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1. 乗っ取られた俺の体が、勝手に幼馴染と×××しようとしてるんだが?!
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その日、俺、徹は高校をサボって自室のベッドに腰掛けていた。
スマホを見ながら、最近染めた金色の髪をいじっていると、家のインターホンが鳴る。何度も鳴る。
無視していると、今度は俺の部屋の窓がコツコツと鳴る。何度も鳴る。
次第にドンドンと大きな音が鳴り、窓越しに声が聞こえてきた。
「ちょっとー! 徹! いるのはわかってるんだよ! 開けてよ!」
カーテンを開けてベランダを見ると、俺の予想通り、隣人で幼馴染の那奈がいた。
俺は渋々窓を開ける。
「おい。もうガキじゃねーんだから、ベランダ伝いに来るのはやめろ。噂になるだろ?」
那奈はクォーターで、髪は日本人に多い黒髪だが、瞳の色が青い。
そしてものすごい美人で、めちゃくちゃ可愛く、スタイルも抜群なため、ただでさえ人目を引くのだ。
そんな美少女が、俺の家のベランダで窓を叩いて大声を上げていたら、どんな噂が立つかわからない。
「もー! だったら玄関開けてよ!」
那奈は拗ねた顔で言いながら、窓から中に入ってくる。
「やだよ。いちいち階段降りるのめんどくせーもん」
「ひどっ!」
那奈はそう言って、俺のベッドの、俺が座っている向かいに座り込んだ。
その様子に色々思うところがあり、俺は必死で那奈を視界に入れないようにする。
なぜなら思春期男子は下半身が勝手に、「相手は自分を好きなんじゃないか?」だとか、「自分は相手を好きなんじゃないか?」だとか、いろいろ勘違いしてしまうので、とても大変なのである。
ただでさえ那奈は超絶美少女で、幼馴染だから俺との距離がやたらと近い。
『幼馴染の美少女』というだけでも、俺の下半身は事あるごとに「那奈は俺が好き」だとか「俺は那奈が好き」だとか勘違いさせにかかってくるのに、その近い距離はそれを更に加速させる。
だから俺は、いつも下半身の勘違いを抑えようと必死だった。
「おい、那奈! 男のベッドの上に、男と一緒に座るなよ!」
「えっ! ……だって別に、徹になら何されたっていいもん!」
「……」
俺は額に手を当て項垂れた。思わずため息が出る。
コイツは、俺の涙ぐましい努力も知らず、タチが悪い冗談まで言いやがるのだ。
そんな冗談を言って、もし俺の下半身が「俺と那奈は相思相愛」とか悲惨な勘違いをしてしまったらどうする!
身分違いの恋よろしくスペック違いの恋にハマる残念な勘違い男の出来上がりではないか。
本当にどうにかしてほしい。
「あっ! そうだ! 徹、また学校サボったでしょ?!」
「はあ? お前には、俺がサボったかどーかなんてどーでもいいだろ?」
「どうでも良くないよ! 徹のお母さんから頼まれてるの! 『徹はすぐサボるから、那奈ちゃんに見張ってもらえたら助かるわ』って!」
「なっ……?」
ということは、俺がサボるたびに那奈が俺の部屋に来るということか?
……って、おい! 下半身、喜ぶな!
母さんめ……! 俺の気も知らないで、何てことしてくれるんだ!
「それに、宿題とか授業のノートだって困るでしょ? はい、持ってきてあげたよ」
那奈は鞄から出した宿題のプリントと、自身のノートを俺に差し出す。
「いらねーよ」
もらったところで宿題なんてやる気はないし、ノートを写す気なんか、もっとない。
しかし一瞬、那奈のノートに鼻をつけてスハスハしている自分の悍ましい姿が脳裏に浮かぶ。
いやいやいやいや! それは流石に気持ち悪すぎるだろう、俺!!!
