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CASE8 君がいない日々
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――――――――――
――――――――――
新しい生活は、何もかもが新鮮だった。
レオンのお店は開けてすぐに本当にお客さんが来た。
「今日はアゲハさんいないの?」
「アイツは長期で薬になる素材探ししてるってさ」
「あら残念。アゲハさんの方が同じ薬草使っているのに効きが違うっていうか………」
「あ゛?俺に喧嘩売ってんの?」
「レオンさんガラ悪いんですものぉ!それが薬に現れているって感じよぉ!!」
とりあえず、口は悪いけど慕われているらしい。
老若男女問わずそんな会話ばっかり最初は聞いていた。
薬草の調合は……全然分からなかった。
ルーラは覚えるのは早かったし、ミオは早々に諦めたんだけど、接客や会計がめちゃめちゃ得意だった。
ここに来て早三日。
一番ダメなのが私で、だからレオンからはネタのように扱われはじめていた。
「俺の弟子になれねーなぁ、ソラは」
「いいんだよ、私がやれているから」
「俺も俺も!接客なら得意だし!!」
「……家事、頑張ります」
申し訳なくって家を綺麗にしたり食事を作ったりするけど、共同生活だから全員が持ち回りでやる決まり。
つまり、私って役に立てていない。
「あ、そうだ。私、欲しいものがあるんだ」
ロクに働いていない私がねだるのも悪い気がするけど……。
ただ、この世界で生きていくには必要な知識は欲しい。
「文字の勉強のために本が欲しい。あとペンとノート。あとお金とか物価とか、普通に生きていく上で必要な事を覚えたいんだ。
じゃないと私、この町の人に変な人って目で見られちゃう可能性あるでしょ?」
そうお願いをしたら、レオンとルーラは目をぱちくりさせていた。
私、変なことは言っていないよね?
「……驚くほど考えが一緒だった」
ルーラの言葉で意味が分かった。
「アゲハもそう言ったから俺が色々教えたんだよ」
レオンの言葉で確定。
やっぱり
どうしてもアゲハの影がちらつくね。
「明日俺と買いに行くか?薬届けたい人も数人いるし」
レオンがOKしてくれて、ようやくこの世界の文字を覚えることになった。
**********
レオンが薬を届けたい人は三人。
一人は近所に住む、いかにもお金持ちの奥様って感じの人。
レオンがお気に入りなのか、隣にいた私がなぜか睨まれた。
もう一人はエナメの町の真ん中辺りに住むおじさん。
怪我をして今は歩けないから配達を頼んだらしい。
エナメの町の真ん中まで来ると、町中にいる人にお金持ちっぽい人はいなかった。
「そろそろ分かったと思うが、俺たちが住む地域は富裕層が多く住む地域。この辺りは普通。もう少し先はちょっと荒れて……さらに先が北側だ」
「そんな気がした。で?薬を届けたい最後の一人がそのちょっと荒れた場所なの?」
「そうだ。ちょっと無法地帯というべきか……まぁ悪いヤツもいるが、全てがそういう訳じゃない。ちょっと複雑なんだよ、この町って……」
そう言ったレオンの視線は私に注がれていた。
視線の先はネックレス。
「………そのネックレス、服の中にしまえ。盗まれるぞ?」
真顔でそう言われたから慌ててしまった。
首からさげているネックレスを盗まれる町ってどんななの!?
「ま、帰ったら色々説明してやるよ。顔に教えてくれって書いてある」
「………知りたいのは当然でしょ。しばらくここに住むんだから」
「そうだったな!じゃ、今からあまり俺から離れるなよ?」
レオンの忠告通り、町の北側に近づくにつれて
町中にいる人の層っていうのかな?
それがちょっと、変わってきた。
明らかに浮浪者っぽい人や、ガラの悪いヤンキーみたいな人がいて
南側から来た私たちをジッと見ていた。
それでもまだ、ここは北側ではないんだって。
町並みもシャッター街みたいな閉まっているお店や廃屋がたくさんある中
レオンはずいぶん綺麗な店の前で立ち止まった。
そこだけ異質な、不思議な雰囲気。
「昼はコーヒー、夜はバーなんだ。この店」
「こんな場所で………?」
「夜がメインの店だからな」
レオンはノックもしないでドアを開けた。
いいの?って思ったけど、昼はコーヒーのお店をやっているからいいんだよね?
