5 / 13
第5話 隷属の首輪
しおりを挟む
坑道の一番奥。
採掘場に不釣り合いな豪奢な扉が突如現れた。
俺は腰のマジックバッグの中から一本の鍵を取り出す。この鍵一本を手に入れるためにどれほどの苦労があったか……
俺は苦労話を女どもに聞かせてやりたい衝動をグッと我慢して鍵を差し込み扉を開ける。
「これは、見事な……」
「すごい」
女騎士と嬢ちゃんは扉の先に広がる光景に感嘆の声をあげた。
俺も初めてここに入った時は同じ様に感動したもんだ。
眼前に広がるのは山の中を完全にくり抜いたドーム状のだだっ広い空間。
壁にはむき出しの蛍光石が青白い光を放ち、さながら夜の星。
その壁に蛇が這うように足場が組まれ、そこからさらに横坑か別部屋へ続く穴が開けられている。
そう、これが本当の無法都市の姿だ。
外のジャンキーどもと違い、この中を歩く者の殆どは、その首に賞金が懸かった札付きばかりだ。
「どうして、こんなところに無法都市なんて……」
あまりの美しさに嬢ちゃんから本音が漏れる。
「ここの顔役だった先代のボスが国に追われて偶然ここを見つけたらしいぜ。あとは先代の人望からか自然と仲間が集まって都市になったんだとよ。……でもよ、ここだけの話、今の顔役は世襲で後継いだボンクラだ。あいつバカみてぇに高い上前だけ掠め取るクソみてぇなヤツだからな。もし、お前らが犯罪を犯してもここに来ることは勧めねぇぜ。ケケケ」
今のボスは俺らが命がけで盗んだ金の四割も取っていくんだ。愚痴の一つも言いたくなる。
嬢ちゃんは、俺の話なんぞどうでも良いと、高い高い天井を見上げていた。
「あっ、あそこに歩いているのはグスマン<ザ・チョッパー>エルオールじゃないのか?」
こっちも俺の御高説を聞いていない女騎士が、突然前を歩く男を指差す。
「さぁな。名前は知らんがありゃ俺の部屋の隣のヤツだ」
「ま、間違いない。手配書で見たことがあるぞ。王都で34名もの女性を惨殺した指名手配中の男だ。あっ!あっちは、アンドラス領で一揆を企てたアンドレイ・クルツ!?」
騎士の血が騒ぐのか鼻息荒く目の前を通りすぎる男を目線で追う。
「おいおい落ち着けって。ここは無法都市だぞ。犯罪者なんぞ五万といる。んなことで一々騒ぐな。怪しまれるだろが」
殺人鬼、国を追われた政治犯、詐欺師、放火魔、ここは犯罪者の見本市と言っても過言ではない。
「そうだったな。騒いですまん」
叱られた犬のように項垂れる女騎士。その姿を見て嬢ちゃんが笑う。
「フフフ。ヴィーはたまにおっちょこちょいです」
「エレオノーラ様、笑わないで下さいよぉ」
何を呑気に笑っているのか分からんがさっさと用をすませよう。
「さっさと歩け。目的の場所はあそこだ」
俺が指さしたのは誰がどう見ても他と同じ穴蔵の一つ。しかし、両隣の坑とはかなり間隔が空いており、内部の広さが窺える。
その穴蔵の入り口には木製の扉が取り付けられ中は見えないようになっていた。
俺が扉を開けると錆び付いた蝶番が死にかけたババァの鼾の様な音を立てる。
俺の後に続く嬢ちゃんは部屋の中を見て、元から白い顔色が更に白く変わる。
部屋の中は人一人が立ってやっとの狭い檻がずらりと立ち並び、勿論檻の中は奴隷が入っている。
そう、ここは奴隷商人の店。奴隷自体は違法ではないが、ここの店主は奴隷確保の為に人間狩りをして無法都市に逃げ込んできたヤツだったはずだ。
通路を歩く俺を檻の中からどいつもこいつも辛気くさい顔で見てくる。
「ひ、ひどい……」
嬢ちゃんは社会見学のつもりなのか、あほくさくて陳腐としか言い様のない感想を呟く。
その後ろで、女騎士まで「ギリリ」と悔しそうに奥歯を噛み締めてた。
