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二章『パテ編』
第34話 蜥蜴軍団2
しおりを挟むまずは敵を知ることから始めよう。ツナコマ村の村長に話を聞くことにした。俺の村の村長はヨボヨボのジィさんだったが、ここの村長は50代くらいのガッチリとした男だ。
場所はツナコマ村の中心近くにある村長の家だ。木製で塔のような作りなので見晴らしもいい。最上階の3階で窓を開け払い見通しを良くする。日が沈んでいくのが見える。話を切り出したのは村長からだ。
「奴らが襲撃してきたのはほんの半日前の早朝です」
「すみません、俺たちの到着がもう少し早ければこんなことには」
「いえ、全て魔物が悪いのです」
「それで規模はどのくらいにゃんだ?」
「ここから見ただけですが、50頭は確実です」
「多いにゃ」
「どう攻めてきたんだ?」
「数個のグループに別れて襲ってきました。グループ事に剣士や魔法使いがいて、統率が取れていました。こちらも警備兵はいましたが多勢に無勢、門を正面突破されて、それからは好き放題に」
「敵の種類と装備をできるだけ細かく教えてくれ」
「確認できた敵は蜥蜴剣士(リザードソードマン)、蜥蜴魔法使い(リザードウィザード)、蜥蜴弓士(リザードアーチャー)、蜥蜴盗賊(リザードシーフ)です。剣士が多かったです。剣士は片手剣を、魔法使いは火の玉を飛ばしてきます。盗賊には裏手に回られて火をつけられました。弓士はそこまで上手くはないですが、剣士を相手にしていると、やはりキツイです」
「弓士は毒矢など、変わった矢を使っていましたか?」
「いえ、矢尻は鉄製の普通のものでした」
「アジトは知ってるの?」
「いえ、何せ今日の出来事でして······」
「50もの魔物が移動したんだから、痕跡と臭いは消せにゃいと思うにゃ。ミーにゃら追跡は容易いにゃ。にゃんにゃら今からでもアジトを見つけ出してくるよ」
「今は夜だ、朝になるのを待った方がいいんじゃ?」
「ミーは夜目が効くから遅れは取らにゃいよ」
「明日の朝、また攻めてくるかも」
「そうか、その事は後で決めよう。それで村長さん、奴らはなんで引き上げたんだ?」
「私たちもただやられているわけではなかったので、農民は農具で、昔、剣を振るっていた者は剣で戦いました。倒せはしなくても手傷は追わせることができました」
よし、情報収集はこのくらいでいいだろう。
「よく耐えてくれた。ここからは勇者一行の役目だ」
「かたじけない、必要な物は何でも用意致します。宿を用意しましょう。今日はそこで休んでください」
俺たちは無事だった民宿に泊まることにした。
「じゃ、偵察に行ってくるね」
「エリノア、気をつけろよ」
「大丈夫大丈夫、にゃれてるから」
「油断は死を招く」
「不吉なことばかり言うんじゃにゃいよ、まったく、じゃあにゃ」
エリノアに斥候を頼み、俺たちは3人で会議を始める。人間だった頃の知識で一つ気になることがある。
「もしかして、奴ら夜に動きか鈍くなるとかないか?」
「どうしてですか?」
「やつらは蜥蜴の魔物だろ、太陽の出ていない夜なら動きが鈍くなるかなって」
アイナは笑顔のまま首をかしげている。うん、分かってない時のポーズだ。俺がいない時に調べるつもりだろう。そんなことを思っているとジゼルが口を開いた。
「ならない、確かに爬虫類は変温動物、でも変温動物だっていざとなれば夜でも戦かう。特に蜥蜴(リザード)系の魔物は体内に火炎袋という発熱器官を持ってる、氷魔法などを使わない限り、体温が上がることはあっても下がることはない」
「なるほどな、やっぱり前の知識とは差が出るか」
「前の知識?」
「いや、何でもない」
夜でもダメか、なら日中に攻めたいところだ。装備はどうするか。
「装備で欲しいものはあるか?」
「私はオーディエンスとマイクがあればいい」
「アイナは?」
「私はもう少し矢が欲しいです、相手の人数より多いのが一番でしょうけど、あまり多いと動きにくくなるので、少しだけ」
「矢だな、わかった、エリノアは帰ってきたら聞くとして、俺はそうだな、薬草あるかな」
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