悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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マリー地方へ

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東―――――マリー地方へ行くにはいくつか問題があった。


まず一つが通行手形。


各地方を結ぶ関所と皇都への出入りには通行手形が必要になる。
皇都への出入りは3大将軍の娘であるあたしが裏切ったせいで必須になったようだ。



解放団5人は偽名で持っているし、ルイも自分のがあるが、あたしたち3人は持っていない。

たとえ持っていたとしてもあたしたちはお尋ね者。ばれて捕まるのが関の山。



さらにアベルはまだ本調子じゃない。


まだ微熱が続き、肩の傷も深いため腕も上げられないほど重傷。



「あたしは絶対にアベルを置いては行かない。アベルを残すならあたしも残る」



そう言い張るとクルーはまたかと言って苦笑いされた。



「団体行動もまずいわね……2つに分かれましょう」


レイの提案で

あたし、アベル、ゼシカ、クルー、クリック


レイ、ルイ、サン、クレイル



あたしはこの5人での行動となった。



「あたしたちは強行軍でセキに行くわ。セシル、あなたたちはアベルさんの怪我の具合も心配だからマニという村に寄ってから来てちょうだい。マニにはあたしたちの偽の通行手形を作るのに力を貸してくれた方がいるの。クリックがいれば大丈夫だから」


レイにそう言われて、別行動をすることになった。


ルイと別行動は残念だったけど仕方ないと思った。



「でも……関所には我々はもう一つ問題があるな」


ゼシカの言いたい事が分かった。

マリー地方に行くために通過するマリーの関所を守るのは父の部下のボレイル将軍だ。

一緒に前線で戦ったゼシカはもちろん、あたしもアベルも覚えているだろう。
よくボレイルが皇都に戻った際は屋敷に招いて一緒に食事をしていた。



「ボレイル将軍……彼はハーン様の有能な部下だからな。バレたら見逃してくれると思えない」


ゼシカの言葉にクリックも黙り込んだがクルーが明るく振る舞い空気を変えてくれた。



「リオンから北東に行けばマニ、マニから東に行けばマリーの関所だ!マリーの関所を出てすぐ湖の横がセキ!出発は明朝な!!」




そう言ってクルーたちは部屋からいなくなった。
明日、あたしたちはサニー地方からの脱出のために動き出すんだ。



自分の怪我のせいで足を引っ張って申し訳ないと謝るアベルにあたしは笑って否定した。

あたしが皇都で『アベルを置いて行かない』と騒いだ事をアベルは記憶になかったようですごい驚かれた。

いつもあたしを守ってくれている人を守っただけなのに……驚かれたのがあたしには意外だった。

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