悠久～version１：解放戦争

隠された真実

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そうしてエリーザは首だけでもジョウルの元に戻った。



ただ一つ、ジョウルにはエリーザとアンドレの間に子が出来ていた事実を知らなかった。











エリーザとアンドレの子の名前はアベル。







ハーンもカナリーもジョウルの行動に気づかず、偶然にもアベルはハーンの屋敷でセシルの付き人となった。



エリーザとアンドレは自分たちの身分を庶民と偽り生活を続けたため、アベルは庶民だと思い続けた。








しかし、帝国は傾きだした。






ジョウルが国を省みなくなったと言われている。




悪政に立ち向かうべく解放団が結成されたが、ジョウルは小さな争いとしか捉えず、忍びが帝国に刃向かうのと同じレベルに考えていた。






しかし、歳月が経ち、解放団はセシル・アドレイが率いてヘリオン城を落としマリー地方を解放した。




その時に将として前線にいたアベルを見た人物がいた。


エリーザとアンドレを殺害した兵士だった。






その兵士はすぐにジョウルにエリーザに似た男がいると伝え、名前と素性からハーンの屋敷の人とわかった。




その時にハーンはエリーザの入った瓶を見せられて迫られた。




『エリーザに似た男がお前の屋敷の使用人だったのか？』と。





一目見てアベルそっくりなエリーザを見てハーンは頷いたら『アベル・アーガイルを捕らえよ。直々に処刑する』と烈火の如く怒りだした。



ジョウルとエリーザの間に子はなかったのに、エリーザとアンドレの間に再び子ができたのが憎かったようだ。








それが、アベルの全て。




皇帝の歪みの全て。



ジョウルは国より自分の事しか見ないような人物だった。






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