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ゼレイ地方の戦い
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スエル城には本当に兵士はいなかった。
しかし、民間人がいた。
スエル城に近い町の人々があたしたちを見ていた。
「あんたらが……解放団か?」
一人の若者に話し掛けられてあたしは頷いた。
「お前たちは……北を……礼拝堂を壊すつもりか!?」
明らかに怒っている民間人たち。
あたしたちの作戦を知らなくて当然だから……。
「礼拝堂はこの国の宝……解放団も承知してます。必ず礼拝堂には手を出しません。
解放団リーダーであるセシル・アドレイの名において礼拝堂への侵入及び破壊は行わないと、ここにいる方々に伝えます」
あたしの言葉に民間人からは驚きの表情が見えた。
「セシル・アドレイ!そういう事か!お前がこの城を落とすのが真の目的!礼拝堂は囮だったのか!」
大声に上を見上げたらそこにいたのはシリウ将軍。
「私はスエル城を、北を守る者!守る事の叶わぬ事ならムウやハーンのような無様な真似はしない!セシル・アドレイ、お前たちの勝ちだ。
スエル城はお前に渡しても我が兵士は誰ひとりお前たちに屈しない!相打ちでも構わない!そう思い向かった!解放団の戦力が減れば帝国軍はまだ勝てる!だからお前にこの城を明け渡す!!!」
そう言ってバルコニーの先端にたった。
「聞け!誰もが変化を望むと思うな!少なくとも私は真実を知っても、皇帝の真の姿を知っても!今のこの国を!この北を!愛していたのだ!」
そう叫んでバルコニーから飛び降りた。
兵士が慌てて見に行ったが首を横に振った。
今の国を愛していたと言い切った女性がいた。
復興しないサマサの町がある北を愛していると言った女性がいた。
「シリウ将軍……あたしは貴女と話がしたかった……」
シリウ将軍が飛び降りた先にはすでに兵士が遺体を布で覆っていた。
「サマサをどう思っていたの?復興しない町がある北を本当に愛していたの?」
あたしの問いに答える人はもう亡き人物。
答えはないけどあたしがやるべき事、スエル城に解放団の旗を掲げた。
城内には誰ひとり兵士はいなかった。
最上階にはシリウ将軍が好きだったと言われるあたしの名前が花が知らない花と紙が添えられていた。
『母上、今から私も参ります』
シリウ将軍は元から死ぬつもりだったのかもしれないと思った。
しかし、民間人がいた。
スエル城に近い町の人々があたしたちを見ていた。
「あんたらが……解放団か?」
一人の若者に話し掛けられてあたしは頷いた。
「お前たちは……北を……礼拝堂を壊すつもりか!?」
明らかに怒っている民間人たち。
あたしたちの作戦を知らなくて当然だから……。
「礼拝堂はこの国の宝……解放団も承知してます。必ず礼拝堂には手を出しません。
解放団リーダーであるセシル・アドレイの名において礼拝堂への侵入及び破壊は行わないと、ここにいる方々に伝えます」
あたしの言葉に民間人からは驚きの表情が見えた。
「セシル・アドレイ!そういう事か!お前がこの城を落とすのが真の目的!礼拝堂は囮だったのか!」
大声に上を見上げたらそこにいたのはシリウ将軍。
「私はスエル城を、北を守る者!守る事の叶わぬ事ならムウやハーンのような無様な真似はしない!セシル・アドレイ、お前たちの勝ちだ。
スエル城はお前に渡しても我が兵士は誰ひとりお前たちに屈しない!相打ちでも構わない!そう思い向かった!解放団の戦力が減れば帝国軍はまだ勝てる!だからお前にこの城を明け渡す!!!」
そう言ってバルコニーの先端にたった。
「聞け!誰もが変化を望むと思うな!少なくとも私は真実を知っても、皇帝の真の姿を知っても!今のこの国を!この北を!愛していたのだ!」
そう叫んでバルコニーから飛び降りた。
兵士が慌てて見に行ったが首を横に振った。
今の国を愛していたと言い切った女性がいた。
復興しないサマサの町がある北を愛していると言った女性がいた。
「シリウ将軍……あたしは貴女と話がしたかった……」
シリウ将軍が飛び降りた先にはすでに兵士が遺体を布で覆っていた。
「サマサをどう思っていたの?復興しない町がある北を本当に愛していたの?」
あたしの問いに答える人はもう亡き人物。
答えはないけどあたしがやるべき事、スエル城に解放団の旗を掲げた。
城内には誰ひとり兵士はいなかった。
最上階にはシリウ将軍が好きだったと言われるあたしの名前が花が知らない花と紙が添えられていた。
『母上、今から私も参ります』
シリウ将軍は元から死ぬつもりだったのかもしれないと思った。
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