俺は一体どうやって育てば、そんな真っ当でつまらん人間になれるのか不思議に思った。
嬢ちゃんはひと際幼い獣人が入れられている檻がお気に入りの様でずっとその場から動かない。
「いらっしゃい。今日は何をお探しで?それとも売りにこられたのかね?」
俺達に声をかけてきたのは、腰が曲がりに曲がった白髪の老婆だった。
俺の後ろに控える女を見て、奴隷を売りに来たと思ったのだろう。
「いや、こいつらに隷属の首輪をほどこしてほしいんだが。いくらかかる?」
老婆は嬢ちゃんと女騎士を値踏みするように、じっとりとした視線で上から下まで舐めるように見る。
「フェフェフェ。あんた随分と好きもんだねぇ。こんな綺麗な女を二人もかい?んー、そうさねぇこれでどうだい?」
老婆は指を四本立てて見せる。一人あたり二万メルク。
普通に奴隷を買っても二万メルクほどが相場だ。どう考えても、ボッタクリ。
「少し高ぇんじゃないか?」
「フェッフェッフェ。嫌なら良いんだよ?アチキは別にどうしても金が欲しい訳じゃないからねぇ」
さすが長年、奴隷商人をやっているだけはある。人の足元を見るのが上手い。
「大丈夫なのか?」
女騎士が心配そうに話しかけてくる。
どう考えても大丈夫ではないが、これから隷属の首輪を入れられる女が心配することではない気がする。
この辺りが嬢ちゃんの言う「たまにおっちょこちょい」たる所以《ゆえん》だなのろう。
俺はしばらく考えるふりをする。
「……仕方ねぇ。払おう」
「毎度ありぃ」
どうでも良いが、そう言ってニタリと笑う老婆の歯はほとんど抜けていた。
老婆は黙って店の奥に歩いていく。俺たちもそれに倣い後をついていった。
嬢ちゃんは獣人の子供が未だに気になるのか何度も後ろを振り返っていた。
店の奥は狭いながら壁にはいくつかの魔石の付いた道具が掛けられ、床には白墨で魔法陣が描かれ、さながら魔法使いの工房のような作りになっていた。
老婆は嬢ちゃんに部屋の中央、魔法陣の中に立つように促す。
「待ってくれ!まずは私が――」
女騎士がそれを邪魔するように魔法陣に入る。
それを見て老婆が「良いのか?」と確かめるような目線を俺に送る。
どうせやることは同じ。先か後かの話だ。
やりたいと言うのならやらせてやろうと俺は老婆にうなずいてみせる。
それを受けて老婆は自分の指のような細長いワンドを取り出すと、女騎士の首のあたりにワンドの先をつけ、反対の手で俺の手を握った。
「あんた、名前は?」
「……ヴァレリー」
女騎士は小さく答えた。この時俺は女騎士改めヴァレリーの名前を初めて知る。
「汝ヴァレリーはここに主従の契約を結ぶ」
繋いだ手から魔力が老婆へと流れ、ワンドの先からヴァレリーへ紋章魔術となって放たれる。
「ぐっ!」
苦痛に顔を歪めるヴァレリーの首にぼんやりと紋様が浮かんで消える。
これが俗に言う隷属の首輪という魔法だ。
これにてヴァレリーとの主従の契約が成った。
さて、次は嬢ちゃんだ。
同じように老婆が名を尋ねる。
「エレオノーラです」
嬢ちゃんの名前はエレオノーラと言うらしい。
「汝エレオノーラはここに主従の契約を結ぶ」
「っ!」
案外エレオノーラの方が痛みに強いのか、あまり表情を変えることなく契約を終えた。
主従の契約は、主に害を与えない。
主の命令には背かない。
この二つを無理やり誓約させ魔法で縛る紋章魔術の一つだ。
この誓いを破れば隷属の首輪が発動して奴隷に苦痛を与える事となっている。
やっとこれで俺はヴァレリーから襲われる心配がなくなった。
気分も軽く、奴隷商人の店を後にした。
採掘場に不釣り合いな豪奢な扉が突如現れた。
