悠久~version1:解放戦争

由奈(YUNA)

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悠久の時の流れ

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「やだー!!!!エリーザも行きますー!!!!」



城下町の真昼間に泣き叫ぶ少女がいた。



「我が儘言うな!お母様と僕は国のために行くんだぞ?」



少年が宥めても少女は泣き止まなかった。



「やだやだやだーっ!!!アンドレお兄様ばかりずるいー!!!あたしも行くのーっ!!!」



そんな姿に苦笑いなのはセシルとクリック



泣いている少女はエリーザ

宥める少年はアンドレ



どちらもセシルの双子の子供。
エリーザはセシルに、アンドレはアベルに見た目も性格も似ている。


東に隣接する『パナイ』という国の式典に大統領が呼ばれたので兄でもあるアンドレを連れに選んだらこの有様。


他国の式典に参加したことがないセシルの同行者としてクリックが申し出て快諾したけど、彼は現在サモニ王国の国王『クルーザ・レザ・バレル』に会いたいのだろう。



三日月帝国崩壊の戦いを今では『解放戦争』と呼ばれている。

隣国からも内戦でありながらリーダーであった当時10代の女性の活躍、反乱が勝ちを得るという事実にドライ共和国の強さを感じ、和平を申し込まれた。



「おいおい……セシルどーすんだい?」


クリックにエリーザとアンドレのやりとりを指差されてセシルはため息をついていた。



「エリーザ……誰がお父様のお世話をするの?エリーザも来てしまったらお父様は一人よ?」



セシルの言葉に一瞬にして泣き止んだ。




「お母様!あたしが残ります!お父様のお世話ちゃんとします!いい子にしてます!だから……」



泣き止んでも泣きそうな顔で必死にセシルを見ていた。


母親と長い間離れた事はエリーザはないから。



「早く帰るようにするね。おじい様や大おじい様、それにゼシカもいるし、お城にはレイやサンもいるよ。お城の兵隊さんにエリーザが来たら通すようにお話するから……ね?」



エリーザは泣きそうな顔をしながらも頷いた。



「お父様のお世話もちゃんとします……」


「偉い!たくさん話し掛けてね?お父様は眠っていてもちゃんと聞いているのよ?」





解放戦争でアベルは瀕死の重傷を負った。


ティアですら助からないと言ったが彼はまだ生きている。








しかし、解放戦争から二度と目を覚ましてはいない。


生きている事が奇跡だからいつか目を覚ます奇跡を、セシルをはじめ、解放戦争に関わった解放団全員が祈っていた。

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