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戸惑い
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「ムウ将軍はなぜクルーも怪しいと?」
ムウは躊躇いながらも教えてくれた。
クルーがたまに夜知らない人と話し、その人は船を使いいなくなる事。
解放団に何かある度にどこかに伝書鳩を飛ばしている事。
ムウは度々目撃していたらしい。
「クルー殿の人柄や、水上砦の働きを考えるとスパイなどとは思いませんが……何か秘密があるようですね」
「う……ん。なんか……混乱しちゃう。父も『陛下の命令でアベル・アーガイルを捕らえよ』って言ったの。アベルに聞いてもアベルは陛下の顔すら見たこともないって言うし……なんだかもう!」
あたしがイライラして頭を掻きむしったら隣でムウが苦笑していた。
「セシル殿は考え事が苦手なようですね……今のセシル殿の言葉で確信を持てました。アベル殿は貴族…正確には皇族になった貴族です」
アベルが貴族?そんなわけない。
アベルの両親は父親が樵で母親は機織りをして町に住まず森で生活しながら生計を立てていた。
「私が確信を持ったとはいえ当のアベル殿は知らないはず……きっとハーン将軍は全てを知ってるはずだから聞くといいと思います……アベル殿、真実は時として残酷な時もあります」
ムウは窓の外を見ていたけどあたしが振り向いたらアベルがいた。
アベルは驚いた顔をしながら立ちすくんでいた。
「アニエス殿はきっとハーン将軍も私のように解放団へ力添えを頼みたくこの城へセシル殿をはじめハーン将軍に縁がある者を集めたと思います。セシル殿もハーン将軍は今は敵将とはいえ実の父親……考えてみてください」
ムウはそう言っていなくなった。
外を見たまま、あたしは震えていた。
ムウの話、アベルの事、クルーの事、お父さんの事……。
あたしには重すぎる話しだ。
ムウは躊躇いながらも教えてくれた。
クルーがたまに夜知らない人と話し、その人は船を使いいなくなる事。
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「う……ん。なんか……混乱しちゃう。父も『陛下の命令でアベル・アーガイルを捕らえよ』って言ったの。アベルに聞いてもアベルは陛下の顔すら見たこともないって言うし……なんだかもう!」
あたしがイライラして頭を掻きむしったら隣でムウが苦笑していた。
「セシル殿は考え事が苦手なようですね……今のセシル殿の言葉で確信を持てました。アベル殿は貴族…正確には皇族になった貴族です」
アベルが貴族?そんなわけない。
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「私が確信を持ったとはいえ当のアベル殿は知らないはず……きっとハーン将軍は全てを知ってるはずだから聞くといいと思います……アベル殿、真実は時として残酷な時もあります」
ムウは窓の外を見ていたけどあたしが振り向いたらアベルがいた。
アベルは驚いた顔をしながら立ちすくんでいた。
「アニエス殿はきっとハーン将軍も私のように解放団へ力添えを頼みたくこの城へセシル殿をはじめハーン将軍に縁がある者を集めたと思います。セシル殿もハーン将軍は今は敵将とはいえ実の父親……考えてみてください」
ムウはそう言っていなくなった。
外を見たまま、あたしは震えていた。
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あたしには重すぎる話しだ。
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