悠久～version１：解放戦争

集う仲間

5

船着き場に着いて降りたらそこにアベルはいなかった。

それどころかアニエスやレイ……解放団の主となるメンバーは誰ひとりいなかった。




「セシル！遅いよ！待ちくたびれたよ！」



唯一いたのがルイでルイは慌ててあたしに言った。




「めちゃくちゃ綺麗な女の人がセシルを尋ねてきたんだよ！なんてゆーか絶世の美女？はじめてみる服装なんだけどあれが忍び装束なんだよなー……いや、本当に俺のタイプ」



ルイはにやけ顔で言うけど何を言いたいか全くわからない。




「ルイくん……君の趣味はいいから誰が来たんだ？」


ゼシカが呆れたように口を開いてルイは慌てた。
的を得ない会話にゼシカが不機嫌なのがわかったんだろう。



「『忍の村』の首領と名乗る美女です！セシルに会いに来たって言って……セシルが来るまで一切質問に答えないと言い張るんだよー………あ！まるでキリュイさんみたいだな！」


ルイがキリュイにわざと気づいてそう言った。




「とりあえず……行きますか」


ハスが一足先に歩き出した。



「正直、ゆっくり休みたかったです」


レンゲは昨日の疲れが取れないようでげっそりしていた。



「我々もいいですか？」


キリュイの申し出を断る理由もなく、その場にいた全員で大広間に行くことになった。