死にきれない私

身体には戻らない。

「クロちゃん、私、身体には
戻りたくないよ。だって、生きてたって、何も良いことないし、このまま死んだら梅子さんに会えるんでしょ?」


「お金戻ってきたのに?しかも
このお金、一億はありそうだよ。ナナ」

「えー!？そんなにあるの？
ろくでもない奴だね。あいつ。でも、あたしはいいや。」

「せっかく、取り返したのに。」

「それは、他の被害者に戻せばいいんじゃないかな。みんな困ってるよ。私はいらない。警察に届けたら、被害者に戻るんじゃない？」

「どうかな。勅使河原のものって、証明出来ないと、ただの拾得物扱いじゃないのかな。」

「そっか。じゃ被害者特定して、私達で返していくしかないかな。」

「そうしたい？」

「うん。」