悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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最後の戦い

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前線からかなり離れた場所に人だかりがあった。


負傷者と、負傷者を運ぶ兵士……そして見慣れた顔の将たち。





「クリック……クレイル……レイル……なんでみんな……」



あたしが馬の上から声をかけたら名前を呼ばれた3人は慌てて振り向いた。



「アベルの一大事だぞ!俺の部隊は優秀だから大丈夫だ!だから来た!セシルこっちだ!」



クリックに言われてあたしたちはクリックたちの後を追った。


少し離れた先にアベルとティアとアベルの部隊の兵士数名がいた。


そして、アベルを見て悟った。
















お父さんに切られた時より重傷で危ないんだって。



アベルの側にはお父さんもおじい様もいた。


「みんな……将が戦線離れてどうするのよ……」


あたしはみんなを見て無理に笑った。



「……我々全員、誰かしらの将に部隊は任せてます」


クレイルの言葉に頷いてあたしは馬から飛び降りた。



「セシルさん!!!」



あたしの行動にティアは声を上げたけどあたしは無視してアベルの元へ行った。




アベルは目をつむったまま……まるで生きているのかさえわからなかった。


真っ赤に染まった地面とティアの手や服……これは全てアベルから流れ出た血なんだとわかった。




「アベル……あたしだよ?セシルだよ?聞こえる?」



あたしの声かけにアベルの目が開いて手が動いた。



「セシル……リーダーが……こんなところに…いる…のは……良くないです……よ……?」



聞こえないくらい弱々しい声で紡ぐ言葉。


アベルが伸ばした手の先にあたしはいない。



アベルにはもう、あたしが見えていない。




それに気づいたその場にいた全員は言葉をなくした。



あたしはアベルが伸ばした手のある位置に移動して手を掴んだ。



「来ちゃったよ……リーダー失格だよね……でもね、みんなが行けって言うんだもん。あたしのせいじゃないよ?」


あたしはいつものように話し掛けた。



手は、すごく冷たい手だった。

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