下半身による、その酷い妄想を振り払おうと、俺は顔の前で手を振ったのだが。
俺のベッドの上にいる那奈を、視界に入れないようにしていたのが良くなかった。
俺の手が那奈のノートに当たり、ノートがベッドの下に落ちた。
「ちょっとー!」
その時、俺はうっかり那奈を視界に入れてしまった。
可愛く頬を膨らませる那奈の姿に歓喜する下半身を抑えようと、ついついキツめの口調になってしまう。
「は? お前がいらねーもの押し付けてくるからだろ?」
責任転嫁も甚だしい。本当、最低だ……俺。
「もー!」
那奈はノートを拾おうと、ベッドの上で立ち上がったのだが。
「きゃっ」
那奈はバランスを崩し、ベッドの上に座る俺の足の上に、那奈が四つん這いの状態で覆い被さった。
那奈は、俺の腰の両側に手をつき、俺の脚の間に膝をついている状態だ。
これは……この体勢は、非常にまずくないか?
「ごめんごめん、徹。バランス崩しちゃった」
那奈が頭を上げ、俺と那奈が見つめ合っているような状態になる。
まずいまずいまずいまずいまずいまずい!
俺の下半身がウォーミングアップを始めたその時。
ーーー俺の視界が白く弾け、気付いた時には、俺は夢の中にいた。
◇
夢の中で、俺と那奈はまるで愛し合う恋人同士のようだった。
「那奈!」
「徹!」
「俺たち、死んだんじゃなかったのか?」
「最期の願いが叶って、生まれ変わったんだろうか?」
夢の中の那奈は、俺の顔を覗き込み、そのあと髪や体を見つめる。
やめてくれ。こんな体勢で、こんな至近距離で、そんな可愛い顔で、俺のことを見られたら、また俺の下半身が勘違いをしてしまう!
咄嗟に目を背けようとしたが、夢の中の俺は全く動かず、俺の瞳は那奈のことを見つめ続けていた。
「……天国かもしれないな」
「確かに」
夢の中の俺は、那奈と2人で顔を見合わせクスクスと笑い合った。
なんだコレ、この状況、本当に天国すぎるんだが。
すると、夢の中の俺が、那奈の耳に手を添え、唇が触れるだけのキスをした。
那奈とキスやその他諸々をするエロい夢を見ることなんて日常茶飯事だというのに、……今日は少し違った。
ちょっ……これ本当に夢か? 唇の感触がリアルすぎるんだが。
これはまずい。非常にまずい。
「ずっと……こうしたかった。」
「私も」
うわああああ! か、可愛すぎるだろおおお!!!
那奈のはにかむような笑顔に悶えていたら、次の瞬間、とんでもないことが起きた。
夢の中の俺が、那奈にディープなキスを仕掛けたのだ。
しかも、この夢はいつものエロい夢とは違って、唇の感触がダイレクトに伝わってくる。
唇を合わせながら、那奈の口が少し空いた隙に、那奈の口の中に俺の舌が差し込まれた。
俺の舌が那奈の歯列をなぞった後、那奈の舌を捉えると、那奈も舌を絡めてくれた。
那奈の唇と舌を合わせる感触が、気持ち良い……気持ち良すぎる!!!
うおおおおおおおおお! まずいまずいまずいますい! コレは無理、本当に無理!!!
こちとらファーストキスもまだの童貞なのに。
夢とはいえ、いきなりこんなエロいキスを体感してしまうなんて……!!!
そして舌を絡め合いながら、夢の中の俺の右手が、那奈の制服のシャツの中に入る。
俺の手が、那奈のお腹、腰、背中を移動しながら撫でていく。
滑らかでサラサラで柔らかい……!
ずっと触っていたい気持ちになった。
すると、俺の手がゆっくりと上にあがっていくことに気付いた。
……ま、まさか。まさか俺の右手は、那奈の胸に向かっている……?
那奈は細身なのに、服の上からでもそこはしっかりあることがわかる。那奈のそれが制服のシャツを押し上げているのを直視してしまう度、何度俺の下半身が暴走しかけたことか。……いや、実際何度も暴走した。
ーーーあの柔らかそうなものに、俺の手が……?
その事実だけで、俺の頭は爆発しそうになった。
俺の脳内で胸までのカウントダウンが始まる。
あと5cm、4cm、3cm、2cm、1cm……。
ーーーそして、ついに俺の右手が那奈の左胸に到達したその時。
「ちょおっとまったああああああああああああああああああああ」
その瞬間、那奈の絶叫で俺は夢から覚めた。
◇
俺は夢から覚めたはずなのだが。
なぜか夢と全く同じ体勢になっていた。
そして、夢と全く同じ体勢ということは。
俺の右手は、那奈の左胸をしっかり捉えていた。
……いや、コレ、デカくないか? 大きいとよく言われる俺の手に、コレ、全然おさまっていない。
しかも、めちゃくちゃ柔らかい。ブラジャーごしでも柔らかさが伝わってくるのに、幸運にも直に接触している親指と人差し指と中指の指先からは、それがふわふわであることが伝わってきて。
ーーー顔を埋めたい!!!
