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第15話 龍に好かれる男 避けられる女
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車は昨日と同じ道を走り、またあの厳重な門の前についた。
昨日と同じように、鍵を開けて扉を開ける。
昨日も鍵を開けていたリョウガさんの部下に当たるこの男性は、ケイドさんというらしい。
リョウガさんが祷雨計画の管理責任者であり、このケイドさんが龍の成育管理の責任者とのことだった。
要は、龍のことに関しては一番のプロフェッショナルと言うことだ。
リョウガさんは落ち着いた雰囲気ながらも圧があってたまに圧倒されるけど、このケイドさんは心底穏やかな人のようだった。
いつもにこにこ微笑んでいて、口調もおっとりとしている。
山道を歩きながら、そんなケイドさんの話を聞いた。
「昨日のアユミさんの龍声紋、すごかったです。あそこまで龍が反応するのを初めて見ました」
ゆっくり喋りながらも、少し興奮しているのが分かる。
「そうなんですか?でも今までも何人も私のように、日本から巫女が来てるんですよね。皆さん龍声紋があるから、呼ばれてるんじゃないですか?」
「龍声紋をお持ちでも数値にばらつきがあったり、龍の反応が鈍い方もいました。こればっかりは龍と引き合わせないと分からないんですよ」
そういうもんなのか。
でも今までも何回も祷雨が行われてきてるんだとしたら、ハウエン国のような干ばつはこのカーランティでは頻発してるんだろうか。
現実世界でも温暖化などで気象がおかしくなってるけど、こっちも同じことが起きてるのかな。
そんなことを思ってると龍合地に到着した。
─────────────────────
龍たちは、昨日と同じ場所に固まってとぐろを巻いていた。
唯一の栄養補給方法が光合成だから、ああやって日向ぼっこをする時間が長いのかもしれない。
「龍は生物学上だと爬虫類になりますか?斎藤さんには龍は光合成をすると聞きましたが、体温調節はどうなんでしょう?」
高坂さんの質問に、ケイドさんは軽く首を振った。
「龍はどの生物分類にも属しません。産卵で繁殖しますが恒温動物です。ただ正直、詳しいことはあまり分かってないんですよね。体調を崩すと身を隠す性質もあるし、死骸も滅多に見つからないんです」
「そうなんですか…」
ケイドさんの言葉に、高坂さんは何かを考え込んでるようだ。
龍に一番詳しいと思われるケイドさんですら分からないことが多いと言うくらいだから、得られる情報も少ないのかもしれない。
「龍の警戒心を解く具体的な方法ってあるんですか?」
「龍は視力は弱いようですが、音と匂いには敏感なようです。徐々に自分の匂いを覚えさせて、少しずつ触れていくのが確実ですかね。
攻撃してくることはほぼありませんが、警戒心を持つと威嚇するか、あっという間に空へ逃げます」
「なるほど、焦りは禁物ですね」
徐々に龍に近づいていく。
今回もすぐに目を開いてこちらを見たのはあの深い青色の目の龍、メイリンだ。
相変わらずぼんやりとこちらを見ているようだが、寝ぼけてるのではなくただ視力が弱いだけなのかもしれない。
「もっと近づいてもいいですか?」
ケイドさんに確認を取り、昨日よりメイリンに近寄ってみる。
他の龍も目を開き、こちらを見てきた。
「メイリンの隣の青緑の目をしてるのがライタン、一番奥の水色の目がサンライです。リョウガさんはメイリンの名前を出してましたけど、他の龍とも仲良くなる意識を持っていただければと思います。龍は仲間意識が強いので、特定の龍を贔屓するのは悪手かもしれません」
「そうなんですか…」
本当に昨日の高坂さんの言葉通り、龍は未知の生き物なんだなと思った。
変な先入観はなくして向き合った方が、いいのかもしれない。
ゆっくりとメイリンに近づき、鼻先に手を近づけてみる。
メイリンは私の手の匂いをクンクンと嗅いだけど、そのままフイっと横を向いた。
まるで私に興味がないとでも言うように。
まさかの反応にちょっと戸惑ってると、今度は高坂さんが手を近づけた。
「手の平より手の甲を近付けた方がいいと思うよ。動物はそっちの方が、敵意がないと判断するらしいから」
そう言いながらメイリンに手の甲を近付ける。
するとメイリンは、私とは打って変わって高坂さんの手にグイっと顔をすり付けた。
「うわっ」
その露骨な反応に、さすがの高坂さんも驚いたようだった。
でも、何よりそれを見たケイドさんの驚きがすごかった。
