悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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帝国3大将軍の娘

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皇都エリーザの城内に入ると武装した兵士や役職者のような人たちが多数すれ違った。



「なんか……格好場違いかな?」


不安になってアベルに聞いたけどアベルは口元に指をあてて『静かに』のポーズを取った。



「レイダス様、お久しぶりです」


ちょっとトゲがある言い方でゼシカが挨拶をしたから慌てて前を向いたら紫のスーツを身に纏った派手なおじさんがいた。



「ハーンの家の者だな……お嬢様気分も大概にしてもらいたいな」


あたしをジロっと睨んでから身体を反転させて歩き出した。



「上官のレイダス様です……ついていきましょう」


先程のアベルとゼシカの態度の意味がわかるような気がした。



「お嬢様……お気になさらず……服装も大丈夫ですよ。近衛隊はわりと自由です」



そうアベルが言ってくれた。



レイダスの入った部屋に入りレイダスに挨拶をした。



「セシル・アドレイです」



「知ってるわ」



あっさり一蹴されてから机に目を向けてすぐに顔を上げた。



「近衛隊は忙しい。とくに俺様は忙しい。お前ら1番に俺様の足を引っ張るような真似はしないと肝に命じろ」


「は……はい」


「正直……ハーンなんかより俺様のが忙しいくらいだ!!!」


「なっ……!!」



まさか3大将軍の父より忙しいと言うとは思わず絶句した。



「お前らの最初の仕事はティエンという町に行き税を徴収してこい!馬で4日で着く距離だ!旅の資金はコレを使え!」


まくし立てるように言われてお金を投げつけられてあたしは若干ついていけなかった。


「待ってください!なぜわざわざ税の徴収に行くのですか?毎年市長が皇都に赴き税を納める決まりがあるじゃないですか!」


慌ててアベルが聞いてくれた。


レイダスはフンと鼻を鳴らしてまたベラベラと喋り出した。



「ティエンの町の町長が『今年は払えない』などとぬかしはじめたのだ。だから徴収してこい!今すぐにだ!徴収したら俺様に渡せ!いいな?ティエンは皇都より西だ!西だ!わかったな?返事は!!?」


「は……はい!」


慌てて答えてお金を拾った。
旅の資金にしては多いくらいな金額だった。


「お前らだけでは不安だから先に俺様の部下のマイズが向かっている。ティエンに着いたらマイズの言う通りにしろ!」



「わ……わかりました」



そう言って一礼してレイダスの部屋を出た。

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