下半身が叫ぶのを感じた。更に、いつも下半身へのツッコミを担う理性が、下半身と一緒になって「埋めたい」と叫んでいるんだが。
脳内の収拾がつかず、俺が思考停止状態に陥ったその時、那奈は目を見開き叫んだ。
「きゃあっ!!!」
那奈は、慌てて俺の体を両手で押して離れた。
そして、両手で胸を押さえた那奈は、真っ赤になって涙目で俺を睨んだ。
「……徹のえっち!!!」
「ちょっ! おい……!」
そんな顔でそんなポーズでそんなこと言われたら、余計に脳内の収拾がつかなくなるからやめてくれ!
「こういうことするなら、ちゃんと告白してからにして!」
ーーーえ?告白したらしてもいいのか?
……っていやいやいや、違う違う違う! また那奈の、タチが悪い冗談だ!
それに……これは冤罪だ! 俺は慌てて弁解する。
「違うんだ! あれは俺じゃない!」
「徹じゃなかったら、誰がやったって言うの!」
「……てか! 那奈もノリノリで舌絡めてたじゃねーか!」
那奈は瞬間、顔を真っ赤にして否定する。
「あれは私じゃないもん! さっきベッドでバランス崩した時、目の前が光って、そしたら夢を見ているみたいになって、体が勝手に動いてたの!」
「そう、それだ! 俺も全く同じだった!」
「え? そうなの?」
「そうだ!」
なるほど。だから那奈も言動がおかしかったのか。
にしても、幼馴染の美少女への煩悩と戦い続ける思春期男子に、あんなことが起こるなんて心臓に悪すぎる。
……でも一体、俺たちに何が起こったんだ?
『……い』
その時、俺の頭の中で何かの声が聞こえた。
次第に声が大きくなる。
『……おい! オレの体を返せ!』
スマホを見ながら、最近染めた金色の髪をいじっていると、家のインターホンが鳴る。何度も鳴る。
無視していると、今度は俺の部屋の窓がコツコツと鳴る。何度も鳴る。
次第にドンドンと大きな音が鳴り、窓越しに声が聞こえてきた。
「ちょっとー! 徹! いるのはわかってるんだよ! 開けてよ!」
カーテンを開けてベランダを見ると、俺の予想通り、隣人で幼馴染の那奈がいた。
俺は渋々窓を開ける。
「おい。もうガキじゃねーんだから、ベランダ伝いに来るのはやめろ。噂になるだろ?」
那奈はクォーターで、髪は日本人に多い黒髪だが、瞳の色が青い。
そしてものすごい美人で、めちゃくちゃ可愛く、スタイルも抜群なため、ただでさえ人目を引くのだ。
そんな美少女が、俺の家のベランダで窓を叩いて大声を上げていたら、どんな噂が立つかわからない。
「もー! だったら玄関開けてよ!」
那奈は拗ねた顔で言いながら、窓から中に入ってくる。
「やだよ。いちいち階段降りるのめんどくせーもん」
「ひどっ!」
那奈はそう言って、俺のベッドの、俺が座っている向かいに座り込んだ。
その様子に色々思うところがあり、俺は必死で那奈を視界に入れないようにする。
なぜなら思春期男子は下半身が勝手に、「相手は自分を好きなんじゃないか?」だとか、「自分は相手を好きなんじゃないか?」だとか、いろいろ勘違いしてしまうので、とても大変なのである。
ただでさえ那奈は超絶美少女で、幼馴染だから俺との距離がやたらと近い。
『幼馴染の美少女』というだけでも、俺の下半身は事あるごとに「那奈は俺が好き」だとか「俺は那奈が好き」だとか勘違いさせにかかってくるのに、その近い距離はそれを更に加速させる。
だから俺は、いつも下半身の勘違いを抑えようと必死だった。
「おい、那奈! 男のベッドの上に、男と一緒に座るなよ!」
「えっ! ……だって別に、徹になら何されたっていいもん!」
「……」
俺は額に手を当て項垂れた。思わずため息が出る。
コイツは、俺の涙ぐましい努力も知らず、タチが悪い冗談まで言いやがるのだ。
そんな冗談を言って、もし俺の下半身が「俺と那奈は相思相愛」とか悲惨な勘違いをしてしまったらどうする!
