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41~50話
43b、悪女になったの
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水差しの水でありがたく喉を潤すと、溶け込んだ柑橘の風味に頭もすっきりと冴えてくる。
「……急がなくちゃ!」
部屋の掃除は遅らせてくれるようだけれど、今は一刻も早くここを抜け出さなくては。
他の人間に見つかればグレニスにあらぬ噂が立ってしまう。
床に下ろした足で立ち上がろうと踏ん張れば、行かせまいと絡みつくような疼痛に昨夜の出来事が甦った。
———グレニスを、この身に受け入れたのだ。
信じられないほど奥深くまで、それはもう何度も何度も……。
熱い眼差し。力強い抱擁。心ごとすべてで私を求めてくれた。
記憶にあるのはグレニスが二度目の吐精を終えたところまで。
散々押し広げられた秘部には、まだ何か挟まっているかのような違和感がある。
幸せで、幸せで……そして決して引き返せない罪を犯した。
婚約者がいるにも関わらず他の男性と身体を重ねた自分はもう、最低最悪の悪女になってしまったのだ。
「……っ」
ぺちんと頬を打って気持ちを切り替える。
今は感傷に浸っている場合ではない。
両手をサイドボードについて立ち上がれば、ももは震え股関節の動きもぎこちないけれど、幸い歩けないほどの痛みはない。
履き物を履き、ずるずるとドアを目指した。
「……急がなくちゃ!」
部屋の掃除は遅らせてくれるようだけれど、今は一刻も早くここを抜け出さなくては。
他の人間に見つかればグレニスにあらぬ噂が立ってしまう。
床に下ろした足で立ち上がろうと踏ん張れば、行かせまいと絡みつくような疼痛に昨夜の出来事が甦った。
———グレニスを、この身に受け入れたのだ。
信じられないほど奥深くまで、それはもう何度も何度も……。
熱い眼差し。力強い抱擁。心ごとすべてで私を求めてくれた。
記憶にあるのはグレニスが二度目の吐精を終えたところまで。
散々押し広げられた秘部には、まだ何か挟まっているかのような違和感がある。
幸せで、幸せで……そして決して引き返せない罪を犯した。
婚約者がいるにも関わらず他の男性と身体を重ねた自分はもう、最低最悪の悪女になってしまったのだ。
「……っ」
ぺちんと頬を打って気持ちを切り替える。
今は感傷に浸っている場合ではない。
両手をサイドボードについて立ち上がれば、ももは震え股関節の動きもぎこちないけれど、幸い歩けないほどの痛みはない。
履き物を履き、ずるずるとドアを目指した。
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