俺は腰のマジックバッグの中から一本の鍵を取り出す。この鍵一本を手に入れるためにどれほどの苦労があったか……
俺は苦労話を女どもに聞かせてやりたい衝動をグッと我慢して鍵を差し込み扉を開ける。
「これは、見事な……」
「すごい」
女騎士と嬢ちゃんは扉の先に広がる光景に感嘆の声をあげた。
俺も初めてここに入った時は同じ様に感動したもんだ。
眼前に広がるのは山の中を完全にくり抜いたドーム状のだだっ広い空間。
壁にはむき出しの蛍光石が青白い光を放ち、さながら夜の星。
その壁に蛇が這うように足場が組まれ、そこからさらに横坑か別部屋へ続く穴が開けられている。
そう、これが本当の無法都市の姿だ。
外のジャンキーどもと違い、この中を歩く者の殆どは、その首に賞金が懸かった札付きばかりだ。
「どうして、こんなところに無法都市なんて……」
あまりの美しさに嬢ちゃんから本音が漏れる。
「ここの顔役だった先代のボスが国に追われて偶然ここを見つけたらしいぜ。あとは先代の人望からか自然と仲間が集まって都市になったんだとよ。……でもよ、ここだけの話、今の顔役は世襲で後継いだボンクラだ。あいつバカみてぇに高い上前だけ掠め取るクソみてぇなヤツだからな。もし、お前らが犯罪を犯してもここに来ることは勧めねぇぜ。ケケケ」
今のボスは俺らが命がけで盗んだ金の四割も取っていくんだ。愚痴の一つも言いたくなる。
嬢ちゃんは、俺の話なんぞどうでも良いと、高い高い天井を見上げていた。
「あっ、あそこに歩いているのはグスマン<ザ・チョッパー>エルオールじゃないのか?」
こっちも俺の御高説を聞いていない女騎士が、突然前を歩く男を指差す。
「さぁな。名前は知らんがありゃ俺の部屋の隣のヤツだ」
「ま、間違いない。手配書で見たことがあるぞ。王都で34名もの女性を惨殺した指名手配中の男だ。あっ!あっちは、アンドラス領で一揆を企てたアンドレイ・クルツ!?」
騎士の血が騒ぐのか鼻息荒く目の前を通りすぎる男を目線で追う。
「おいおい落ち着けって。ここは無法都市だぞ。犯罪者なんぞ五万といる。んなことで一々騒ぐな。怪しまれるだろが」
殺人鬼、国を追われた政治犯、詐欺師、放火魔、ここは犯罪者の見本市と言っても過言ではない。
「そうだったな。騒いですまん」
叱られた犬のように項垂れる女騎士。その姿を見て嬢ちゃんが笑う。
「フフフ。ヴィーはたまにおっちょこちょいです」
「エレオノーラ様、笑わないで下さいよぉ」
何を呑気に笑っているのか分からんがさっさと用をすませよう。
「さっさと歩け。目的の場所はあそこだ」
俺が指さしたのは誰がどう見ても他と同じ穴蔵の一つ。しかし、両隣の坑とはかなり間隔が空いており、内部の広さが窺える。
その穴蔵の入り口には木製の扉が取り付けられ中は見えないようになっていた。
俺が扉を開けると錆び付いた蝶番が死にかけたババァの鼾の様な音を立てる。
俺の後に続く嬢ちゃんは部屋の中を見て、元から白い顔色が更に白く変わる。
部屋の中は人一人が立ってやっとの狭い檻がずらりと立ち並び、勿論檻の中は奴隷が入っている。
そう、ここは奴隷商人の店。奴隷自体は違法ではないが、ここの店主は奴隷確保の為に人間狩りをして無法都市に逃げ込んできたヤツだったはずだ。
通路を歩く俺を檻の中からどいつもこいつも辛気くさい顔で見てくる。
「ひ、ひどい……」
嬢ちゃんは社会見学のつもりなのか、あほくさくて陳腐としか言い様のない感想を呟く。
その後ろで、女騎士まで「ギリリ」と悔しそうに奥歯を噛み締めてた。
俺は一体どうやって育てば、そんな真っ当でつまらん人間になれるのか不思議に思った。
