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07. 俺が「妊娠させないと出られない部屋」で色々質問した結果(※)
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「……流石に腹が減ったな」
「ユークリッド様は昨日、夜のお食事をなさっていませんものね。多分そろそろ、朝食が届く頃かと……」
その時、寝室のドアの向こうで、ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
「アイデシア!おはよう!」
廊下に面したドア越しに、女の声が聞こえる。
すると、アイデシアも扉の向こうに届くように声を張り上げた。
「おはようございます!」
「朝食を持って来たわよ!ダイニングテーブルに置いておくわね!」
「はい!ありがとうございます!」
「アイデシア、うまくいったみたいで、本当に良かったわね!」
アイデシアの顔が赤くなった。
「ちょっ!な、何をっ!」
「アイデシア、眠れる雄ドラゴンくんをひと目見た瞬間、真っ赤になってたものね!末永くお幸せに!」
アイデシアの顔がますます赤くなる。
「っっっだからっ!私の繁殖活動が終わり次第解放する予定だとっ!昨日から言っているではありませんかっ!」
アイデシアは必死に訴えるが、扉の向こうの女は特に気にせず次の話題に行く。
「あっ!ソファに落ちてた服は、洗濯するから持っていくわよ!」
「っっっ!!!」
アイデシアはリビングに脱ぎ捨てた服のことをすっかり忘れていたようだ。
まるで、恋人との情事が母親にバレた娘のように狼狽えている。
「このワンピース、雄ドラゴンくんもお気に召したかしらー?!」
「あ……ーーーっ?!」
俺が「ああ、もちろんだ」と答えようとすると、アイデシアは両手で俺の口を塞いだ。
そして、かなり強引に話題を変えた。
「お名前は、ユークリッド様です!」
「ユークリッド君ね!これからよろしく!着替えも置いておくから使ってね!……あっ、もしかして着替えは必要ないかしら?!」
「ちょっ……!!!」
アイデシアはますます狼狽えた。
その横で、俺は「確かに着替えは必要ないな」と思い、口を塞がれたままうんうんと頷いていると、アイデシアに信じられない物を見るような目で見られた。
「じゃあ、また来るわねー!」
ガチャリ、と玄関のドアが閉まる音がした。
「……」
アイデシアが俺の口から手を離し、気まずそうに俺を見る。
「ユークリッド様、……あの、突然口を塞いでしまって申し訳ありません」
「ああ、気にしなくていい。アイデシア」
俺はニッコリ笑って答えた。
少しホッとした様子のアイデシアに、俺がいろいろ問おうと口を開くと。
「さっきの話「ユークリッド様はかなりお腹が減っていらっしゃるかと思います!まずは朝食にしましょう!」」
かなり強引に遮られた。
「……後ほど、ご説明しますので」
「わかった」
聞きたいことは沢山あるが、確かに腹は減っている。
俺はアイデシアに従い、先に朝食を摂ることにした。
◇
「っっっだから!何で!このままなんですか?!」
ダイニングテーブルで、アイデシアが声を荒げた。
あの後、俺はまたもや繋がったままのアイデシアを抱き上げ、ダイニングに移動した。
そして、アイデシアをくるりと回して、繋がったまま膝の上に乗せて席についたのだが。
どうやら『繋がったまま朝食を食べる』という状況が、アイデシアの許容範囲をオーバーしてしまったらしい。
「いや、だから、子種が出ちゃうからだって。既にさ、アイデシアのナカいっぱいみたいで、ほら、ここ、少し漏れ出ているだろう?
