悠久～version１：解放戦争

作戦と誤算

12

一瞬、頭が真っ白になった。

メイリーに着いたばかりの2,000の兵士とあたし。


もちろん、戦いの準備なんか全てできてない。



―――――イザベラ将軍は、水上砦を捨てたの？





「セシル様！いかがされますか！？」



兵士の問いに我に返った。





「アニエスに連絡を！絶対にメイリーの町は焼くな！迎え撃つ！！！」





その場にいた兵士はすぐに動いた。



この場にいるあたしの部隊はすでにロック城攻略の話を知っている。
知っているからこそ、兵士は迅速に動いた。




町は悲鳴と逃げ惑う人で溢れていた。



「セシル様……」



「町長、メイリーは必ず守ります。ご安心ください」




そう言って頭を下げて駆け出した。







「セシル様！馬の用意できてます！」



兵士の大半はまだ準備できていなかった。

でも、待っていたらメイリーまで帝国兵は来てしまう。


今行ける兵士で戦いを挑むしかない……。





「解放団！進軍する！！」



馬に跨がり剣を振り上げたら準備の整った兵士もそれに従いあたしについて来てくれた。



メイリーを出ると砂埃がすでに見える……イザベラ将軍の軍団は目の前まで迫っていた。