現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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二章『パテ編』

第92話 モノマ村25

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 俺たちは村の入口に辿り着く。
 エリノアが1人で頑張ってくれている。早く戻らねばならない。入り口にいる連絡係の聖騎士に俺は声をかける。

「戦況は!」
「はっ! 負傷者は100名ほどです」
「死者は!」
「出ておりません!」
「よし! 敵はどれだけ倒した?」
「すでに大半の敵は倒しています」
「わかった、村人たちを下げさせろ。聖騎士は村の入口に固めろ!」
「はっ! ですがどうしてですか?」
「幻影大鷲(アパリションイーグル)がここのボスではなかった。透明龍(インビジブルドラゴン)が出たんだ」
「そ、それは! わ、わかりました! 前線で戦っている隊長に伝えてきます!」

 連絡係の聖騎士は他の聖騎士にここの留守を頼み、馬にまたがると前線に走っていった。

「アイナはまだ起きないか?」
「今起こす」

 ジゼルはバケツに魔法で水を入れると、ベンチに横にしてあるアイナに水をぶちまけた。

「げほっ! げほっ! な、なんですか!」
「ほら起きた」
「アイナ、大丈夫か!」
「バーガー様こそ!」

 俺とアイナは互いの安否を確認する。ひしっと抱き合い、体をぺたぺた触って、互いに頷き合う。

「エリノアが1人で持ちこたえてくれている。精鋭部隊を結成して最後の戦いに行くぞ!」
「はい!」

 10分後、聖騎士が勢ぞろいした。先頭に立つキッドが、俺に走り寄る。

「遅くなりました。ですがほとんどの魔物は討伐できました」
「そうか、ならすぐに馬を出してくれ」
「透明龍(インビジブルドラゴン)ですね。かなり苦しい戦いになりますが、焼き倒して今晩の飯にしてやりましょう!」
「その粋だ、行くぞ! 奴に人の恐ろしさを教えてやろう!」
「はっ! 突撃ぃ!!」

 エリノアとスーを抜いた勇者パーティと聖騎士が戦場を駆け抜ける。村人たちは村の前で待機させている。10名の聖騎士を残して後は全員出撃だ。

 透明龍(インビジブルドラゴン)は中央に移動していた。あの巨体で激しい戦闘を繰り広げているので、騒音と砂煙ですぐに場所を特定できた。

「すでにジゼルが、看破(ファゾム)の魔法で、姿を暴いている」
「おお! それなら我々でも剣を当てることができます!」
「幻影大鷲(アパリションイーグル)は追い詰めたが、中央部に逃げた。アイナの毒矢を受けているが、生存していれば落ち合う可能性が高い」
「はっ! 総力戦ですね、望むところですよ!」

 村の中央に着く。広々としていて、透明龍(インビジブルドラゴン)くらいの巨体が暮らせるようになっている。勘のいい探偵とかならこれを見ただけで、ここが魔物村(モンスタービレッジ)だと推理できたかもしれない。

 家の影から、巨大な体が現れる。透明龍(インビジブルドラゴン)だ。俺たちには目もくれず、エリノアと戦闘を繰り広げている。

 それは激闘だった。透明龍(インビジブルドラゴン)の鞭のような舌の攻撃をエリノアは剣で弾く。エリノアの背後から襲いかかる軽業猿(アクロバットモンキー)を投げナイフを頭部に当てて始末する。

 辺りには魔物の死体がゴロゴロしているが、それでもまだ魔物が多い。隠れていた伏兵だろう。

「聖騎士たちは周りの魔物の相手を、俺たち勇者パーティは透明龍(インビジブルドラゴン)を倒す」
「はっ! 行くぞお前たち!」

 俺はいち早くエリノアの近くに跳ね寄る。エリノアは俺の方を見ないで話し出す。

「バーガー、皆(みんにゃ)は無事か?」
「エリノアのお陰でな」
「そうか。にゃあバーガー」
「どうした?」
「あの透明龍(インビジブルドラゴン)の口の端からから出てるの見えるか?」
「口の端っこ? ······あれは!?」
「透明龍(インビジブルドラゴン)の腹を刺激した時に出てきたんだけど、あれって」
「······ああ」

 斧牛(アックスブル)の角だった。

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