悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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マリー地方へ

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「カナリー様に拾われてから……カナリー様とハーン様が留守の時に強盗が入りました。まだ小さかったお嬢様は記憶にないかと思いますが……その時私はその強盗の命を奪いました。
今思えば悪政による生活苦から強盗に走ったのかもしれませんね……」


アベルはあたしの悩みがわかったかのように話してくれた。


「人それぞれ命は一つです。死んで悲しむ人はいません。だから、それを忘れてはいけません」


「うん」



「お嬢様は私の事をずっと心配してくださったと聞きました」


「え!?」


いきなり話題が変わって驚いた。



「私を見つけた時も、皇都を脱出する時も、リオンに着いてからも、私が意識のない間もずっとついててくださったようですね」


「そんなこと……ない!」


照れて思わず否定したけど絶対アベルには全てお見通しなんだと思う。





「リオンで私の薬のためにカナリー様の形見のネックレスを差し出したと聞きました」



やっぱり、アベルは全部知っているんだ。



「だって……死んじゃうって思ったから」



膝に顔をうずめて泣いてる姿を隠した。



「アベルが生きていたらあたしはお母さんの形見もいらない!」



そう言って、もうそれ以上何も言えなかった。
それが、真実だから。

小さい頃からいつもあたしの隣にいてくれて、お母さんもお父さんも仕事でいなくてもアベルがいたからあの広い屋敷でも寂しくなかった。
あたしが怪我や病気をしたら親以上に心配してくれて、あたしのわがままにも嫌な顔をしないできいてくれた。

いつもあたしの傍に絶対にいてくれた人だから、失いたくなかった。


それに、あたしは………―――――








「お嬢様……ありがとうございます」










そう言って黙って隣にいてくれた。



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