ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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11~20話

ネグリジェは恐ろしい?【上】

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 生まれて初めてのは、穿くのに難儀なんぎした。

 あっちを結べばこっちがずり落ち、こっちを結べばあっちがずり落ち。
 あまりに手こずっていたものだから、見かねたクロが反対側の紐を摘まんで持っていてくれたぐらいである。
 いやはや、かたじけない。

 当のクロはといえば、バスローブを羽織るだけであっという間に着替えを終えていた。
 しっとりとした黒地のバスローブは銀糸の刺繍で縁取られ、くつろげられた合わせから覗く立派な胸筋の谷間についつい視線が吸い込まれていく。

 無事紐パンを身につけた私も、用意してもらった着替えのなかから持参したフリルたっぷりのネグリジェを着れば、着替え完了!

「……えへへ」

 上体を捻り、前から後ろから自分の身体を見下ろす。
 こんなにフリフリとした可愛い服、試着でだって着たことがない。

 私の着替え用としてこのネグリジェを用意してくれたということは、クロも少なからず似合うと思ってくれてのことだろうか。……大して見えていないとしても。

 反応を求めて見上げれば、クロは両手に顔を突っ伏した状態で停止していた。

「クロ?」

「……恐ろしい」

「! あ、そっ、そんなに似合ってませんでしたかね……! あっはは……」

 なに、わかっていたことじゃないか。
 髪が伸びようとやっぱり『小猿』の私には、可愛らしい服など似合うわけがなかったのだ。
 ほど似合わないのであれば、さっさと脱いで元の部屋着に着替えよう……。

 そう思ってネグリジェに手をかけた瞬間、クロが勢いよく顔を上げた。

「似合わないなどあるものか! むしろ似合いすぎて恐ろしいんだ! ただでさえ愛くるしいヒナが、愛らしいネグリジェに包まれて……あああ、このままでは……このままではヒナの意思を無視して抱きしめ頬擦りして撫で回して口付けてぬいぐるみと共に並べて部屋に閉じ込め一生で倒してしまう……っ!」
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