理想郷 - 私と幼馴染みの異世界物語 -

由奈(YUNA)

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CASE11 心の中

21

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さすがに、、誰も何も言えなくて、、、


ギルバートさんは黙って記憶の続きに向かった。




次の記憶では視界がぼやけていたけど、さっきと変わらない景色。

きっと、身体を縛られたまま。



『………いきて、、る、』


アゲハの声はかなり枯れていたし、声に全く力がなかった。


『おはよう、アゲハ。気分はどう?』


視線が花将軍を捉えた瞬間

【怖い、殺される!】って心の声に全てが掻き消されて、アゲハに向かって何か言ってる花将軍の声は聞こえなかった。


花将軍の元に来てすぐのアゲハは

自分と繋がっている人の命を思って自分が無理しないようにって、ずっと心を鎮めてすごそうとしていた。


だから、花将軍の夜の相手をするときも自分に負荷がからないようにすることを最優先に考えていたのに、、



今のアゲハは、他の人を気遣う余裕なんて一切なくなっていた。



『………泣くほど嫌で怖いのに、、だぁれもアゲハを助けに来ない。レジスタンスも薄情ねぇ。ここに辿り着けないんじゃなくて、、探していないのかもしれないわね』


アゲハの心がボロボロになってきてるのが分かっているんだろうね。


わざと、追い詰めるように言ってるとしか思えない。



【それでいい………みんなじゃなくて、、よかった……】



「良くねーだろ……アイツ、馬鹿なのか?」


間髪入れずにゼロさんが口を開いて自分の頭をガシガシと掻いていた。

苛立ってもどこにもぶつけられないのは、私も同じ。



『さぁ、続きをはじめましょ?ちょっと配合を変えてみたの。奴隷は無限じゃないからね。無駄にできないし……』


花将軍はアゲハに背を向けて、向かった先は隣のベッド。

動かない人だったけど……たぶん、気を失っているだけ、、、


それから……さっきの映像と同じで医者に注射を打たれた人が異形化して

アゲハにも同じ注射を打たれた……。



ただ、アゲハは苦しんだけど、異形化はしなくて……

三回目以降はアゲハの記憶がごちゃごちゃになっていて、何が何だか分からない状態。


ギルバートさんが言うにはアゲハ自身夢か現実か分からない状態だからだろうって……。

だから、その注射を何回打たれたかは、分からなかった。


ただ、、アゲハの意識がハッキリとしている時に自分の腕を見て、、

数えきれないほどの注射の跡に絶望していた。



『おかしいわねぇ……打っても打ってもアゲハだけ姿形が変わらないなんて……』


『やはり、元からの核のせいでしょう……修復もされないようで、、』


『そうねぇ……じゃあ、取り替えしかないかしら?』



アゲハの耳にはそんな声が届いていたけど

もう何も考えられないし、目の焦点も合わないみたい。


たまに、花将軍の声が聞こえるけど何を言っているか分からないし、映像も霞んでいる中、ひとつの人影が増えた。



『…………まだ、遊んでいるのか』


『あら?見に来たの?なかなかうまくいかなくて……ゼフォンみたいになりそうにもないの』


さっきまで霞んだ映像だったけど

なぜか“ゼフォン”と呼ばれた人がアゲハに近づいた時

身体の一部が赤く光っているように見えた、、、



そういえばこの“ゼフォン”って人……

救済者の、皇帝……――――――


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