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二章『パテ編』
第55話 大喧嘩祭2
しおりを挟む「大喧嘩祭に参加しようと思う」
俺はその日の夜に皆を集めてそう宣言した。
「反対」
「なんでだジゼル」
「バーガーの今の顔、欲にくらんでる顔」
「否! 断じて否! これは勇者として自己鍛錬の一環だ!」
「ダウト、それなら旅をしながらでもできる」
「まーまー、ジゼルさんや、バーガーが我儘を言うにゃんて珍しい事じゃないか、どれここは1つミーも人肌ぬぐとしようかの」
「エリーの目が金貨になってる、一昨日来やがれ」
「にゃーん」
「私は賛成です」
「どうして? 納得のいく説明を」
「面白そうだからです!」
「シット」
「よし、5人中3人が賛成だ、こういう時は多数決に限るぞ」
「チームの和を乱すのはもっと愚策。わかった、やるからには優勝」
「よっしゃ!」
スーは寝てるから意見は聞けそうにないな。
「ぐーぐー、むにゃむにゃ、うっ! ガクッ??????」
スーのやつ夢の中でも死んでる夢を見ているのか?
3日後。
オオベナ街の中心にある巨大コロシアム。今日は満員を通り越し、コロシアムの外にまで人だかりができている、出店がいくつも並び、本当にお祭り騒ぎだ。
「当日まで参加応募を取り続けているとはな。そのお陰で俺たちは出場できるわけだが」
大喧嘩祭に参加するのは俺とアイナとエリノアだ。参加メンバーは多いに越したことがないからな。
俺たち参加者は巨大コロシアムの中心に集められた。数は、ざっと数えて1万人はいるだろう。
表彰台に現れたのは、どうやら司会進行役のようだ。マイクもなしにどうやってこの会場で声を全体まで届かせるつもりなのか。
「レディースエーンジェントルメーンっぬあ!!」
あ、これ魔法とかじゃない、ただのバカデカい声だ。
その雷のような大声は巨大コロシアムの外にいる者にも届くことだろう。
「毎年恒例の大喧嘩祭ぃ! 司会は私、ロン・スティックがお送りいたしますぅ! 今年は誰がこの表彰台に立つのかぁ!」
観客、参加者全員が大声で答える。それはもはや地震のような地響きだ。沸き立ってんなぁ。
「早速トーナメントといきたいところですんがぁッ! なんだこれ! 人が多すぎる! なので! 参加者には紙を渡してありますんあツ!」
ああ、入場する時に名刺くらいの紙を渡されたな。
「ルールは簡単! シンプルオブベストんッ! その紙を10枚集めてください! 集め方はイージー喧嘩して相手から奪ってください! 勝った方が相手の紙を全て奪えます! もちろんタイマンですよほぉお! 武器は支給されませんッ! マイ武器を使用してください! おっと喧嘩なので対戦相手を殺してはいけませんよ!」
武器が使えなかったら俺は詰んでいたかもなー。しかも魔法もありなんだぜ? この大会ヤバくないか?
「会場内の床には幾つもの四角が書いてありあます! タイマンする2人はその中から相手を追い出したら勝利です! この日のために腕利きの審判と治癒魔法を専攻している魔法使いを山ほど雇いました! 安心して喧嘩してくださぁい! さぁ! 大喧嘩祭の開催だぁあああ!」
開始の合図とともに俺たちはバラバラに走り出した!
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