「まさか龍が、初対面の人間にそんなに懐くなんて…」
昨日と同じように、鍵を開けて扉を開ける。
昨日も鍵を開けていたリョウガさんの部下に当たるこの男性は、ケイドさんというらしい。
リョウガさんが祷雨計画の管理責任者であり、このケイドさんが龍の成育管理の責任者とのことだった。
要は、龍のことに関しては一番のプロフェッショナルと言うことだ。
リョウガさんは落ち着いた雰囲気ながらも圧があってたまに圧倒されるけど、このケイドさんは心底穏やかな人のようだった。
いつもにこにこ微笑んでいて、口調もおっとりとしている。
山道を歩きながら、そんなケイドさんの話を聞いた。
「昨日のアユミさんの龍声紋、すごかったです。あそこまで龍が反応するのを初めて見ました」
ゆっくり喋りながらも、少し興奮しているのが分かる。
「そうなんですか?でも今までも何人も私のように、日本から巫女が来てるんですよね。皆さん龍声紋があるから、呼ばれてるんじゃないですか?」
「龍声紋をお持ちでも数値にばらつきがあったり、龍の反応が鈍い方もいました。こればっかりは龍と引き合わせないと分からないんですよ」
そういうもんなのか。
でも今までも何回も祷雨が行われてきてるんだとしたら、ハウエン国のような干ばつはこのカーランティでは頻発してるんだろうか。
現実世界でも温暖化などで気象がおかしくなってるけど、こっちも同じことが起きてるのかな。
そんなことを思ってると龍合地に到着した。
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龍たちは、昨日と同じ場所に固まってとぐろを巻いていた。
唯一の栄養補給方法が光合成だから、ああやって日向ぼっこをする時間が長いのかもしれない。
「龍は生物学上だと爬虫類になりますか?斎藤さんには龍は光合成をすると聞きましたが、体温調節はどうなんでしょう?」
高坂さんの質問に、ケイドさんは軽く首を振った。
「龍はどの生物分類にも属しません。産卵で繁殖しますが恒温動物です。ただ正直、詳しいことはあまり分かってないんですよね。体調を崩すと身を隠す性質もあるし、死骸も滅多に見つからないんです」
「そうなんですか…」
ケイドさんの言葉に、高坂さんは何かを考え込んでるようだ。
龍に一番詳しいと思われるケイドさんですら分からないことが多いと言うくらいだから、得られる情報も少ないのかもしれない。
「龍の警戒心を解く具体的な方法ってあるんですか?」
「龍は視力は弱いようですが、音と匂いには敏感なようです。徐々に自分の匂いを覚えさせて、少しずつ触れていくのが確実ですかね。
攻撃してくることはほぼありませんが、警戒心を持つと威嚇するか、あっという間に空へ逃げます」
「なるほど、焦りは禁物ですね」
徐々に龍に近づいていく。
今回もすぐに目を開いてこちらを見たのはあの深い青色の目の龍、メイリンだ。
相変わらずぼんやりとこちらを見ているようだが、寝ぼけてるのではなくただ視力が弱いだけなのかもしれない。
「もっと近づいてもいいですか?」
ケイドさんに確認を取り、昨日よりメイリンに近寄ってみる。
他の龍も目を開き、こちらを見てきた。
「メイリンの隣の青緑の目をしてるのがライタン、一番奥の水色の目がサンライです。リョウガさんはメイリンの名前を出してましたけど、他の龍とも仲良くなる意識を持っていただければと思います。龍は仲間意識が強いので、特定の龍を贔屓するのは悪手かもしれません」
「そうなんですか…」
本当に昨日の高坂さんの言葉通り、龍は未知の生き物なんだなと思った。
変な先入観はなくして向き合った方が、いいのかもしれない。
ゆっくりとメイリンに近づき、鼻先に手を近づけてみる。
メイリンは私の手の匂いをクンクンと嗅いだけど、そのままフイっと横を向いた。
まるで私に興味がないとでも言うように。
まさかの反応にちょっと戸惑ってると、今度は高坂さんが手を近づけた。
「手の平より手の甲を近付けた方がいいと思うよ。動物はそっちの方が、敵意がないと判断するらしいから」
そう言いながらメイリンに手の甲を近付ける。
するとメイリンは、私とは打って変わって高坂さんの手にグイっと顔をすり付けた。
「うわっ」
その露骨な反応に、さすがの高坂さんも驚いたようだった。
でも、何よりそれを見たケイドさんの驚きがすごかった。
「まさか龍が、初対面の人間にそんなに懐くなんて…」
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