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第九章 楓と直樹の穏やかな日々
40. マッサージ 前編 side. 楓
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初めてのお泊まりの翌々週も、直樹さんの家にお泊まりすることになった。
本当は先週誘われていたのだけど、生理が来てしまったので1週間延期してもらったのだ。
「楓、おいで」
前回と同じようにお風呂から上がったらベッドにタオルがセットされていた。
違うのは、マッサージがしやすいように私がキャミソールとホットパンツを身に付けている点と、天井にある電気が消されていて、灯りが間接照明とキャンドルだけになっている点だ。
キャンドルはアロマキャンドルのようで、部屋には良い香りが漂っていて、まるでエステサロンのようだった。
「今日こそマッサージしてあげる」
「ありがとうございます! 終わったら、私が直樹さんにしますね」
「うん、ありがとう。じゃあ、楓、ベッドで仰向けになってくれる?」
直樹さんはいつも通りふわりとした微笑みを浮かべているけれど、料理をする時やコーヒーを淹れる時と同じで、少しだけ真剣さを帯びている。
もしかしたら直樹さんには『凝り性スイッチ』みたいなものがあって、今もそのスイッチが入ってるのかもしれない。
直樹さんが真剣なら、私も真剣にマッサージを受けなければ。
「……はいっ」
私は気を引き締めて、タオルが敷かれたベッドに仰向けになった。
「鎖骨から、リンパを流していくよ」
直樹さんはオイルを手に伸ばし、温める。
キャミソールの紐をくぐり、大きな手の平が私の鎖骨に這わされた。
鎖骨を滑る手の平の感触に、それが直樹さんの手だという事実に、ドキドキする。
顔も近くて、ドキドキは更に増した
「次は、脇の下のリンパを流すから、腕を上げてくれる」
「はい」
言われた通りに腕を上げ、両腕を90度ほど開いたところで、直樹さんと目が合った。
「……っ」
直樹さんの動きが一瞬止まったように見えたけど、気のせいだったみたいだ。
その表情からは微笑みが消え、真剣そのものになった。
オイルを纏わせた手で、脇の下をくるくると刺激されて、邪な気持ちが湧いてくる。
もし私の胸が大きかったら、きっと胸がマッサージする手に当たって、このまま愛撫やキスが始まっていたかもしれない。
だけど直樹さんは相変わらず真剣な表情で、私が貧乳だから本気マッサージが成り立つのかな……ということに思い至って、悲しい気持ちになった。
そんなことを考えていたら、顔に出ていたみたいだ。
「楓? どうしたの?」
「あっ、いえ、何でもないです!」
真剣な直樹さんに、こんな邪な思考を悟られてはいけない。
私は表情を引き締めた。
「次は、鼠蹊部をほぐしていくよ」
「……!」
そんなとこを触れられて、私、耐えられるんだろうか?
直樹さんの手が私の足の付け根を5回ほど摩る。
ぞわぞわとした快感が走り、変な声が出そうになったけど、必死で耐えた。
直樹さんは私の脚の方に移動していたおかげで、気付かれなかった……と思う。
「次は、足の裏をほぐすね」
直樹さんがそう言って私の足の裏を、親指でグリグリと押していく。
足の裏のマッサージってこんなに気持ち良いなんて知らなかった。
「なんだか極楽気分です~」
「足の裏、気持ち良いよね」
直樹さんがふわりと微笑んで、真剣さが消えた。
「これはどう?」
直樹さんが親指と人差し指で、私の足の指一本一本をキュッと摘んで、グリグリっとして、ポンっと離した。
「な、直樹さん、それ! すごく気持ち良いです~」
「……っ。」
直樹さんがまた動きを止めた気がして、そちらの方を見ると、再び微笑みが消え、ますます真剣な表情を浮かべていた。
直樹さんはいつもふわりと微笑んでいるけど、度々この真剣な顔で私を救ってくれた。
その思い出が頭に浮かんで、キュンとしてしまい、また邪な気持ちになりそうになり慌てて頭を横に振る。
「楓? 痛い?」
「あっ、いいえ、全然痛くないです!」
「じゃあ、脚全体をマッサージするよ」
足の甲側も指先から足首、足首から膝、膝から足の付け根までを摩るようにマッサージされた。
太腿の内側や裏側に触れられた時は、また変な声が出てしまいそうになったけど、必死で耐えた。
「じゃあ次は手のひらをほぐすね」
直樹さんが両手の親指で、私の手の平をグリグリ押してくれた。
「手のひらも気持ち良いです~」
「……っ」
直樹さんが息を呑んだ気がしたけど、見るとやっぱり真剣そうな表情を浮かべているので気のせいだったみたいだ。
そして、手の甲側の指先から手首、手首から肘、肘から脇へと摩るようにマッサージしてくれた。
