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番外編
取り調べ
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これ以上話すことなんてない。処刑したいならすればいい。君は新人?
……まぁいいや。君みたいな人間はたいてい知りたがる。俺がどんな風に生まれて、どう育ったらそんな酷い人間になるのか。なんて。
死ぬのは怖くない。死はありふれている。死は、昔からずっと傍にあった。別に、お前ら合衆国が戦争に参加しなくったってそうだった。
あれは、そうだな。まだ学校に通ってたときだ。俺は十四歳かそこらで、弟の七歳の誕生日が過ぎた頃だった。村は収穫祭の準備で大忙しで、だけど俺は豚の生肉作業のほうで手一杯だった。
この話、気になるだろ?
***
秋の終わりの冷たい風が突き刺さった。町の工場では硝煙の匂いでいっぱいだったけど、村の空気は綺麗なもんだった。
でも、畜産場は違う。干し草やおがくず、土と血の匂いで肺が満ちる。長靴で床にできた血溜まりを踏んで、ずーっと奥まで進む。
加工場の扉が重くて、あれ絶対錆びてたのに手入れを一切してなかった。……あのときから手袋をしてたな。でっかくて長い包丁を使うんだ。
豚がお互いに身体を寄せあって、凄い威嚇の声を上げて俺から逃げようとする。柱や柵にぶつかる音もうるさい。
殴ったり蹴ったりして、ぐったりさせたところをフックで吊すんだ。殺してから吊るしたんじゃ、血抜きが上手くいかない。
どうやるかって? やっぱ気になるよな。こう、包丁を鉛筆みたいに握って首をナイフで一突きにするんだ。
そんなにビビんなよ。血がドバドバ出てたのしーぜ。長靴がビシャビシャになるくらい。
首、大丈夫? 冗談だって。ちょっとしたお遊び、だろ。
……まぁいいや。君みたいな人間はたいてい知りたがる。俺がどんな風に生まれて、どう育ったらそんな酷い人間になるのか。なんて。
死ぬのは怖くない。死はありふれている。死は、昔からずっと傍にあった。別に、お前ら合衆国が戦争に参加しなくったってそうだった。
あれは、そうだな。まだ学校に通ってたときだ。俺は十四歳かそこらで、弟の七歳の誕生日が過ぎた頃だった。村は収穫祭の準備で大忙しで、だけど俺は豚の生肉作業のほうで手一杯だった。
この話、気になるだろ?
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秋の終わりの冷たい風が突き刺さった。町の工場では硝煙の匂いでいっぱいだったけど、村の空気は綺麗なもんだった。
でも、畜産場は違う。干し草やおがくず、土と血の匂いで肺が満ちる。長靴で床にできた血溜まりを踏んで、ずーっと奥まで進む。
加工場の扉が重くて、あれ絶対錆びてたのに手入れを一切してなかった。……あのときから手袋をしてたな。でっかくて長い包丁を使うんだ。
豚がお互いに身体を寄せあって、凄い威嚇の声を上げて俺から逃げようとする。柱や柵にぶつかる音もうるさい。
殴ったり蹴ったりして、ぐったりさせたところをフックで吊すんだ。殺してから吊るしたんじゃ、血抜きが上手くいかない。
どうやるかって? やっぱ気になるよな。こう、包丁を鉛筆みたいに握って首をナイフで一突きにするんだ。
そんなにビビんなよ。血がドバドバ出てたのしーぜ。長靴がビシャビシャになるくらい。
首、大丈夫? 冗談だって。ちょっとしたお遊び、だろ。
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