不能だと噂の騎士隊長が『可能』なことを私だけが知っている(※のぞきは犯罪です)

南田 此仁

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11~20話

おでかけの続き【中】

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 ヨルグが何を考えているのかも、これがデートなのかどうかもわからないけれど、一緒にいられるのならなんだって構わない。
 どちらを望むかと言われれば、一緒にいたいに決まってる!

「今日はずっとヨルグさんと一緒にいられるってことですよね? まだ帰らなくていいんですよね? ねっ?」

 都合のいい聞き間違えでないことだけはしっかりと確認しておかなくてはと、俯けられた顔を下からじいっと覗き込む。

「あ、ああ」

 上目遣いに小首を傾げる私に頷きを返し、ヨルグはまた口元を手で覆ってしまった。

 僅かに覗く頬が、逆光でもわかるほど紅くなっているのに気付く。
 私より太陽に近い分、きっと真昼の日差しの影響も強いのだろう。背が高いのも大変そうだ。

「大丈夫ですか?」

「問題ない……。かっ、帰りはちゃんと送り届けるから、どうか安心してほしい……」

 帰る場所はほとんど同じ『お向かいさん』なのだから、帰路の心配なんてしていないのに。
 覆った手の隙間から、なんとも弱々しくくぐもった声が答えた。


 屋台でデザート代わりのフルーツ串を買って食べつつ、うろうろと露店を覗いて。
 歩き出そうとした私に、「はぐれてはいけないから」とヨルグが肘を差し出してくれたおかげで、左腕には今もしっかりとヨルグの腕を抱いている。

 ここが地元の田舎町ならこうはいかなかっただろう。王都の人通りの多さに感謝である。

 再び感じられた温もりをぎゅっと抱きしめ、ニコニコと緩みきった顔で幸せな時間を堪能した。




 ジュースのような桃のお酒を喉に流し込んで、コンッとグラスを置く。

「おかわりっ!」

「……もう止めておいたほうがいいんじゃないか?」

「まだ三杯目じゃないれすか。ヨルグさんらって、もっと呑んでるれしょう?」

「それはそうだが……」

 劇は両想いなのにすれ違う男女が、想い通じ合い、恋人になるまでを描いたものだった。
 言葉が足りず、タイミングが合わず、気遣いが裏目に出て。お互いに想い合っているのにすれ違っては距離が広がる。

 最初は切ない気持ちで見守っていたけれど、目の前にあるチャンスをことごとくふいにする二人の姿に最終的には焦れったさが勝った。
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