ご主人様は愛玩奴隷をわかっていない ~皆から恐れられてるご主人様が私にだけ甘すぎます!~

南田 此仁

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41~50話

50b、番外編 ご主人様はハロウィンをわかっていない

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「これをくり抜いて、被り物を作ればいいのか?」

「はい! ちょっとナイフ借りますね」

マヤがカボチャの隣に置かれたナイフを手にとる。

「こうやって……あれ? ……んーっ! ぐぬぬっ」

ああ……。

ローテーブルの手前にぺたりと座り込んだマヤがグッとカボチャにナイフを突き立てるも、まったく歯が立たず力を込める腕がぷるぷるしている。
その上今にも手を滑らせて怪我をしそうで、危なっかしくて到底見ていられない。

「マヤ、マヤ、俺にやらせてくれ。彫る模様さえ教えてくれれば、すべて俺がやる」

「はぁ、はぁ……じゃあ、お願いします」

ナイフで模様を罫書けがこうとするマヤの手からナイフを取り上げ、ペンを手渡す。

マヤはカボチャの表面に三角形をした妙な形の瞳と、ギザギザと歯の出た大きな口を描いた。



カボチャの尻から刃を入れ、グリグリとくり抜いては布切れの上に放っていく。
布は「勿体ないので中身も捨てないでください」とマヤが敷いたものだ。
途中リーファにスプーンを持ってこさせ、ゴリゴリと中身をこそぎ取った。

中が空洞になると、今度はマヤの描いた線の通りにナイフを入れていく。

「……っと、こんなものか?」

「わぁーっ、すごいです! ガル様すごい! 早いし綺麗!」

手をぱちぱちと打ち鳴らしてマヤがはしゃぐ。
ああ、今すぐにでも……いやいや。

「あとはコレを被るのか?」

「そうです。あ! ちょっと待ってくださいね」

マヤは楽しそうにぱたぱたと寝室に駆けていくと、シーツを一枚手にして戻ってきた。
行為後の汚れたシーツを自分で敷き換えるためにと、寝室に用意させておいた予備のシーツだ。
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