悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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作戦と誤算

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明朝―――――――あたしに挨拶をする暇もなくムウはゴウライ地方へ一人旅立った。

もちろん、将以外は知らない任務のため。



兵士たちからは悲しみに似た憤りを感じ、あたしを非難する人、アニエスを非難する人もいた。


正直、士気に関わる上にドライ水上砦での作戦を聞いてないから不安もあった。

あたしやアニエスに不満を持たれたら水上砦の攻略しらできないのではないか……と。



不安要素と言えばあれ以来一言も口をきかないおじい様の存在。


あたしとアベル限定で口をきかないらしい……ナタリーはおじい様とは逆にあたしとアベルの関係を喜んでいたけど。



今日から30日したら戦い。


30日後は、春が来る―――――。









「セシル!!!あーけーてーくーれー!!!!」



あたしが自室にいたらクルーの騒ぎ声がドア越しに聞こえた。



「うるさいよー。開けますって!」


慌てて開けたらクルー以外にもレイとサンがいた。



「…3人でどうしたの?」



「まぁ部屋に入れてくれって!」



有無を言わさずにずかずかと部屋に上がり込んだ。


レイとサンも若干申し訳なさそうにしながらも部屋に入り、鍵をかけた。





「セシルさん、アニエスさんからの伝言です」



椅子に座ってからサンが口を開いた。



「伝言って……あたしに直接言えばいいのに…」


「セシルとアニエスさんは今日のムウ将軍の行動でみんなから信頼を欠いたから……だから2人がこそこそ会うのは余計怪しまれるでしょ?私たちならセシルを励ましにきたと思われそうだし…ね?」



レイの言葉に納得した反面、ある事実を痛感した。



あたしは、策とはいえ、今は兵士たちからの信頼を欠いたんだ……。

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