身分違いの恋よろしくスペック違いの恋にハマる残念な勘違い男の出来上がりではないか。
本当にどうにかしてほしい。
「あっ! そうだ! 徹、また学校サボったでしょ?!」
「はあ? お前には、俺がサボったかどーかなんてどーでもいいだろ?」
「どうでも良くないよ! 徹のお母さんから頼まれてるの! 『徹はすぐサボるから、那奈ちゃんに見張ってもらえたら助かるわ』って!」
「なっ……?」
ということは、俺がサボるたびに那奈が俺の部屋に来るということか?
……って、おい! 下半身、喜ぶな!
母さんめ……! 俺の気も知らないで、何てことしてくれるんだ!
「それに、宿題とか授業のノートだって困るでしょ? はい、持ってきてあげたよ」
那奈は鞄から出した宿題のプリントと、自身のノートを俺に差し出す。
「いらねーよ」
もらったところで宿題なんてやる気はないし、ノートを写す気なんか、もっとない。
しかし一瞬、那奈のノートに鼻をつけてスハスハしている自分の悍ましい姿が脳裏に浮かぶ。
いやいやいやいや! それは流石に気持ち悪すぎるだろう、俺!!!
下半身による、その酷い妄想を振り払おうと、俺は顔の前で手を振ったのだが。
俺のベッドの上にいる那奈を、視界に入れないようにしていたのが良くなかった。
俺の手が那奈のノートに当たり、ノートがベッドの下に落ちた。
「ちょっとー!」
その時、俺はうっかり那奈を視界に入れてしまった。
可愛く頬を膨らませる那奈の姿に歓喜する下半身を抑えようと、ついついキツめの口調になってしまう。
「は? お前がいらねーもの押し付けてくるからだろ?」
責任転嫁も甚だしい。本当、最低だ……俺。
「もー!」
那奈はノートを拾おうと、ベッドの上で立ち上がったのだが。
「きゃっ」
那奈はバランスを崩し、ベッドの上に座る俺の足の上に、那奈が四つん這いの状態で覆い被さった。
那奈は、俺の腰の両側に手をつき、俺の脚の間に膝をついている状態だ。
これは……この体勢は、非常にまずくないか?
「ごめんごめん、徹。バランス崩しちゃった」
那奈が頭を上げ、俺と那奈が見つめ合っているような状態になる。
まずいまずいまずいまずいまずいまずい!
俺の下半身がウォーミングアップを始めたその時。
ーーー俺の視界が白く弾け、気付いた時には、俺は夢の中にいた。
◇
夢の中で、俺と那奈はまるで愛し合う恋人同士のようだった。
「那奈!」
「徹!」
「俺たち、死んだんじゃなかったのか?」
「最期の願いが叶って、生まれ変わったんだろうか?」
夢の中の那奈は、俺の顔を覗き込み、そのあと髪や体を見つめる。
やめてくれ。こんな体勢で、こんな至近距離で、そんな可愛い顔で、俺のことを見られたら、また俺の下半身が勘違いをしてしまう!
咄嗟に目を背けようとしたが、夢の中の俺は全く動かず、俺の瞳は那奈のことを見つめ続けていた。
「……天国かもしれないな」
「確かに」
夢の中の俺は、那奈と2人で顔を見合わせクスクスと笑い合った。
なんだコレ、この状況、本当に天国すぎるんだが。
すると、夢の中の俺が、那奈の耳に手を添え、唇が触れるだけのキスをした。
那奈とキスやその他諸々をするエロい夢を見ることなんて日常茶飯事だというのに、……今日は少し違った。
ちょっ……これ本当に夢か? 唇の感触がリアルすぎるんだが。
これはまずい。非常にまずい。
「ずっと……こうしたかった。」
「私も」
うわああああ! か、可愛すぎるだろおおお!!!
