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第48話 神の記憶に触れて
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静かな闇が広がっていた。
私は、どこにいるのか分からないまま、ただ立ち尽くしていた。
見上げた空も、大地も、白く霞んでいる。
ここが現実ではないことは、直感で分かった。
――夢だ。
でも、普通の夢じゃない。これはきっと……また、あの時の……。
前に見た、あの悪夢が私の脳裏をよぎる。
「……ようやく、会えた」
聞こえた声に、私は振り返る。
そこに立っていたのは――私だった。
服装や、髪は違うけど……顔は私そのもので……不思議と嫌悪とかはなく、懐かしく安心する。
「あなたは……?」
「私は、天禰⸺あなたの前世の姿」
「……どういうこと?」
私は言葉を失った。
(前世?……そんな事……)
「驚くのも無理はないわ……でも、証拠とは言えないけど、ずっと謎の力に悩まされてきたでしょ?初任務の時――あの時、あなたや仲間を守ったのも、結ちゃんを送った時の力も……全部、“神威”なのよ。あなたが、かつて神だった証」
「……私が、神……?」
天禰は静かにうなずいた。
「私はあなたであってあなたではないわ……あなたは“今の天音”。記憶も、感情も、違う。でも、魂は同じ」
「じゃあ……私の中にあるこの力は……私のものじゃなくて……」
「違うわ、天音。これは、あなた自身の力」
「たとえ前世が私であっても、今、それを持ち、使い、選んでいるのは“あなた”なの」
私は胸の奥がきゅっと苦しくなるのを感じた。
私が結ちゃんを送ったあの瞬間、あの“光”は、私の中から確かに溢れていた。
でも――それが“神”の力だったなんて。
「この力で、皆を守れるなら……使うって決めたけど、やっぱり怖くて……」
天禰はそっと微笑んだ。
「それでも、あなたはその力で人を救おうとした。誰かのために泣いて、戦って、必死に生きてきた」
「それが、私には眩しくて、羨ましかった。……私は、あなたに救われたのよ」
「……え?」
「だから――ありがとう、天音」
一歩、天禰が近づいてきて、私の手にそっと触れた。
その温もりは、どこか懐かしくて、切なかった。
「でも、気おつけて……天音の力を……神威を欲して画策する者が居る……でも自分を信じて、仲間を信じて……私はここに居るから」
「でも、一つだけ、お願いがあるの」
天禰はふと、少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「……紫苑に、よろしく伝えて」
「……え?」
その言葉が、心に深く突き刺さる。
なんで今、紫苑さんの名前が……。
天禰は紫苑さんを知ってる。――やっぱり、前世で何か、強い絆があったんだ。
なのに私……。
紫苑さんに惹かれているこの気持ちは、もしかして――。
「私は……私は……」
言葉がうまく出てこなかった。
「天音、惑わされないで」
天禰はそっと私の頭に手を添え、静かに目を閉じた。
「あなたはあなた。私はもう、過去の存在。
でも……あなたの幸せを、私はいつまでも願ってる」
その言葉が、胸の奥を温かく照らした。
でも、私は――私はまだ、自分の心の答えを見つけられない。
――気づけば、私はベッドの上にいた。
目を開けると、ぼんやりと天井がにじんで見えた。
手のひらを見つめる。
そこにはもう、あの光も、温もりもない。
けれど――確かに、あの夢は私の中に残っていた。
「……神威……紫苑さんに、よろしく……」
私は唇を噛んだ。
静かに目を閉じながら、胸の奥にまた、新たな問いが生まれていくのを感じていた。
私は、どこにいるのか分からないまま、ただ立ち尽くしていた。
見上げた空も、大地も、白く霞んでいる。
ここが現実ではないことは、直感で分かった。
――夢だ。
でも、普通の夢じゃない。これはきっと……また、あの時の……。
前に見た、あの悪夢が私の脳裏をよぎる。
「……ようやく、会えた」
聞こえた声に、私は振り返る。
そこに立っていたのは――私だった。
服装や、髪は違うけど……顔は私そのもので……不思議と嫌悪とかはなく、懐かしく安心する。
「あなたは……?」
「私は、天禰⸺あなたの前世の姿」
「……どういうこと?」
私は言葉を失った。
(前世?……そんな事……)
「驚くのも無理はないわ……でも、証拠とは言えないけど、ずっと謎の力に悩まされてきたでしょ?初任務の時――あの時、あなたや仲間を守ったのも、結ちゃんを送った時の力も……全部、“神威”なのよ。あなたが、かつて神だった証」
「……私が、神……?」
天禰は静かにうなずいた。
「私はあなたであってあなたではないわ……あなたは“今の天音”。記憶も、感情も、違う。でも、魂は同じ」
「じゃあ……私の中にあるこの力は……私のものじゃなくて……」
「違うわ、天音。これは、あなた自身の力」
「たとえ前世が私であっても、今、それを持ち、使い、選んでいるのは“あなた”なの」
私は胸の奥がきゅっと苦しくなるのを感じた。
私が結ちゃんを送ったあの瞬間、あの“光”は、私の中から確かに溢れていた。
でも――それが“神”の力だったなんて。
「この力で、皆を守れるなら……使うって決めたけど、やっぱり怖くて……」
天禰はそっと微笑んだ。
「それでも、あなたはその力で人を救おうとした。誰かのために泣いて、戦って、必死に生きてきた」
「それが、私には眩しくて、羨ましかった。……私は、あなたに救われたのよ」
「……え?」
「だから――ありがとう、天音」
一歩、天禰が近づいてきて、私の手にそっと触れた。
その温もりは、どこか懐かしくて、切なかった。
「でも、気おつけて……天音の力を……神威を欲して画策する者が居る……でも自分を信じて、仲間を信じて……私はここに居るから」
「でも、一つだけ、お願いがあるの」
天禰はふと、少しだけ寂しそうに微笑んだ。
「……紫苑に、よろしく伝えて」
「……え?」
その言葉が、心に深く突き刺さる。
なんで今、紫苑さんの名前が……。
天禰は紫苑さんを知ってる。――やっぱり、前世で何か、強い絆があったんだ。
なのに私……。
紫苑さんに惹かれているこの気持ちは、もしかして――。
「私は……私は……」
言葉がうまく出てこなかった。
「天音、惑わされないで」
天禰はそっと私の頭に手を添え、静かに目を閉じた。
「あなたはあなた。私はもう、過去の存在。
でも……あなたの幸せを、私はいつまでも願ってる」
その言葉が、胸の奥を温かく照らした。
でも、私は――私はまだ、自分の心の答えを見つけられない。
――気づけば、私はベッドの上にいた。
目を開けると、ぼんやりと天井がにじんで見えた。
手のひらを見つめる。
そこにはもう、あの光も、温もりもない。
けれど――確かに、あの夢は私の中に残っていた。
「……神威……紫苑さんに、よろしく……」
私は唇を噛んだ。
静かに目を閉じながら、胸の奥にまた、新たな問いが生まれていくのを感じていた。
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