悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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再会、そして、決着

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「アベルは…あたしを妻にしたいって……そう言ってくれた。あたしは乱暴に扱われた事なんかない!あたしはお父さんよりアベルを知ってる!!!勝手な事を言わないで!!!」



そう叫んで睨んだ。





「アベルは……」





お父さんが何かを言いかけた時に無数の足音が聞こえた。



あたしから視線を逸らし、足音の方を見た。




「将軍!解放団がこの城に向かい進軍中です!!」







兵士がそう伝えた。



ついに、解放団が来た―――――。




「慌てるな。この城をどう奴らが落とせる……目的は大方このリーダーだろう……アベル・アーガイルは殺さず捕らえろ。皇帝陛下の命令だ。全兵士にそう伝えろ」



「は!承知しました!」




兵士の足音が遠ざかり、お父さんはあたしを見た。





「アベル…の…本名……なんで?」




この国は上級の将軍家か貴族、皇族以外は姓を滅多に名乗らない。だからアベルも姓はほとんど名乗る事はなかった。



アベル・アーガイル



確かにアベルの本名



なんで皇帝はアベルの事を探すの?





「私もヘリオン城落城でアベルの生存と解放団の将である事……そしてある事実を知った…アベルは『生まれてはならない人』だったんだ」



「……え?」



「理由を…お前に話す義務はない。アベルは捕まり次第すぐに皇都へ連れていく……処刑はお前より先だ」




そう言ってお父さんはいなくなった。




「待って!教えて!アベルは生まれてはならない人ってなんでなの!?」




柵に捕まって声を上げても振り向きもしなかった。



皇帝がアベルを狙う理由なんかわからない。


あたしよりアベルを狙う理由は?


アベルはただの解放団の将ってだけの一般人………。





















アベルがもし一般人じゃなかったとしたら……?





一瞬あたしの頭によぎった仮説に寒気を感じた。





それよりも、今は解放団の安否が気掛かりだった。


水上砦での双方の死者数はあたしはまだ知らない。

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