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4章
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しおりを挟む次の日の朝、グレンツェが起きればヴァイザーは既におらずそしてなぜか自分の部屋に戻っていた。
(あれ、、夢?)
一瞬不安になったが左手の薬指にはしっかりと指輪がはめられている。夢ではなかったことに安堵すると急に恥ずかしさと嬉しさで顔が熱くなる。
(私、旦那様と婚約したんだわ、、。それにキスも、、)
前からおでこやまぶたなど唇以外のところにはされていたがやはり唇は相手の体温を直接感じているようで初めての感覚だった。グレンツェは思わず唇に触れる。
(これからは毎日するのかな、、?)
なんてことを考えてれば恥ずかしすぎてもう一度布団を頭まで被る。
(なんだか今日は体がぽかぽかするわ。きっと浮かれすぎね、、でも今日くらいいいよね)
幸せな気持ちに思わず口が緩む。すると部屋をノックする音が聞こえレイが声をかけてくる。
「奥様ー!おはようございます!」
「おはよう、レイ」
答えればレイは部屋に入ってくる。
レイには以前ヴァイザーへの想いをぶつけて勝手に泣いて困らせてしまった。
(ちゃんとレイにも報告したい、)
「レイ!!あの、、見て!」
いざ伝えようと思ってもなかなか言葉が出ず左手の薬指にはめられた指輪を見せようとぐいっと左手を前に出した。
「っ!!え!奥様っ!!」
「わっ、」
レイは一瞬で理解したのか、目を潤ませグレンツェに勢いよく抱きついてきた。
前とは反対にレイがわんわん泣くものだからグレンツェはどうしていいのか分からずレイの背中に腕を回した。
「うぅ、、おぐさまぁ、、」
「レイ、、ありがとう」
しばらく落ち着くまでレイの背中をさすればゆっくりと話し始めた。
「私は、奥様が気持ちを打ち明けてくれたのに何も言えなかったことに後悔していたのです、、。何の役にも立てなくてほんとに悔しくて、、」
「そんなことないわ、レイに打ち明けたことで少し気持ちが軽くなったの。それに私は友達がいなかったし、、レイのこと友達みたいに思ってるの。最初から無魔力の私に優しくしてくれて、本当に心が救われたわ。全部レイのおかげよ」
レイはまた目を潤ませると、グレンツェを強く抱き締めた。本当はもっと詳しく話したいこともあったが朝食の時間のため寝間着からドレス着替えなければならない。料理長たちが作ってくれた朝食を冷ますわけにはいかないので急いでベッドから立ち上がれば体に上手く力が入らず床に座り込んでしまう。
「っ!奥様!?」
先にドレッサーで準備していたレイが慌ててグレンツェの元へ駆け寄ってくる。グレンツェはというと何が起こったのか自分でも分からずぼーっとするしかなかった。レイにおでこを触られれば大変!と言いながらグレンツェを急いでベッドに戻しドタバタし始めた。
「レイ、、?」
「奥様!すぐ気づかずに申し訳ありません!!奥様、とても高い熱がありますよ!」
「え、?」
確かに体がぽかぽかして頭がぼーっとするな、、とは思っていたが、昨日の出来事の余韻が体に残っているからかと思っていた。
きっとレイも抱きしめた時にグレンツェの体が熱いのはそれが原因だと思ったはずだ。
(急に熱だと自覚したらなんだか体がだるくなってきたわ、、)
「い、急いで当主様にも伝えてきます!!」
そう言って出ていったレイの後ろをぼーっと眺めていた。
しばらく目をつぶっていれば人の気配がする。ゆっくりと目を開ければヴァイザーがベッド横の椅子に座ったところだった。
「目をつぶってろ、辛いだろう?医者を手配しているからもうちょっと待っててくれ」
「いえ、大丈夫です、、ありがとうございます」
「すまない、昨日ベランダに長い間いたから熱が出たんだ」
「そんな、謝らないでください、、私は幸せだったのです」
「そうか、私も幸せだったよ」
ヴァイザーはグレンツェの手を取ると手の甲にキスを落とす。
「っ、」
「すまない、この後仕事が立て込んでいるんだ。グレンツェはゆっくり休んでくれ」
「はい、ありがとうございます」
立ち上がったヴァイザーの顔が近づいてきてぎゅっと目をつぶれば頬にキスされる。
「唇にはまた熱が下がったらにしよう、私まで風邪をひいてしまえば武闘会の準備が間に合わないからな」
「それは困ります、、アランもその大会で優勝しなきゃ、」
「あぁ、アランもグレンツェのために優勝する、と言っていた。今は大会前だから忙しいのだ。きっと大会が終わればアランもグレンツェと話す時間ができるはずだ」
「はい、楽しみです、、」
ヴァイザーはグレンツェに頭を優しく撫でるとまた来る、と言い部屋から出ていった。少し寂しいが思ったよりも体が辛いのか気づいたら眠っていた。
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