悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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再会、そして、決着

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「あたしが…愛してるのは………アベルだよ」



「やはりな……」




お父さんはため息をついてあたしを睨んだ。



「身分の違う者同士結ばれぬのがこの国だ…お前はわかっているのか?」



「うん…でも、あたしたち解放団が目指す世界は違うから。あたしたちが勝てば結ばれる」



「そうか……なら言うが、アベルがどういう人間かお前は知っているのか?お前が知るアベルなんか表面だけだ」



お父さんが言いたい意味がわからなかった。



「アベルの過去なら知ってる…両親が殺されて生きるためにお母さんを殺そうとしたところを逆に助けられたって事も!両親が亡くなった日は毎年おじい様の家でお酒飲んでたって!全て知ってる!」



ムキになってそう叫んだ。


まるでお父さんはアベルを良く思わないようで腹が立った。
アベルは皇都にいた頃はあたしにも父にも献身的に尽くしてくれたのに……。




「違う……そうじゃない………アベルにとって女は自分の性欲処理程度の存在だ。乱暴に扱い性欲を発散させる玩具程度にしか女を見てない。
アベルのあの容姿ならそれでも構わないという女はたくさんいたよ……確かに私にも献身的に勤め、お前を任せられると信頼できる男だが、男女の関係は別人のような男だ」


お父さんの話に動揺した。


アベルが女に慣れているのはわかっていたし、容姿端麗だからモテない方がおかしい。


でも、あたしにはそんな乱暴はしない。


それはあたしが彼の特別だから?それともあたし以外解放団で性欲を発散できる女がいないから?




でも、彼を不審に思う気持ちは一瞬でなくなった。


耳にあるイヤリングの存在、そして彼は決して無理にあたしの身体を求めない、そして……あたしが見てきた彼との日々。


例え過去がそうでも今は違うってすぐにそう気づいた。

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