悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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作戦と誤算

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「ムウ将軍を裏切り者扱いするのは気が引けるが……頼みます」


クレイルがそう言って頭を下げた。



「もちろん。私も今は解放団の一員。私を信じてくださるみなさんのためにも私は必ず策を成功させます」



ムウの言葉にみんなが笑顔になった。




「しかし、またセシル出番ないかもな!ドライ水上砦くらいしか戦いはないし、ロック城でも城が落ちたら学院から来た兵士は戦いを放棄するかもしれないしな!」


クリックが冗談まじりでそう言った。



「水上砦は火計で落とすから……確かにセシルさん出番なしですね。船に弱いみたいですし、役立って船から馬をメイリーに降ろす手伝いくらいですかね?」


レンゲもそう言って笑っていた。




「まぁ特に将も兵も戦う事少なそうだからアベルもセシルでも守ってりゃいいだろ。セシルも彼氏といたいだろうしな!」



クルーの一言におじい様が反応した。



「アベルがセシルの彼氏じゃと……?」



じろっとあたしを睨んでそう言った。

一瞬にして空気が重くなった。



「……おじい様に言ってなかったけどそうです。だめ?」


あたしの言葉におじい様は一言『儂は認めんぞ!』と怒鳴りアニエスの部屋からいなくなった。



「だからヤだったのに!バラすなんてクルーの馬鹿!」



あたしの八つ当たりにクルーは申し訳なさそうで、それでいてよくわからないといった顔をしていた。



「あのね、お父様はセシルが1番可愛いの。可愛い孫娘をアベルに取られて悔しいのよ」


ナタリーの言葉にクルーは納得したけど一言呟いた。



「なにより年齢差も気にしてんじゃねぇの?アベルとナタリーのが年齢的に合ってるぞ」



あたしも気づいていた事実。

あたしとアベルは13も歳の差がある……。










落ち込んだあたしを結局慰めたのもクルーの役目だった。

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