【本編完結】『運命』の旦那様、本当の愛を教えてください!!

秋条かなん

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3章

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「アラン?!」

声の正体はアランだった。
悶えるラート公爵を拘束するカイエルは淡々と説明する。
どうやら建国祭の時に使用した気配を消す魔法道具をアランはポケットに忍ばせてきておりそれを使ってラート公爵の背面にあった大きな窓から魔法の無効化を消去したらしい。それがヴァイザー達との作戦だったようだ。

「でも消去が遅すぎる」

「なっ、!」

「遅いせいでグレンツェに傷がついてしまったではないか。一応お前も拘束対象だ。カイエルについて行け」

グレンツェの首の傷に治癒魔法をかけているヴァイザーは素早く指示する。
部屋を出ていくアランを追いかけようと思ったが足に力が入らず立ち上がれない。

「大丈夫だ。殺したりしない。また会える機会をつくる」

グレンツェの気持ちを察したのかヴァイザーがそう声をかける。グレンツェもやっと少し落ち着きやっとヴァイザーに抱えられていることに気づく。

「っ!旦那様、すみませんっ、」


慌ててヴァイザーの腕から抜け出そうとするグレンツェに構わずそのまま立ち上がり横抱きにされ、そのまま部屋を出る。

「っっ!旦那様っ、」

思ったより顔が近くなり恥ずかしいグレンツェは思わずヴァイザーの胸に顔をうずめる。ヴァイザーの暖かい体温で少し落ち着いてきたグレンツェは急に安心してまた涙が溢れる。ヴァイザーにバレないようによりヴァイザーの胸に顔を押し付ける。

「どうした?どこか痛いのか、?」

「いいえ、大丈夫です、、」

「そうか、何かあるならなんでも言え」

グレンツェは不意に地下牢で考えていたことを思い出す。今回のことでグレンツェの気持ちは確信に変わった。

「旦那様?」

「なんだ」

ヴァイザーは前を向いたまま所々作り途中の長い廊下を歩いている。

「私、、旦那様と、ずっと一緒にいたいのです」

「っ、そうか、、私とグレンツェは結婚するのだ。これからも一緒にいるのは当たり前だ」

「はいっ、」

気持ちを伝えスッキリしたグレンツェは心地よい体温と揺れで段々と眠くなる。
(旦那様は本当に優しいわ、、『運命』が理由でもいい。一緒にいられるのらなんでもいいわ、)





急に重みを増した腕の中ではグレンツェが気持ちよさそうに寝ていた。そんなグレンツェの寝顔がヴァイザーは可愛くて仕方ない。一度は消えてしまったのかと不安に駆られた。しかし、今はこの腕の中にいる。それだけでヴァイザーの心は落ち着きを取り戻していた。
馬車に乗り込み、グレンツェを起こさないように慎重に寝かせ膝枕をしてやる。
そしてヴァイザーは先程のグレンツェの言葉を思い出していた。正直グレンツェがどんな風に自分を思っているのか気になっていたが、ただそばにいてくれればなんでもいいと思っていたことも事実だ。
(だが、グレンツェも一緒にいたいと思ってくれていたとは、、)

耳に熱が集まっている感覚がする。
ヴァイザーはもう一度グレンツェの顔に視線を移す。
(何があっても一緒にいると約束しよう)

ヴァイザーは額、瞼、そして唇にキスを落とす。

「愛してる、グレンツェ」

この言葉が届いているのかいないのか、、寝ているグレンツェは気持ちよさそうに眠りながら少し微笑んだ気がした。






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