那奈のはにかむような笑顔に悶えていたら、次の瞬間、とんでもないことが起きた。
夢の中の俺が、那奈にディープなキスを仕掛けたのだ。
しかも、この夢はいつものエロい夢とは違って、唇の感触がダイレクトに伝わってくる。
唇を合わせながら、那奈の口が少し空いた隙に、那奈の口の中に俺の舌が差し込まれた。
俺の舌が那奈の歯列をなぞった後、那奈の舌を捉えると、那奈も舌を絡めてくれた。
那奈の唇と舌を合わせる感触が、気持ち良い……気持ち良すぎる!!!
うおおおおおおおおお! まずいまずいまずいますい! コレは無理、本当に無理!!!
こちとらファーストキスもまだの童貞なのに。
夢とはいえ、いきなりこんなエロいキスを体感してしまうなんて……!!!
そして舌を絡め合いながら、夢の中の俺の右手が、那奈の制服のシャツの中に入る。
俺の手が、那奈のお腹、腰、背中を移動しながら撫でていく。
滑らかでサラサラで柔らかい……!
ずっと触っていたい気持ちになった。
すると、俺の手がゆっくりと上にあがっていくことに気付いた。
……ま、まさか。まさか俺の右手は、那奈の胸に向かっている……?
那奈は細身なのに、服の上からでもそこはしっかりあることがわかる。那奈のそれが制服のシャツを押し上げているのを直視してしまう度、何度俺の下半身が暴走しかけたことか。……いや、実際何度も暴走した。
ーーーあの柔らかそうなものに、俺の手が……?
その事実だけで、俺の頭は爆発しそうになった。
俺の脳内で胸までのカウントダウンが始まる。
あと5cm、4cm、3cm、2cm、1cm……。
ーーーそして、ついに俺の右手が那奈の左胸に到達したその時。
「ちょおっとまったああああああああああああああああああああ」
その瞬間、那奈の絶叫で俺は夢から覚めた。
◇
俺は夢から覚めたはずなのだが。
なぜか夢と全く同じ体勢になっていた。
そして、夢と全く同じ体勢ということは。
俺の右手は、那奈の左胸をしっかり捉えていた。
……いや、コレ、デカくないか? 大きいとよく言われる俺の手に、コレ、全然おさまっていない。
しかも、めちゃくちゃ柔らかい。ブラジャーごしでも柔らかさが伝わってくるのに、幸運にも直に接触している親指と人差し指と中指の指先からは、それがふわふわであることが伝わってきて。
ーーー顔を埋めたい!!!
下半身が叫ぶのを感じた。更に、いつも下半身へのツッコミを担う理性が、下半身と一緒になって「埋めたい」と叫んでいるんだが。
脳内の収拾がつかず、俺が思考停止状態に陥ったその時、那奈は目を見開き叫んだ。
「きゃあっ!!!」
那奈は、慌てて俺の体を両手で押して離れた。
そして、両手で胸を押さえた那奈は、真っ赤になって涙目で俺を睨んだ。
「……徹のえっち!!!」
「ちょっ! おい……!」
そんな顔でそんなポーズでそんなこと言われたら、余計に脳内の収拾がつかなくなるからやめてくれ!
「こういうことするなら、ちゃんと告白してからにして!」
ーーーえ?告白したらしてもいいのか?
……っていやいやいや、違う違う違う! また那奈の、タチが悪い冗談だ!
それに……これは冤罪だ! 俺は慌てて弁解する。
「違うんだ! あれは俺じゃない!」
「徹じゃなかったら、誰がやったって言うの!」
「……てか! 那奈もノリノリで舌絡めてたじゃねーか!」
那奈は瞬間、顔を真っ赤にして否定する。
「あれは私じゃないもん! さっきベッドでバランス崩した時、目の前が光って、そしたら夢を見ているみたいになって、体が勝手に動いてたの!」
「そう、それだ! 俺も全く同じだった!」
「え? そうなの?」
「そうだ!」
なるほど。だから那奈も言動がおかしかったのか。
にしても、幼馴染の美少女への煩悩と戦い続ける思春期男子に、あんなことが起こるなんて心臓に悪すぎる。
……でも一体、俺たちに何が起こったんだ?
『……い』
その時、俺の頭の中で何かの声が聞こえた。
次第に声が大きくなる。
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