引き篭もり隊最強伝説

やぼ

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惨状の墓

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アバター兵士はロボット
なので、粉々になっても
血まみれになることはない。

だから、ゲーム感覚で
戦うことが出来た。

しかし、今、目の前に
人間の遺体が何十人も
転がってる。


「亡くなった敵兵達を埋葬
してあげよう。」

優しき25歳の透が静かに
落ちついた声で言った。


「お前、バカか?
そんなことをしてる間に攻めて来られたらどうするんだ」


捻くれた17歳は口も悪いようだ。

「裕介、お前、腕がいいんだから何とかしといてくれ」

はあ?と目をむく、裕介に
俺は言った。

「俺のアバターで掘削させよう。」

俺は粉々になったアバターとは
別のアバター兵士を掘削機に変形させて穴を掘った。


ロボットは正確無比で
仕事が速い、あっという間に
埋葬出来る穴が掘られた。


そして、透のアバターが
亡くなった敵兵を抱えて
埋葬していった。


さっき迄、
我々を爆撃した敵機は
戻っては来なかった。

そして透のアバターが
埋葬した場所に敵兵の自動小銃
をひとつずつ立てていった。

俺達の勝手な行動を
ずっと何も言わず
モニターを見ていた小隊長が
ポツリ呟いた。

「俺達は何をやってるんだろう、敵兵も人殺しする為に
生まれてきた訳じゃないのに
みんな、犬死にじゃないか」

「俺は、だから、自衛隊を
辞めたのに・・・」


業を煮やしたのか
裕介が呆れたように
頭に人差し指をクルクル
させながら

「お前ら、大丈夫か?
殺らなきゃ殺られるんだぞ」

「国を守る為に俺達は
ここにいるんだよ。
頭の狂った国からの侵略から
国民を守るのが使命だ。」

既に追い詰められた
狂人大統領は
なかなか陥落しない都市へ
核を落とし、どの国も臨戦体制
に入った。

世界は独裁国とそれに追随する国と自由主義国との
対立になり、これが
世界大戦の始まりだった。

「倒すべきは、その狂った国の首長だろ、中枢を破壊した方が無駄に血を流さないですむだろ」

「しかし、軍事同盟を結んだ隣国もあるぞ、この大戦に乗じて暴れ回ってる。」


「そちらも倒すしかないが
先ずは、狂人からだ。」


「どうやってやるんだ」

「俺達への指令は敵の侵攻を
阻止することだぞ」

「俺に考えがある。」

俺は、この変幻自在のアバター
なら、やれると確信していた。



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