくさんの本が並び、少し暗い、落ち着いた雰囲気だ。奥に視線を移せば先ほどよりもゆったりとした服に身を包んだヴァイザーが座っている。レイはすぐに出て行ってしまいヴァイザーと二人きりになる。
「少しはマシな姿になったようだな」
「侍女さんがやってくださって、」
「もう少し肉を付ける必要があるな、そんなんではこれからの修行もやっていけないぞ」
「修行、、なんの修行でしょうか?」
「花嫁修業のほかにあるか?」
「花嫁、、?」
「先ほどもお前は『運命』だといったはずだ。記憶力もないのか」
「ですが、私は、、、魔力がありませんっ、!」
「そんなこと知っている、会ったときからお前からは魔力が1ミリも感じられない」
「っ、それなのに『運命』なのですか、?」
「あぁ、もちろん最初は驚いたが、会ったと同時に『運命』であると分かった」
「私には『運命』を感じることができません、、」
「当たり前だ、今『運命』を感じることができるのはエルフォルク家だけだからな、昔はほとんどが『運命』で結ばれていたが時代と共に変わり今では『運命』を感じることができるほどの魔力を持つのはエルフォルク家だけだ」
つまり、本当にエルフォルク家は代々『運命』で結ばれているのだ。そして、この国の歴史上一番最強の魔力を持つエルフォルク・ヴァイザーの『運命』は魔力が全くないグランツェであるということだ。
「だからお前には私の妻としてこの城に住んでもらう。もちろん公務の際にも出てもらうがあまり機会はないだろう。だが、いつでも表に出られるよう花嫁修業はしておけ。」
「ですが、魔力のない私を認めてくれる方などいるのでしょうか、」
魔力だけの問題ではない、容姿や家柄全てが不釣り合いだ。グレンツェには何もない。
「認めるも何も私に逆らえる者などいない。私の妻として役目を果たしてくれるのであればお前には不自由ない生活を保障してやる。いい話だと思うが?」
確かに今までの生活を考えたら良すぎる話である。そもそもここで「いいえ」と言ったところで聞いてもらえるはずもない。愛のある結婚ではない。グレンツェはただ『運命』であるという理由で選ばれた。『運命』のふたりが結ばれても魔力の高い子が産まれるだけ。今の時代の『運命』に愛はないのだ。グレンツェはこの提案にうなずくことしかできなかった。
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