【本編完結】『運命』の旦那様、本当の愛を教えてください!!

秋条かなん

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3章

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すぐに仕事を片付けたヴァイザーはグレンツェと夕食を食べていた。

「今日は何をしていた?ゆっくり休んでいるか?」

「はいっ!今日は温室に行ってみたのですが、とっても綺麗で素敵でした!」

「そうか」

目を輝かせながら話すグレンツェにヴァイザーも頬が緩む。

「そういえば!今度旦那様にハンカチをプレゼントします!!」

「っ!本当か!」

「はい!今日エニック卿がハンカチは旦那様に贈るものだと仰っていたので、、今度の花嫁修業では刺繍から教えて頂こうかと思っています」

ほんとうに贈る意味がわかっていない様子のグレンツェに少し肩を落とした。

「グレンツェ、ハンカチを贈る意味もカナリエに教えて貰え。それでも贈りたいと思ったら私にハンカチをくれるか?」

「?はい、わかりました!」

元気に返事をし、食事を再開したグレンツェは美味しそうに頬を抑える。

(最初に城に来た時に比べればだいぶ笑うようになったな。私にも恐怖心はないはず、、まぁ異性というより兄か父のような存在になっていそうだが)

でもヴァイザーはそれでもいいと思っていた。もちろん自分と同じように愛してくれたらそれは嬉しいがグレンツェが自分の近くにいて笑ってくれればそれでよかった。『運命』がヴァイザーをこんな気持ちにしたと言えばそうかもしれないが今のヴァイザーにはエルフォルク家の繁栄などどうでも良くなっていた。

(グレンツェはきっと私の気持ちも『運命』によるものでエルフォルク家のためだと思っているのだろうな、いつか誤解が解ければいいのだが。今はグレンツェにどんな形でも好かれることからだ)

「グレンツェ、明日外に出るか?」

「えっ!良いのですか?」

「あぁ、お昼すぎなら時間がある」

キラキラとした目で見つめられればヴァイザーはとことん甘くなる。最初は外に出すつもりは1ミリもなかった。ベランダの鍵も全て閉めた。

(に行かれたら困る、、)

でも外に出るときは自分が常に一緒にいて手を繋いでいれば大丈夫だと気づいた。グレンツェは危なっかしいがそれも愛しい。







次の日、玄関ホールでグレンツェと合流したヴァイザーは手を繋ぎ、庭に出る。

「旦那様!今日は池に魚を見に行きませんか?」

「いいだろう、グレンツェの好きなところに行こう」

「ありがとうございます!」

外に出た時のグレンツェはどんな時よりも楽しそうだ。こんなに喜んでくれるなら、、とつい言ってしまいそうになる。
(自分の過去に囚われているのもカッコ悪いな、、)


「グレンツェ、外は好きか?」

「?はい!もちろんです!」

「そうか、そうだよな」

曖昧な返事のヴァイザーにグレンツェは不思議そうに首を傾げる。そしてついにヴァイザーは決心したのだ。

「グレンツェ、これから好きな時に外へ出るといい。私と予定を合わせるのはそう簡単ではないからな」

(これで毎日グレンツェは笑顔になるだろう)

しかし予想していた表情とは違うグレンツェにヴァイザーは戸惑う。グレンツェは少ししょんぼりしたようにヴァイザーを見上げるのだ。

「嬉しくないのか?」

「わ、私は、、旦那様と外に出たいです、、」

「っ、!私に合わせれば出られない期間が長く続くかもしれないぞ」

「それでもいいのです!だからこれからも一緒に外に行きたいです、、」

「グレンツェがそれでいいのなら、これからもこうして外に出よう」

「はい!ありがとうございます!」

また先程のようなきらきらした笑顔を向けられればこれは外に出た喜びではなくヴァイザーに向けられた笑顔なのではないかと自惚れてしまいそうになる。そんな気持ちを隠しながら手を繋いだ2人は池に向かって歩いていった。









広い屋敷の執務室。

?「エルフォルク家に強行突破は自殺行為だよ?」

「っ、でも!!早く行かなきゃグレンツェが!!」

?「そう慌てるな、アラン。とっておきの計画があるんだ。それなら確実にその子を救えるよ」

男はニヤリと笑い、アランを見つめた。
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