「次は、耳の後ろをほぐしていくよ」
耳の後ろを手の平でぐるぐると摩られた。
「直樹さん、これも、気持ち良いです~……」
「……っ」
ちょうど凝っていた場所で、またもや極楽気分になる。
「次は顔のマッサージをするね」
間近で真剣な表情の直樹さんが私の顔を見つめていて、ものすごくドキドキした。
「……っ。じゃあ、次はうつ伏せになってくれる?」
「はい」
言われるがままうつ伏せになると、直樹さんが私の腰を跨いで膝立ちになったのがわかった。
マッサージだとわかってるけど、ドキドキする。
腰から肩、腰、頭皮をマッサージされてはぁーっと深い息が出てしまう。
「……っ」
顔は相当緩んでいたと思うけど、うつ伏せだと直樹さんに見られなくて気が楽だった。
そして直樹さんは両手の指で、ぎゅっとぎゅっと頭皮をマッサージしてくれた。
「じゃあ、仰向けになってくれる?」
「はい」
私は直樹さんの脚の間でぐるりと仰向けになった。
私の腰を跨いで膝立ちになる直樹さんに、見下ろされている姿勢にドキリとする。
「……!」
「……っ」
直樹さんは息を呑んだ後、また真剣な顔を浮かべた。
「最後に、おでこから鎖骨に流していくね」
直樹さんの手が私の額へと伸ばされると共に、直樹さんの顔が近付く。
大きな手が、私のおでこから耳、耳から首筋を辿り、鎖骨まで摩られた。
邪な気持ちは再燃する。
これで最後だしいいかなと思って、顔を引き締めるのをやめて、直樹さんの瞳を見た。
だけど、直樹さんは私の目を見てくれなかった。
「はい! これで終わり」
「すっごく気持ち良かったです~! ありがとうございました!」
「……っ。……ううん。それなら良かった」
「直樹さん……、あの……」
この時、私は、マッサージの間中、耐えてきた邪な気持ちが溢れ出た表情をしていたと思う。
「……っ。楓……」
だけど、そこで思い出した。
私も直樹さんにしようと思っていたことを。
「そうでした! 次は、私が直樹さんにマッサージしますねっ! では、さっそく仰向けになってくださいっ」
「……っ」
直樹さんがガクンと項垂れた。
「あれ? 直樹さん、どうしました?」
「ううん、何でもないよ。……じゃあ、お願いね」
「はいっ!」
私は意気揚々とマッサージオイルを手に取った。
本当は先週誘われていたのだけど、生理が来てしまったので1週間延期してもらったのだ。
「楓、おいで」
前回と同じようにお風呂から上がったらベッドにタオルがセットされていた。
違うのは、マッサージがしやすいように私がキャミソールとホットパンツを身に付けている点と、天井にある電気が消されていて、灯りが間接照明とキャンドルだけになっている点だ。
キャンドルはアロマキャンドルのようで、部屋には良い香りが漂っていて、まるでエステサロンのようだった。
「今日こそマッサージしてあげる」
「ありがとうございます! 終わったら、私が直樹さんにしますね」
「うん、ありがとう。じゃあ、楓、ベッドで仰向けになってくれる?」
直樹さんはいつも通りふわりとした微笑みを浮かべているけれど、料理をする時やコーヒーを淹れる時と同じで、少しだけ真剣さを帯びている。
もしかしたら直樹さんには『凝り性スイッチ』みたいなものがあって、今もそのスイッチが入ってるのかもしれない。
直樹さんが真剣なら、私も真剣にマッサージを受けなければ。
「……はいっ」
私は気を引き締めて、タオルが敷かれたベッドに仰向けになった。
「鎖骨から、リンパを流していくよ」
直樹さんはオイルを手に伸ばし、温める。
キャミソールの紐をくぐり、大きな手の平が私の鎖骨に這わされた。
鎖骨を滑る手の平の感触に、それが直樹さんの手だという事実に、ドキドキする。
顔も近くて、ドキドキは更に増した
「次は、脇の下のリンパを流すから、腕を上げてくれる」
「はい」
言われた通りに腕を上げ、両腕を90度ほど開いたところで、直樹さんと目が合った。
「……っ」
直樹さんの動きが一瞬止まったように見えたけど、気のせいだったみたいだ。
その表情からは微笑みが消え、真剣そのものになった。
オイルを纏わせた手で、脇の下をくるくると刺激されて、邪な気持ちが湧いてくる。
もし私の胸が大きかったら、きっと胸がマッサージする手に当たって、このまま愛撫やキスが始まっていたかもしれない。
だけど直樹さんは相変わらず真剣な表情で、私が貧乳だから本気マッサージが成り立つのかな……ということに思い至って、悲しい気持ちになった。
そんなことを考えていたら、顔に出ていたみたいだ。
「楓? どうしたの?」
「あっ、いえ、何でもないです!」
真剣な直樹さんに、こんな邪な思考を悟られてはいけない。
私は表情を引き締めた。
「次は、鼠蹊部をほぐしていくよ」
「……!」
そんなとこを触れられて、私、耐えられるんだろうか?