だから、今抜いたらいっぱい出ちゃうと思うぞ?」
まあ、それは口実で、単に俺が繋がっていたいだけなんだが。
アイデシアは漏れ出ているのを確認する際、俺たちの結合部をしっかり見てしまったらしく、更に取り乱した。
一段と顔を真っ赤にしたアイデシアが、ワナワナと震えている。
羞恥で取り乱すアイデシアも、堪らなく可愛い。
「まぁ、腹も減ったし、早く食おう」
「~~~!……せめて、服を羽織らせてください」
「ええ?!このままでいいだろ?」
「ダメです!」
アイデシアは着替えに手を伸ばし、シャツを羽織りボタンを留めていく。繋がったまま服を着るというのは、何とも不思議だったが、……まぁ俺のせいか。
無理にでも体を離してしまえばいいのに、アイデシアはそれをしない。
俺の意向に沿いたいのか、研究のために子種を守りたいのか、どちらにせよ律儀で可愛いなと思う。
「ユークリッド様も!」
アイデシアはそう言って、器用にくるりと横向きになり、俺にも前開きのシャツを羽織らせ、ボタンを留めてくれた。
そして、アイデシアは俺の服を着せ終えると、おしぼりで俺の手を綺麗に拭いてくれた。
服を着せてもらったり、手を拭いてもらったり、アイデシアにお世話をしてもらうの、……めちゃくちゃイイな。うん。
「アイデシア、ありがとう。お礼に……」
俺は食卓のバゲットを手に取った。
一口大に千切り、アイデシアの口に運ぶ。
「ほら、アイデシア」
「ユークリッド様、そんな!ユークリッド様にそんなことまでさせてしまう訳には……!」
「いいから。食えって」
「……はい。では、いただきます」
少し逡巡した後、観念したアイデシアは、俺の手からバゲットを食べる。
アイデシアはバゲットを咀嚼する度、口の中に広がる味を心底楽しむように食べている。
……うん、可愛いな。
このままこの可愛らしい口の中に俺の指を突っ込んで、俺の指も食べてもらいたい気持ちになるが、それをすると、たぶん俺は止まらなくなる。
よし!食事の最後にしよう。
すると、今度はアイデシアが、一口大に千切ったバゲットを俺の口元に運ぶ。
そして、少し躊躇ったように口を開いた。
「……ユークリッド様、……あーん」
やっべ!可愛いすぎる!
「ありがとう、アイデシア」
俺はアイデシアのバゲットを食べる。
悪戯心で、食べる瞬間、わざとアイデシアの指に舌を這わせた。
すると、アイデシアは真っ赤になった。
……よし!もう俺はアイデシアと絶対離れないぞ!
アイデシアのあまりの可愛さに、俺は再び固く決意した。
そのために研究所の意向を確認する必要があると思っていたが、さっき、朝食を持ってきた奴は「末長く幸せに」と言っていた。
アイデシアは「繁殖活動が終わるまで」と言っていたが、もしかしたら研究所の意向は違うのかもしれない。
奴らと情報さえ交換できれば、『アイデシアとずっと一緒にいること』は簡単に実現できそうである。
俺は気楽に考えることにした。
そしてアイデシアと食べさせ合いながら、俺は気になっていたことをいろいろ質問することにする。
「アイデシア」
「何ですか?」
「……お前が、眠る俺をひと目見た瞬間、真っ赤になったと言うのは、……どういう心境だったんだ?」
「ーーーっっっ!!!」
アイデシアがまたもや真っ赤になった。
俺からの質問を先延ばしにしたことを忘れて、完全に油断していたようだ。
「な、何で?!質問は他にもたくさんございますでしょう?!何故一番にそれを聞くのですっ?!」
「いや、一番気になったから」
「~~~っっっ!も、もう!……ユークリッド様は意地悪、ですっ!」
真っ赤になって、涙目で睨むアイデシアが本当に可愛い。
俺はアイデシアの赤くなった耳元で囁いた。
「ああ。意地悪ですまないな、アイデシア。……でも、教えてくれるか?」
アイデシアは少し躊躇った様子を見せたが、その後、意を決したように、ぽつりぽつりと話し始めた。
「……昔、遠い昔、好いていた方と、あなたがとてもよく似ていたものですから」
「ふぅん」
また、謎の感情が俺を襲う。
既にこれだけアイデシアに執着している俺である。
昔とはいえアイデシアが他の男を好いているという点も、その男に似ている俺を見て赤面したという点も、普通は嫉妬で狂うところだと思うんだが。
……どうやら俺は嬉しいと感じているようだ。
俺は自分で自分を不思議に思いながら、質問を続けた。
「……俺に、そいつを重ねた?」
「確かに、初めてユークリッド様の寝顔を見た時は重ねてしまいました。ですが、その方とユークリッド様が似ているのは顔の造形だけで、それ以外は何もかもが違いますので、すぐに別人だと認識することができました。もし似ていたら、今も重ねてしまっていたかもしれませんが……」
「……そうか」
そこで、俺はどちらがより好ましいのか聞いてみたい衝動に駆られた。
しかしその後すぐに、何故か、どちらにしても俺は歓喜すると同時に酷く落ち込むような予感に襲われた。
何故だ。普通に考えて、俺の方が好ましいと言われた方が絶対嬉しいはずなのに。
……まぁ、考えてもわからないのだから、考えるのは、とりあえずやめだ。
今は、アイデシアと今後もずっと一緒にいるための、次の一手を打つことに専念しよう。
「先ほど、朝食を持って来たのは研究所の職員か?」
「はい、そうです。ドラゴンの研究に携わっている者で、彼女以外にも、他にあと一名男性がおります。その二名が中心となって私を飼育してくれています」
「では、俺をここに連れてきたのはその二人か?」
「はい。ですが、職員は私の繁殖活動のために動いてくださっただけなので、責任は私に……」
アイデシアが眉を下げる。
俺はアイデシアの髪を撫でて言った。
「いいや、アイデシアは何も悪くないだろ。それに、俺は奴らを恨んでいる訳ではない。……ここに連れて来られたおかげでアイデシアと出会えた訳だから、今はむしろ奴らに感謝している」
「……ユークリッド様……」
アイデシアが感極まったような顔をする。
俺はたまらず、アイデシアの可愛らしい額に口付けた。
「今後のことで、奴らに相談したいことがある。そのうち話せる場を作ってもらえるか?」
「もちろんです!職員が次に来るのは、昼食の時だと思いますので、その時にお話ししますね」
「ああ、助かる」
「いえ、他にも私に出来ることがあれば仰ってくださいね」
アイデシアがふわりと微笑む。
「ありがとう。では、昨夜のワンピースは「黙秘します」」
「今、『私に出来ることがあれば』って……「黙秘します」」
「……」
……スケスケワンピースについては、質問すらさせてもらえなかった。
誰が用意したのか?アイデシアはどうして着ることにしたのか?他の服もあるのか?
ただ、アイデシアと職員のあのやり取りを聞く限り、恐らくあの女性職員が用意したんだろう。
あの職員に直接聞けば良い。
よし、聞きたいことは一通り聞き終えたか。
朝食の方も、ほぼ食べ終わり、残るはデザートのフルーツのみだ。
そこで、俺は先ほど後回しにした大事な用事に取り掛かることにした。
俺はフルーツをアイデシアの口に運ぶ。
すっかり俺の手から食事を取ることに慣れてしまったアイデシアは、その愛らしい唇を開く。
そして俺はその唇に、フルーツと共に俺の人差し指を入れ込んだ。
「ふむっ?……ふ、ふーふひっひょ……はま?!」
アイデシアは驚き、フルーツと俺の指を口に含んだまま、口をもごもごさせる。
俺は、アイデシアの耳元で囁いた。
「アイデシア。俺にも食べさせて」
アイデシアはこくんと頷き、フルーツを俺の口へ運ぶ。俺はアイデシアの手首を掴んで、その人差し指ごと口に含んだ。
俺はアイデシアの指ごとフルーツを堪能する。指を傷付けないよう甘噛みし、舌でつぶし、咀嚼する。フルーツを嚥下した後、アイデシアの指をじっくりと味わう。
そのうちに、アイデシアも俺の指ごとフルーツを味わうように舌を動かし、あむあむと甘噛みで咀嚼し始めた。
本当に美味そうに食べるものだ。
アイデシアは、フルーツが口からなくなっても、俺の指に舌を絡ませ、吸い付き、甘噛みする。
その表情が徐々に、うっとりとした欲情を絡ませたものに変化していく。
「んんっ……」
アイデシアは艶めかしい吐息を、俺の指の隙間から漏らした。
やっっっべ!可愛すぎる!!!
