現代最強は楽しいハンバーガーに転生しました

黒木シロウ

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三章『ギア編』

第228話 研修は大事だ

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 俺が転生してから5年が経過した。
 『勇者抹殺計画』は順調に進んでいる。

 ポラニアが30年かかると言っていた計画も、5年で最終段階に入っている。

 工場の建設が終わって以来、過労死する魔物はいなくなった。

 肉体労働はよりハードになっている、ひたすら鉱石を掘らせているからな(俺も手があいている時はほぼ『犬小屋』にいるくらいだ)。

 さらに逞しくなった魔物どもは、他の部署から『ギア精鋭部隊』と呼ばれるようになった。

 そして他所から補給された魔物の殆どが辞めていく(死ぬ前に辞めるようになったのはレイの手配らしい、余計なことを)。

 それでも300頭から1000頭にまで精鋭隊は増えた。

 これも現代知識のお陰だな。現代では休みなんて概念はないからな、会社で寝泊まりして仕事をし続けるのが常識だ。この世界では休みという概念が存在するから、常識の違いはどうしようもねぇな。

 俺の親衛隊はレイとセラ(とセラの親衛隊だった小龍(ワイバーン)部隊)、そしてメア(メアの親衛隊は植物系の魔物だったり、人の姿をした魔物のメイドどもだ)、あとポラニアだ(こいつの親衛隊は今は俺のボディになっているキラーだ)。

 親衛隊と精鋭部隊、レイが言うにそれなりの戦力にはなったそうだ。

 それに加えて、この絶望工場(誰かがそう呼び始めて浸透させやがった)から生み出される兵器を使えば、勇者殺しの準備は終了する。

 そんな順風満帆な時ほど何かしらあるもんだ。
 仕事と仕事の間のわずかな時間に魔王から呼び出しをくらった。

 魔王城、玉座の間。

「元気にやっているか?」
「あん? 世間話なら秘書(レイ)とでもしてくれや。報告書は毎日提出しているはずだぞ」
「そういうな、そろそろお主にも実戦経験を積ませてやろうと思ってな」

 余計なお世話だ。

「なんだ不服か?」
「ああ」
「だがな、一度も戦場に出たことのない者が、勇者を殺せると思うか?」
「そう言われりゃ確かに一理あるな、何事も研修は大事だ」
「研修?」
「いや、何でもねぇ」

 まぁ俺のやってる仕事は特殊な技術なんて必要ねぇ誰にでもできる仕事だからな、替えはきく。レイに予定を調整させるか。

「それでどこの戦場に行けばいい?」
「チョウホウ街だ」


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