嬢ちゃんはひと際幼い獣人が入れられている檻がお気に入りの様でずっとその場から動かない。
「いらっしゃい。今日は何をお探しで?それとも売りにこられたのかね?」
俺達に声をかけてきたのは、腰が曲がりに曲がった白髪の老婆だった。
俺の後ろに控える女を見て、奴隷を売りに来たと思ったのだろう。
「いや、こいつらに隷属の首輪をほどこしてほしいんだが。いくらかかる?」
老婆は嬢ちゃんと女騎士を値踏みするように、じっとりとした視線で上から下まで舐めるように見る。
「フェフェフェ。あんた随分と好きもんだねぇ。こんな綺麗な女を二人もかい?んー、そうさねぇこれでどうだい?」
老婆は指を四本立てて見せる。一人あたり二万メルク。
普通に奴隷を買っても二万メルクほどが相場だ。どう考えても、ボッタクリ。
「少し高ぇんじゃないか?」
「フェッフェッフェ。嫌なら良いんだよ?アチキは別にどうしても金が欲しい訳じゃないからねぇ」
さすが長年、奴隷商人をやっているだけはある。人の足元を見るのが上手い。
「大丈夫なのか?」
女騎士が心配そうに話しかけてくる。
どう考えても大丈夫ではないが、これから隷属の首輪を入れられる女が心配することではない気がする。
この辺りが嬢ちゃんの言う「たまにおっちょこちょい」たる所以《ゆえん》だなのろう。
俺はしばらく考えるふりをする。
「……仕方ねぇ。払おう」
「毎度ありぃ」
どうでも良いが、そう言ってニタリと笑う老婆の歯はほとんど抜けていた。
老婆は黙って店の奥に歩いていく。俺たちもそれに倣い後をついていった。
嬢ちゃんは獣人の子供が未だに気になるのか何度も後ろを振り返っていた。
店の奥は狭いながら壁にはいくつかの魔石の付いた道具が掛けられ、床には白墨で魔法陣が描かれ、さながら魔法使いの工房のような作りになっていた。
老婆は嬢ちゃんに部屋の中央、魔法陣の中に立つように促す。
「待ってくれ!まずは私が――」
女騎士がそれを邪魔するように魔法陣に入る。
それを見て老婆が「良いのか?」と確かめるような目線を俺に送る。
どうせやることは同じ。先か後かの話だ。
やりたいと言うのならやらせてやろうと俺は老婆にうなずいてみせる。
それを受けて老婆は自分の指のような細長いワンドを取り出すと、女騎士の首のあたりにワンドの先をつけ、反対の手で俺の手を握った。
「あんた、名前は?」
「……ヴァレリー」
女騎士は小さく答えた。この時俺は女騎士改めヴァレリーの名前を初めて知る。
「汝ヴァレリーはここに主従の契約を結ぶ」
繋いだ手から魔力が老婆へと流れ、ワンドの先からヴァレリーへ紋章魔術となって放たれる。
「ぐっ!」
苦痛に顔を歪めるヴァレリーの首にぼんやりと紋様が浮かんで消える。
これが俗に言う隷属の首輪という魔法だ。
これにてヴァレリーとの主従の契約が成った。
さて、次は嬢ちゃんだ。
同じように老婆が名を尋ねる。
「エレオノーラです」
嬢ちゃんの名前はエレオノーラと言うらしい。
「汝エレオノーラはここに主従の契約を結ぶ」
「っ!」
案外エレオノーラの方が痛みに強いのか、あまり表情を変えることなく契約を終えた。
主従の契約は、主に害を与えない。
主の命令には背かない。
この二つを無理やり誓約させ魔法で縛る紋章魔術の一つだ。
この誓いを破れば隷属の首輪が発動して奴隷に苦痛を与える事となっている。
やっとこれで俺はヴァレリーから襲われる心配がなくなった。
気分も軽く、奴隷商人の店を後にした。
0
あなたにおすすめの小説
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる