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リオン市
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しおりを挟む夢を見ていたみたいだ。
お母さんに最後に会った日、お母さんの首にあったネックレスをあたしはお気に入りだと言った。
そして5年前、お父さんから手渡されたお母さんのネックレス。
もしかしたら……お母さんは覚えていてくれたのかな?
だからあたしの手元に来たのかな?
ゆっくり目を開けて起き上がるとアベルと目があった。
「お嬢様、おはようございます」
「アベル?」
「なんですか?」
「……元気?」
「おかげさまで」
そう言って笑った。
一日で治るわけないけど昨日より元気な姿がそこにはあった。
「よかった」
つられてあたしも笑った。
たぶん、心の底から笑ったのは久しぶりだ。
「起きたらお嬢様がいてびっくりしましたよ」
「んー……そのまま寝ちゃって!」
「お嬢様にもゼシカさんにもだいぶ迷惑かけちゃいましたね」
「迷惑とか思ったらほったらかしてますー!だから迷惑じゃないの!」
あたしがおどけて言えばいつもの笑顔を向けてくれた。
「お嬢様が無事で本当に安心しました。お嬢様は本当にお怪我されてませんか?」
自分は怪我しててあたしの心配なんて……
「全く怪我もなく元気いっぱいだよ!
ところで……アベルはどうやって逃げたの?」
1番気になった事……アベルが逃げ出せるなんて思いもしなかったから。
「あの時……私はハーン様の部下の2人は倒せましたが、その後ハーン様が向かってきました……ハーン様には私は敵いません」
そう言って気づいた。
肩の傷はお父さんがつけた傷なんだ。
「ハーン様に切られて……崩れた私にハーン様の部下がとどめを刺そうとしましたが、ハーン様が先に陛下に自分のお屋敷から3人裏切り者が出た報告をするからそのままにしろと……そう兵士に伝え兵士は私にとどめを刺さずにいなくなりました。
そしてハーン様も……私に何も言わず出ていかれました。きっと、最初から私を殺す気はなかったのではないかと思います」
そう話して一息ついた。
「でも、こうしてまたお嬢様といれることが私は1番嬉しいですよ」
そう言って立ち上がろうとした。
「まだ無理だよ!」
「いえ……平気です」
痛そうに顔を歪めるアベルが平気なわけない。
無理矢理ベッドに座らせた。
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