悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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計画の真偽

3

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「セシル!遅刻魔のお前が珍しく早いなぁ」



クルーはいつもと変わらずあたしのところに来て話しはじめた。


「だって昼間だもん!朝集合は遅刻するけど昼間は大丈夫!」



「……朝も遅刻はいただけませんね」



アニエスにグサッとつっこまれて苦笑いしていたら続々と人が集まってきた。




ほぼ全員が集まり、あたしとアニエスが定位置でもあるみんなを見渡せる一段高い所に立って見渡した。



もうほとんど、名前もわからない兵士だらけ……それが今の解放団の力とも見えた。


将があたしの前にいて、兵士は将の後ろ。

お父さんがあたしの前っていうのがなんだかおかしく思えた。




「兵士の方々から色々な意見や不満が出たと私の元へ報告がありました」


アニエスの一言にみんなは黙り、あたしの部隊の一部はまっすぐにアニエスを見ていた。



「……どなたも部隊変更は認めません」



アニエスの一言に辺りがざわついた。



「軍師殿…失礼ですがこの解放団には部隊を変えたがってる兵士がいるのですか?」


クレイジーの質問にアニエスは頷いてからみんなに言った。




「えぇ事実です。しかし、セシル殿は昔ベル殿の一件の際に言いました。
『自由な世界を築くには時にはたとえ自分と合わない人とも手を取り合わなければならない。志が同じならそれができるはず』だと。
部隊変更を希望する兵士の方々はそのセシル殿の気持ちを考慮し、それでも戦にはこの将とはでたくないと感じたならば、この城の警護に回って前線からは引いてください」




アニエスの言葉にあたしまでア然としてしまった。


自分が言った言葉ながら、アニエスが覚えていた事実に驚いたのだ。

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