俺のモノはすっかり大きくなり、アイデシアのナカをみちみちと押し広げ、アイデシアのナカはキュンキュンと俺のモノを締め付け始めた。
先ほどの予想通り止まらなくなった俺は、アイデシアのシャツを持ち上げているツンと尖った蕾に、空いている方の手を伸ばしたのだった。
「ユークリッド様は昨日、夜のお食事をなさっていませんものね。多分そろそろ、朝食が届く頃かと……」
その時、寝室のドアの向こうで、ガチャリと玄関のドアが開く音がした。
「アイデシア!おはよう!」
廊下に面したドア越しに、女の声が聞こえる。
すると、アイデシアも扉の向こうに届くように声を張り上げた。
「おはようございます!」
「朝食を持って来たわよ!ダイニングテーブルに置いておくわね!」
「はい!ありがとうございます!」
「アイデシア、うまくいったみたいで、本当に良かったわね!」
アイデシアの顔が赤くなった。
「ちょっ!な、何をっ!」
「アイデシア、眠れる雄ドラゴンくんをひと目見た瞬間、真っ赤になってたものね!末永くお幸せに!」
アイデシアの顔がますます赤くなる。
「っっっだからっ!私の繁殖活動が終わり次第解放する予定だとっ!昨日から言っているではありませんかっ!」
アイデシアは必死に訴えるが、扉の向こうの女は特に気にせず次の話題に行く。
「あっ!ソファに落ちてた服は、洗濯するから持っていくわよ!」
「っっっ!!!」
アイデシアはリビングに脱ぎ捨てた服のことをすっかり忘れていたようだ。
まるで、恋人との情事が母親にバレた娘のように狼狽えている。
「このワンピース、雄ドラゴンくんもお気に召したかしらー?!」
「あ……ーーーっ?!」
俺が「ああ、もちろんだ」と答えようとすると、アイデシアは両手で俺の口を塞いだ。
そして、かなり強引に話題を変えた。
「お名前は、ユークリッド様です!」
「ユークリッド君ね!これからよろしく!着替えも置いておくから使ってね!……あっ、もしかして着替えは必要ないかしら?!」
「ちょっ……!!!」
アイデシアはますます狼狽えた。
その横で、俺は「確かに着替えは必要ないな」と思い、口を塞がれたままうんうんと頷いていると、アイデシアに信じられない物を見るような目で見られた。
「じゃあ、また来るわねー!」
ガチャリ、と玄関のドアが閉まる音がした。
「……」
アイデシアが俺の口から手を離し、気まずそうに俺を見る。
「ユークリッド様、……あの、突然口を塞いでしまって申し訳ありません」
「ああ、気にしなくていい。アイデシア」
俺はニッコリ笑って答えた。
少しホッとした様子のアイデシアに、俺がいろいろ問おうと口を開くと。
「さっきの話「ユークリッド様はかなりお腹が減っていらっしゃるかと思います!まずは朝食にしましょう!」」
かなり強引に遮られた。
「……後ほど、ご説明しますので」
「わかった」
聞きたいことは沢山あるが、確かに腹は減っている。
俺はアイデシアに従い、先に朝食を摂ることにした。
◇
「っっっだから!何で!このままなんですか?!」
ダイニングテーブルで、アイデシアが声を荒げた。
あの後、俺はまたもや繋がったままのアイデシアを抱き上げ、ダイニングに移動した。
そして、アイデシアをくるりと回して、繋がったまま膝の上に乗せて席についたのだが。
どうやら『繋がったまま朝食を食べる』という状況が、アイデシアの許容範囲をオーバーしてしまったらしい。
「いや、だから、子種が出ちゃうからだって。既にさ、アイデシアのナカいっぱいみたいで、ほら、ここ、少し漏れ出ているだろう?
だから、今抜いたらいっぱい出ちゃうと思うぞ?」
まあ、それは口実で、単に俺が繋がっていたいだけなんだが。
アイデシアは漏れ出ているのを確認する際、俺たちの結合部をしっかり見てしまったらしく、更に取り乱した。
一段と顔を真っ赤にしたアイデシアが、ワナワナと震えている。
羞恥で取り乱すアイデシアも、堪らなく可愛い。
「まぁ、腹も減ったし、早く食おう」
「~~~!……せめて、服を羽織らせてください」
「ええ?!このままでいいだろ?」
「ダメです!」
アイデシアは着替えに手を伸ばし、シャツを羽織りボタンを留めていく。繋がったまま服を着るというのは、何とも不思議だったが、……まぁ俺のせいか。
無理にでも体を離してしまえばいいのに、アイデシアはそれをしない。
俺の意向に沿いたいのか、研究のために子種を守りたいのか、どちらにせよ律儀で可愛いなと思う。
「ユークリッド様も!」
アイデシアはそう言って、器用にくるりと横向きになり、俺にも前開きのシャツを羽織らせ、ボタンを留めてくれた。
そして、アイデシアは俺の服を着せ終えると、おしぼりで俺の手を綺麗に拭いてくれた。
服を着せてもらったり、手を拭いてもらったり、アイデシアにお世話をしてもらうの、……めちゃくちゃイイな。うん。
「アイデシア、ありがとう。お礼に……」
俺は食卓のバゲットを手に取った。
一口大に千切り、アイデシアの口に運ぶ。
「ほら、アイデシア」
「ユークリッド様、そんな!ユークリッド様にそんなことまでさせてしまう訳には……!」
「いいから。食えって」
「……はい。では、いただきます」
少し逡巡した後、観念したアイデシアは、俺の手からバゲットを食べる。
アイデシアはバゲットを咀嚼する度、口の中に広がる味を心底楽しむように食べている。
……うん、可愛いな。
このままこの可愛らしい口の中に俺の指を突っ込んで、俺の指も食べてもらいたい気持ちになるが、それをすると、たぶん俺は止まらなくなる。
よし!食事の最後にしよう。
すると、今度はアイデシアが、一口大に千切ったバゲットを俺の口元に運ぶ。
そして、少し躊躇ったように口を開いた。
「……ユークリッド様、……あーん」
やっべ!可愛いすぎる!