「いらっしゃい……おや、レオンさん?」
「よぉ、マスター。久しぶりだな」
レオンにマスターと呼ばれた人は
白髪まじりの髪の品のいいおじさんだった。
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新しい生活は、何もかもが新鮮だった。
レオンのお店は開けてすぐに本当にお客さんが来た。
「今日はアゲハさんいないの?」
「アイツは長期で薬になる素材探ししてるってさ」
「あら残念。アゲハさんの方が同じ薬草使っているのに効きが違うっていうか………」
「あ゛?俺に喧嘩売ってんの?」
「レオンさんガラ悪いんですものぉ!それが薬に現れているって感じよぉ!!」
とりあえず、口は悪いけど慕われているらしい。
老若男女問わずそんな会話ばっかり最初は聞いていた。
薬草の調合は……全然分からなかった。
ルーラは覚えるのは早かったし、ミオは早々に諦めたんだけど、接客や会計がめちゃめちゃ得意だった。
ここに来て早三日。
一番ダメなのが私で、だからレオンからはネタのように扱われはじめていた。
「俺の弟子になれねーなぁ、ソラは」
「いいんだよ、私がやれているから」
「俺も俺も!接客なら得意だし!!」
「……家事、頑張ります」
申し訳なくって家を綺麗にしたり食事を作ったりするけど、共同生活だから全員が持ち回りでやる決まり。
つまり、私って役に立てていない。
「あ、そうだ。私、欲しいものがあるんだ」
ロクに働いていない私がねだるのも悪い気がするけど……。
ただ、この世界で生きていくには必要な知識は欲しい。
「文字の勉強のために本が欲しい。あとペンとノート。あとお金とか物価とか、普通に生きていく上で必要な事を覚えたいんだ。
じゃないと私、この町の人に変な人って目で見られちゃう可能性あるでしょ?」
そうお願いをしたら、レオンとルーラは目をぱちくりさせていた。
私、変なことは言っていないよね?
「……驚くほど考えが一緒だった」
ルーラの言葉で意味が分かった。
「アゲハもそう言ったから俺が色々教えたんだよ」
レオンの言葉で確定。
やっぱり
どうしてもアゲハの影がちらつくね。
「明日俺と買いに行くか?薬届けたい人も数人いるし」
レオンがOKしてくれて、ようやくこの世界の文字を覚えることになった。
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レオンが薬を届けたい人は三人。
一人は近所に住む、いかにもお金持ちの奥様って感じの人。
レオンがお気に入りなのか、隣にいた私がなぜか睨まれた。
もう一人はエナメの町の真ん中辺りに住むおじさん。
怪我をして今は歩けないから配達を頼んだらしい。
エナメの町の真ん中まで来ると、町中にいる人にお金持ちっぽい人はいなかった。
「そろそろ分かったと思うが、俺たちが住む地域は富裕層が多く住む地域。この辺りは普通。もう少し先はちょっと荒れて……さらに先が北側だ」
「そんな気がした。で?薬を届けたい最後の一人がそのちょっと荒れた場所なの?」
「そうだ。ちょっと無法地帯というべきか……まぁ悪いヤツもいるが、全てがそういう訳じゃない。ちょっと複雑なんだよ、この町って……」
そう言ったレオンの視線は私に注がれていた。
視線の先はネックレス。
「………そのネックレス、服の中にしまえ。盗まれるぞ?」
真顔でそう言われたから慌ててしまった。
首からさげているネックレスを盗まれる町ってどんななの!?
「ま、帰ったら色々説明してやるよ。顔に教えてくれって書いてある」
「………知りたいのは当然でしょ。しばらくここに住むんだから」
「そうだったな!じゃ、今からあまり俺から離れるなよ?」
レオンの忠告通り、町の北側に近づくにつれて
町中にいる人の層っていうのかな?
それがちょっと、変わってきた。
明らかに浮浪者っぽい人や、ガラの悪いヤンキーみたいな人がいて
南側から来た私たちをジッと見ていた。
それでもまだ、ここは北側ではないんだって。
町並みもシャッター街みたいな閉まっているお店や廃屋がたくさんある中
レオンはずいぶん綺麗な店の前で立ち止まった。
そこだけ異質な、不思議な雰囲気。
「昼はコーヒー、夜はバーなんだ。この店」
「こんな場所で………?」
「夜がメインの店だからな」
レオンはノックもしないでドアを開けた。
いいの?って思ったけど、昼はコーヒーのお店をやっているからいいんだよね?
「いらっしゃい……おや、レオンさん?」
「よぉ、マスター。久しぶりだな」
レオンにマスターと呼ばれた人は
白髪まじりの髪の品のいいおじさんだった。
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