111 / 1,167
二章『パテ編』
第111話 キラーキラー5
しおりを挟む
殺戮蹴(ジェノサイドキック)り。
この魔法がいかなるものか分からないが今はこれに頼るしかない。
やるなら最高のタイミングでやりたい。キックということは、真正面から頭を狙った方がいいか?
否、頭は反撃をもらいやすいうえに標的が小さくて外す可能性が高い。
ならば透明龍(インビジブルドラゴン)にやったように食われてみるか?
否、あの時は怯ませてからだし、小龍(ワイバーン)にはブレスがある。そして俺の破片を拾ってくれる仲間も近くにいない(スーは欠片食べそう)。捨て身は危険だ。
だとしたら高所からの一撃はどうだ?
否、敵は屋台よりも大きい、屋台に登ったとしても地の利を得ることはできない。
俺が考えていると、
「なっ!」
俺の最大のミスは、敵に時間を与えてしまったことだろう。そう、小龍(ワイバーン) は飛べるのだ。翼をはためかせ、風を地面に叩きつける。その巨体が少しずつ宙に浮く。
小龍(ワイバーン)としても、何もしてこない者を相手にする必要はないのだ。敵がぼさっとしていれば飛び立って地の利を得る。当たり前のことだ。
やられた! もう撃つしかない!
「『殺戮蹴(ジェノサイドキック)り』」
俺の体が勝手に跳躍する。なんだ? 勝手に技を放つモーションになるのか? 俺が戸惑っている間もモーションは進む。
普段なら不可能なほどの跳躍(約30m)。さらにタコ足の足先が8本ともまとまりドリルのように回転を始める。
謎の推進力が発生。飛ぼうとする小龍(ワイバーン)の背中に激突する。
小龍(ワイバーン)の纏う浮力を無視するほどの力で地面に叩き伏せる。
硬い。この鱗は相当硬い。あの透明龍(インビジブルドラゴン)よりも! タコ足の先から火花が散りっぱなしだ!
俺は雄叫びをあげる。その方がいけそうな気がした。まるでパチンコの演出のようだ! やったことないけどな!
む! まてまて! 両足で踏ん張っている小龍(ワイバーン)が首を曲げて背中の俺に頭を向けている。そこまで曲がるのかよ! 確かに首長いけどさ! 小龍(ワイバーン)は口を広げる。口の奥が赤く光り始める。まずいまずいまずい!
鱗が瓦のように乾いた音を立てて割れ始めているというのに! これでは間に合わない!
この魔法がいかなるものか分からないが今はこれに頼るしかない。
やるなら最高のタイミングでやりたい。キックということは、真正面から頭を狙った方がいいか?
否、頭は反撃をもらいやすいうえに標的が小さくて外す可能性が高い。
ならば透明龍(インビジブルドラゴン)にやったように食われてみるか?
否、あの時は怯ませてからだし、小龍(ワイバーン)にはブレスがある。そして俺の破片を拾ってくれる仲間も近くにいない(スーは欠片食べそう)。捨て身は危険だ。
だとしたら高所からの一撃はどうだ?
否、敵は屋台よりも大きい、屋台に登ったとしても地の利を得ることはできない。
俺が考えていると、
「なっ!」
俺の最大のミスは、敵に時間を与えてしまったことだろう。そう、小龍(ワイバーン) は飛べるのだ。翼をはためかせ、風を地面に叩きつける。その巨体が少しずつ宙に浮く。
小龍(ワイバーン)としても、何もしてこない者を相手にする必要はないのだ。敵がぼさっとしていれば飛び立って地の利を得る。当たり前のことだ。
やられた! もう撃つしかない!
「『殺戮蹴(ジェノサイドキック)り』」
俺の体が勝手に跳躍する。なんだ? 勝手に技を放つモーションになるのか? 俺が戸惑っている間もモーションは進む。
普段なら不可能なほどの跳躍(約30m)。さらにタコ足の足先が8本ともまとまりドリルのように回転を始める。
謎の推進力が発生。飛ぼうとする小龍(ワイバーン)の背中に激突する。
小龍(ワイバーン)の纏う浮力を無視するほどの力で地面に叩き伏せる。
硬い。この鱗は相当硬い。あの透明龍(インビジブルドラゴン)よりも! タコ足の先から火花が散りっぱなしだ!
俺は雄叫びをあげる。その方がいけそうな気がした。まるでパチンコの演出のようだ! やったことないけどな!
む! まてまて! 両足で踏ん張っている小龍(ワイバーン)が首を曲げて背中の俺に頭を向けている。そこまで曲がるのかよ! 確かに首長いけどさ! 小龍(ワイバーン)は口を広げる。口の奥が赤く光り始める。まずいまずいまずい!
鱗が瓦のように乾いた音を立てて割れ始めているというのに! これでは間に合わない!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
17
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる