悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

文字の大きさ
34 / 297
リオン市

4

しおりを挟む
「少し……意識がない時がありましたが………解放団の人に会うんですよね?」


「そうだよ……まだ来ないんだけどね」



その時、ゼシカがやって来た。



「あら、アベル元気そうね。お嬢様のおかげじゃないか」


「ゼシカさん、迷惑かけました」


「迷惑だと思ったならこれからもお嬢様をよろしく頼むよ。お嬢様はたまに言う事を聞かずに飛び出すからたまに困る」


「もう!ゼシカ酷いよ!」


「皇都で窓からアベルを見つけたら何も言わずに飛び出したのはどこの誰ですか!?もし兵士がいたらお嬢様捕まってましたよ!?」



ここぞとばかりに説教されてあたしはたじたじ。



「とりあえず……今日もクルーを待ちますか」


「あたしも素直に宿にいるよ」



ちょっとふて腐れて言ったら二人に笑われた。


それと同時に部屋をノックする音がした。



「……はい」



ゼシカが扉に向かって声をかけた。



「俺だ!クルーだ!開けてくれーーーーっ!!!」



「朝からうるさい!」



慌ててゼシカがドアを開けたらクルーがいた。



「おぉ!朝から元気!それが俺だ!」


朝が苦手なあたしとゼシカにはありえないテンションにちょっと引いた。


「お!そこの兄ちゃんもだいぶ顔色良くなったな!セシルのおかげだな!」



そう言って頭を軽く叩かれた。



「お前の宝物渡してまで助けたかったんだろ?」


そう言ってあたしに何かを突き出した。
手を差し出すと渡されたのはあのネックレス。
お母さんの形見の……薬代に使ったネックレスがあった。



「クルーさん!あたしこれで……!」


「あー……気にしない気にしない!!ソレは俺が買い取ったから」



あたしの言葉をクルーが遮った。


「俺からのプレゼントだと思え!それなら納得だろ?」


「……わかった」



もう二度と戻ってこないと思ったから本当に嬉しかった。

あたしの首に戻った龍のネックレスは綺麗な輝きを放っていた。


「兄ちゃんがアベルで姉ちゃんがゼシカだよな?お尋ね者3人の噂がもうリオンまで届いてる。だからお前らは宿から動くな」



もうあたしたちの話がここまで届いている事に驚いた。


情報はこんなに早く伝わるものなんだね。


「帝国に不満があるのはどこの街にもある。で、このリオンにもある。この宿は俺ら解放団の味方をしてくれている宿だから安心しろ」



クルーはドアに手を掛けて最後に伝えた。



「昼過ぎにうちのリーダーとか幹部を紹介するよ。ルイは今一緒にいるからそのうち連れて来るな。
あとセシル!俺は『さん』付けされるの嫌いだから呼び捨てでいいからな!」



そう言って笑っていなくなった。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

辺境ギルドの受付嬢ですが、冒険者の嘘は帳簿でぜんぶバレます

蒼月よる
ファンタジー
素材の重さが申告と合わない。鑑定書の書式がおかしい。冒険者が持ち込む報告書には、いつもどこかに嘘がある。 辺境の小さなギルド支部で、受付嬢ナタリアは今日も一人、帳簿を武器に冒険者たちの嘘と向き合っている。剣も魔法も使えない。でも素材を見る目と、数字の辻褄を見抜く勘だけは、誰にも負けない。 持ち込まれた棘鱗の産地が違う。新人冒険者の目が妙に鋭い。腕のいい薬師が素性を隠している。書類を処理するだけの毎日のはずが、カウンターの向こうには不思議な人々と、小さな謎が絶えない。 一話完結の日常謎解き。辺境の受付カウンターから覗く、冒険者たちの嘘と真実の物語。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

廃城の泣き虫アデリー

今野綾
ファンタジー
領主の娘だったアデリーはある日家族を殺され育った領地から命からがら逃げ出した。辿り着いた先は廃城。ひとり、ふたりと住人が増える中、問題が次々とおこって… 表紙はフリー素材です

半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

侑子
恋愛
 小さな村のはずれにあるボロ小屋で、母と二人、貧しく暮らすキアラ。  父がいなくても以前はそこそこ幸せに暮らしていたのだが、横暴な領主から愛人になれと迫られた美しい母がそれを拒否したため、仕事をクビになり、家も追い出されてしまったのだ。  まだ九歳だけれど、人一倍力持ちで頑丈なキアラは、体の弱い母を支えるために森で狩りや採集に励む中、不思議で可愛い魔獣に出会う。  クロと名付けてともに暮らしを良くするために奮闘するが、まるで言葉がわかるかのような行動を見せるクロには、なんだか秘密があるようだ。  その上キアラ自身にも、なにやら出生に秘密があったようで……? ※二章からは、十四歳になった皇女キアラのお話です。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

後宮薬師は名を持たない

由香
キャラ文芸
後宮で怪異を診る薬師・玉玲は、母が禁薬により処刑された過去を持つ。 帝と皇子に迫る“鬼”の気配、母の遺した禁薬、鬼神の青年・玄曜との出会い。 救いと犠牲の狭間で、玉玲は母が選ばなかった選択を重ねていく。 後宮が燃え、名を失ってもなお―― 彼女は薬師として、人として、生きる道を選ぶ。

拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました

星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎ 王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝―― 路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。 熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。 「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」 甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。 よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、 気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて―― しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!? 「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」 年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。 ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。

不器量令嬢は、婚約破棄の断罪が面倒くさい

あんど もあ
ファンタジー
不器量なマルグリットは、婚約者の美しい第一王子からずっと容姿を貶められる日々。とうとう王立学園の卒業パーティーで王子に婚約破棄を宣言され、「王子から解放される! それいいかも!」となったが、続く断罪が面倒くさくて他の人に丸投げする事にする。

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

処理中です...