理想郷 - 私と幼馴染みの異世界物語 -

由奈(YUNA)

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CASE11 心の中

32

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私が階段を降りたらランさんが待っていてくれた。


「会話…全部聞きました?」


一応、確認したらランさんは頷いた。


「私はまぁ…夜な夜なアゲハの様子は見に行くんで。ランさんも良かったらぜひ」


私だけ行くのもなんだし、、きっと、エドガーとかレオンもアゲハの様子は見に行くだろうから、、だからランさんを誘ったけど

ランさんには意外すぎたみたいで目を見開いていた。



「私が?」


「良かったら、ぜひ」


「あの者が……身構えるだろうから、、」


ランさんはちょっと寂しそうに否定しようとしたけどさ

ランさんはめちゃめちゃ行きたそうだよ?


「今までのアゲハとランさんの間柄じゃ身構えると思いますけど……薬の件、アゲハはかなり感謝していたしランさんと話しはしたがってます。それにランさんも見たでしょ?アゲハの本心」


アゲハは花将軍の元にいる間

一人の時はレジスタンスのみんなの事を考えて過ごしていた。


ランさんについても、“自分がいなくなって喜んでるかな?”とか“ランさんなら俺を殺してくれそう”ってネガティブな想い以外にも

“お年的に無理しないでほしい”とか“もっとちゃんと話したかった”とか“笑った顔を見たかった”って、そんな心配や後悔ばかりだった。

その中で、もし、また自分のままでランさんに会えたら…“仲良くなりたい”って、願っていた。



「だから、ランさんが良かったらでいいんで。考えておいてください」


「………分かった」



ランさんはきっとアゲハの様子を見に行くなって、なんとなく、そう感じたよ。



それから、ギルバートさんたちにアゲハの様子を伝えたら「予想通りすぎて言葉がでない」って言って頭を抱えてしまった。


「前にもあったんだよ。出会ってすぐ。熱出したのを隠すためにめちゃめちゃ元気なフリして飯食って吐いて……その時も『迷惑になるから言えなかった』って言って一人で耐えていた、、まぁ、当時はレジスタンスではなかったから、遠慮する気持ちは分かるけどさぁ……」


レオンが言いたい気持ち、よく分かったよ。

今は仲間なんだから、頼ってほしいんだろうね。



アゲハもアゲハなりにみんなを思っての行動だけどさ


「みんなさぁ、ちゃんと話をしようよ。言わなきゃ伝わらない事も、たくさんあるよ」


私の言葉に全員が気まずそうな顔をしたからさ


どんだけみんな、言葉が少ないんだ?って、思っちゃったよ。






**********





それから、深夜12時前。


部屋を抜け出てアゲハのいる部屋の前に行くと

ドアの前でランさんが腕を組ながら佇んでいた。



「………来たか」


って、普通に言うけどね?


「別に私を待たなくてもいいのに……」


思わず口に出してそう言ったら、ランさんは微妙な顔をした。

一人で入れない気持ちはまぁ……分かるけどね。



ドアからは別に物音はしないから寝てるかもしれない……。

だから、ノックをしないでそっとドアを開けたら


ベッドの上で膝を抱えて丸くなっているアゲハがいた……―――――。




「………大丈夫?」


ドアは開けっぱなしにして駆け寄ったら、アゲハの肩が大きく揺れた。

そっとアゲハの手に自分の手を重ねたら、ゆっくりと顔をあげて私と目があった。


「……うん、、へいき」


カラカラの声で言われても……ねぇ?


「もうね、アゲハの平気とか大丈夫はアテにならないって分かってるんだから」


そう言って手を少し強く握ったら

アゲハは少しだけ、、笑った。


反対の手でベッドサイドの明かりを少しつけたらお互いの顔がかなり見やすくなったと思う。


憔悴しきった顔をしているけど……だいぶ落ち着いてはいるっぽい。


ってかランさん……なんで入ってこないの?


って、思うことばかりだけど

アゲハがフッと息を吐く音がしたからそっちを向いて話始めるのを待った。

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