ちっちゃくて可愛いものがお好きですか。そうですかそうですか。もう十分わかったので放してもらっていいですか。

南田 此仁

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11~20話

ネグリジェは恐ろしい?【中】

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「………………。ぁー……、それはたしかにですね……?」

「だろう!?」

「ええ、ほんと……」

 刺激しないようにそーっとクロから距離を取ると、髪から落ちた水滴がポタッと足の甲を濡らした。
 そうだ、まだ髪が濡れたままだった。

 せっかくの可愛いネグリジェを濡らしては大変と、タオルを被ってわしわし髪を拭いていく。

『似合いすぎて恐ろしいんだ!』

 先ほどのクロの言葉を反芻はんすうすれば、大袈裟だとは思いながらもタオルの下で自然と口元が緩む。
 こんなに可愛い服を『似合う』と言ってもらえた。これも小さくなったおかげだろう。

 拭いても拭いても水の滴るセミロングと格闘しつつ、ふと横着おうちゃくを思い付く。

「クロ~、髪を一瞬で乾かす魔法ってないんですか?」

 ものを綺麗にする魔法があるなら、乾かす魔法だってあってもおかしくない。
 返答を聞こうと顔を上げれば、わきわきと迫っていた手がサッと引っ込んだ。

「対象物を一瞬で乾かす『ドライ』という魔法があるにはある。しかし……」

「しかし?」

「付着した水分を根こそぎ奪うため、カラカラに干上ひあがるが……それでもいいか?」

「却下」

 誰が好き好んで髪を干上がらせようというのか。
 もっとこう、キューティクルを保護しながらしっとりと仕上がるマイナスイオン配合の魔法はないものか。

「『一瞬』とはいかないが、冬場の暖房を兼ねた温風の出る装置がある。それで髪を乾かそう。こちらへ」

「はーい」

 妙にわきわきと動く手に尻込みしつつも、髪を乾かすためクロの手のひらへと乗り込んだ。




 丈の長いシャツワンピのような濃紺の寝衣に着替えたクロと二人、ベッドの上に座って首を捻る。

 ベッドはクロが五人並んで寝られそうなほど巨大で、枕元には前後二列、計五つもの枕が並んでいる。

「クロは寝相いいですか?」

「就寝時の体勢のまま起床することがほとんどだから、悪くはないはずだ」

「ふーむ……」

 ならば寝相で潰される心配はしなくても大丈夫だろうか。
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