この世界の片隅で
数百年ほど前、ある動物の耳と尻尾を持った人間が初めて姿を現したと言われている。
彼らは人の言葉を話し、人と同じように生活をする。その体に持つ耳と尻尾以外、見た目は人間と何ら変わりはなかった。彼らの知能は人間には劣るものの、その身体能力は人間をはるかに上回るものだった。まるで野生の動物の如く各々の持つ能力を巧みに扱い人間を助け、時には人間に助けられ、いつしか彼らは人間と良好な関係を築き上げていた。
しかし、人間の王は恐れた。これまで人間を中心に回ってきた世界にふらりと現れ、侵食するように人間へと馴染んでいく彼らの姿に。人間には届き得ないその圧倒的な身体能力に恐怖を感じていたのだ。数年の時が流れたある時、一人の動物の耳と尻尾を持った者が人間の王のもとを訪れた。白く神々しい髪に気品と繊麗を携え、人間の王に何か懇願した。しかし、いつか望んでくるあろうと考えていたその言葉に、人間の王は考える余地なく首を横に振った。
「おぬしらは人間になりそこなった獣、さしずめ獣人。我々人間と対等などあり得ぬ」
人間の王は目の前に膝まずく獣人を蔑んだ目で睨み、続けて口を開いた。
「そう、おぬしらは奴隷なのだ」
それが獣人奴隷時代の幕開けだった。
彼らは人の言葉を話し、人と同じように生活をする。その体に持つ耳と尻尾以外、見た目は人間と何ら変わりはなかった。彼らの知能は人間には劣るものの、その身体能力は人間をはるかに上回るものだった。まるで野生の動物の如く各々の持つ能力を巧みに扱い人間を助け、時には人間に助けられ、いつしか彼らは人間と良好な関係を築き上げていた。
しかし、人間の王は恐れた。これまで人間を中心に回ってきた世界にふらりと現れ、侵食するように人間へと馴染んでいく彼らの姿に。人間には届き得ないその圧倒的な身体能力に恐怖を感じていたのだ。数年の時が流れたある時、一人の動物の耳と尻尾を持った者が人間の王のもとを訪れた。白く神々しい髪に気品と繊麗を携え、人間の王に何か懇願した。しかし、いつか望んでくるあろうと考えていたその言葉に、人間の王は考える余地なく首を横に振った。
「おぬしらは人間になりそこなった獣、さしずめ獣人。我々人間と対等などあり得ぬ」
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