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八章 ギムナジウム編
ぺトリコールの夜
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ペトリコール【Petrichor】
雨が降った際、アスファルトから上がってくる匂いのこと。
***
ジリジリ、終業を告げるベルが鳴った。生徒たちが各々、荷物を纏めて談笑を始める。制服はなく、皆好きな服を着ていた。
楽しそうで、優雅で、若くて、どの場面を切り取ってもお手本のように綺麗な風景が広がっている。窓からは太陽の光がキラキラ差し込み、そよそよ風が吹く。みんな笑っている。
ポツンと森の中に佇む、世間とは隔絶されたギムナジウム。アウグストゥス・エンクライヴェ学院。新設校で伝統というものはなく、その自由な校風が人気の一つだった。
――ぺトリコールの夜には、怪物が現れる。
ほとんど校則のないこの学院の、唯一の校則。
雨が降った際、アスファルトから上がってくる匂いのこと。
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ジリジリ、終業を告げるベルが鳴った。生徒たちが各々、荷物を纏めて談笑を始める。制服はなく、皆好きな服を着ていた。
楽しそうで、優雅で、若くて、どの場面を切り取ってもお手本のように綺麗な風景が広がっている。窓からは太陽の光がキラキラ差し込み、そよそよ風が吹く。みんな笑っている。
ポツンと森の中に佇む、世間とは隔絶されたギムナジウム。アウグストゥス・エンクライヴェ学院。新設校で伝統というものはなく、その自由な校風が人気の一つだった。
――ぺトリコールの夜には、怪物が現れる。
ほとんど校則のないこの学院の、唯一の校則。
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