直樹さんの手が私の足の付け根を5回ほど摩る。
ぞわぞわとした快感が走り、変な声が出そうになったけど、必死で耐えた。
直樹さんは私の脚の方に移動していたおかげで、気付かれなかった……と思う。
「次は、足の裏をほぐすね」
直樹さんがそう言って私の足の裏を、親指でグリグリと押していく。
足の裏のマッサージってこんなに気持ち良いなんて知らなかった。
「なんだか極楽気分です~」
「足の裏、気持ち良いよね」
直樹さんがふわりと微笑んで、真剣さが消えた。
「これはどう?」
直樹さんが親指と人差し指で、私の足の指一本一本をキュッと摘んで、グリグリっとして、ポンっと離した。
「な、直樹さん、それ! すごく気持ち良いです~」
「……っ。」
直樹さんがまた動きを止めた気がして、そちらの方を見ると、再び微笑みが消え、ますます真剣な表情を浮かべていた。
直樹さんはいつもふわりと微笑んでいるけど、度々この真剣な顔で私を救ってくれた。
その思い出が頭に浮かんで、キュンとしてしまい、また邪な気持ちになりそうになり慌てて頭を横に振る。
「楓? 痛い?」
「あっ、いいえ、全然痛くないです!」
「じゃあ、脚全体をマッサージするよ」
足の甲側も指先から足首、足首から膝、膝から足の付け根までを摩るようにマッサージされた。
太腿の内側や裏側に触れられた時は、また変な声が出てしまいそうになったけど、必死で耐えた。
「じゃあ次は手のひらをほぐすね」
直樹さんが両手の親指で、私の手の平をグリグリ押してくれた。
「手のひらも気持ち良いです~」
「……っ」
直樹さんが息を呑んだ気がしたけど、見るとやっぱり真剣そうな表情を浮かべているので気のせいだったみたいだ。
そして、手の甲側の指先から手首、手首から肘、肘から脇へと摩るようにマッサージしてくれた。
「次は、耳の後ろをほぐしていくよ」
耳の後ろを手の平でぐるぐると摩られた。
「直樹さん、これも、気持ち良いです~……」
「……っ」
ちょうど凝っていた場所で、またもや極楽気分になる。
「次は顔のマッサージをするね」
間近で真剣な表情の直樹さんが私の顔を見つめていて、ものすごくドキドキした。
「……っ。じゃあ、次はうつ伏せになってくれる?」
「はい」
言われるがままうつ伏せになると、直樹さんが私の腰を跨いで膝立ちになったのがわかった。
マッサージだとわかってるけど、ドキドキする。
腰から肩、腰、頭皮をマッサージされてはぁーっと深い息が出てしまう。
「……っ」
顔は相当緩んでいたと思うけど、うつ伏せだと直樹さんに見られなくて気が楽だった。
そして直樹さんは両手の指で、ぎゅっとぎゅっと頭皮をマッサージしてくれた。
「じゃあ、仰向けになってくれる?」
「はい」
私は直樹さんの脚の間でぐるりと仰向けになった。
私の腰を跨いで膝立ちになる直樹さんに、見下ろされている姿勢にドキリとする。
「……!」
「……っ」
直樹さんは息を呑んだ後、また真剣な顔を浮かべた。
「最後に、おでこから鎖骨に流していくね」
直樹さんの手が私の額へと伸ばされると共に、直樹さんの顔が近付く。
大きな手が、私のおでこから耳、耳から首筋を辿り、鎖骨まで摩られた。
邪な気持ちは再燃する。
これで最後だしいいかなと思って、顔を引き締めるのをやめて、直樹さんの瞳を見た。
だけど、直樹さんは私の目を見てくれなかった。
「はい! これで終わり」
「すっごく気持ち良かったです~! ありがとうございました!」
「……っ。……ううん。それなら良かった」
「直樹さん……、あの……」
この時、私は、マッサージの間中、耐えてきた邪な気持ちが溢れ出た表情をしていたと思う。
「……っ。楓……」
だけど、そこで思い出した。
私も直樹さんにしようと思っていたことを。
「そうでした! 次は、私が直樹さんにマッサージしますねっ! では、さっそく仰向けになってくださいっ」
「……っ」
直樹さんがガクンと項垂れた。
「あれ? 直樹さん、どうしました?」
「ううん、何でもないよ。……じゃあ、お願いね」
「はいっ!」
私は意気揚々とマッサージオイルを手に取った。
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