「ありがとう、アイデシア」
俺はアイデシアのバゲットを食べる。
悪戯心で、食べる瞬間、わざとアイデシアの指に舌を這わせた。
すると、アイデシアは真っ赤になった。
……よし!もう俺はアイデシアと絶対離れないぞ!
アイデシアのあまりの可愛さに、俺は再び固く決意した。
そのために研究所の意向を確認する必要があると思っていたが、さっき、朝食を持ってきた奴は「末長く幸せに」と言っていた。
アイデシアは「繁殖活動が終わるまで」と言っていたが、もしかしたら研究所の意向は違うのかもしれない。
奴らと情報さえ交換できれば、『アイデシアとずっと一緒にいること』は簡単に実現できそうである。
俺は気楽に考えることにした。
そしてアイデシアと食べさせ合いながら、俺は気になっていたことをいろいろ質問することにする。
「アイデシア」
「何ですか?」
「……お前が、眠る俺をひと目見た瞬間、真っ赤になったと言うのは、……どういう心境だったんだ?」
「ーーーっっっ!!!」
アイデシアがまたもや真っ赤になった。
俺からの質問を先延ばしにしたことを忘れて、完全に油断していたようだ。
「な、何で?!質問は他にもたくさんございますでしょう?!何故一番にそれを聞くのですっ?!」
「いや、一番気になったから」
「~~~っっっ!も、もう!……ユークリッド様は意地悪、ですっ!」
真っ赤になって、涙目で睨むアイデシアが本当に可愛い。
俺はアイデシアの赤くなった耳元で囁いた。
「ああ。意地悪ですまないな、アイデシア。……でも、教えてくれるか?」
アイデシアは少し躊躇った様子を見せたが、その後、意を決したように、ぽつりぽつりと話し始めた。
「……昔、遠い昔、好いていた方と、あなたがとてもよく似ていたものですから」
「ふぅん」
また、謎の感情が俺を襲う。
既にこれだけアイデシアに執着している俺である。
昔とはいえアイデシアが他の男を好いているという点も、その男に似ている俺を見て赤面したという点も、普通は嫉妬で狂うところだと思うんだが。
……どうやら俺は嬉しいと感じているようだ。
俺は自分で自分を不思議に思いながら、質問を続けた。
「……俺に、そいつを重ねた?」
「確かに、初めてユークリッド様の寝顔を見た時は重ねてしまいました。ですが、その方とユークリッド様が似ているのは顔の造形だけで、それ以外は何もかもが違いますので、すぐに別人だと認識することができました。もし似ていたら、今も重ねてしまっていたかもしれませんが……」
「……そうか」
そこで、俺はどちらがより好ましいのか聞いてみたい衝動に駆られた。
しかしその後すぐに、何故か、どちらにしても俺は歓喜すると同時に酷く落ち込むような予感に襲われた。
何故だ。普通に考えて、俺の方が好ましいと言われた方が絶対嬉しいはずなのに。
……まぁ、考えてもわからないのだから、考えるのは、とりあえずやめだ。
今は、アイデシアと今後もずっと一緒にいるための、次の一手を打つことに専念しよう。
「先ほど、朝食を持って来たのは研究所の職員か?」
「はい、そうです。ドラゴンの研究に携わっている者で、彼女以外にも、他にあと一名男性がおります。その二名が中心となって私を飼育してくれています」
「では、俺をここに連れてきたのはその二人か?」
「はい。ですが、職員は私の繁殖活動のために動いてくださっただけなので、責任は私に……」
アイデシアが眉を下げる。
俺はアイデシアの髪を撫でて言った。
「いいや、アイデシアは何も悪くないだろ。それに、俺は奴らを恨んでいる訳ではない。……ここに連れて来られたおかげでアイデシアと出会えた訳だから、今はむしろ奴らに感謝している」
「……ユークリッド様……」
アイデシアが感極まったような顔をする。
俺はたまらず、アイデシアの可愛らしい額に口付けた。
「今後のことで、奴らに相談したいことがある。そのうち話せる場を作ってもらえるか?」
「もちろんです!職員が次に来るのは、昼食の時だと思いますので、その時にお話ししますね」
「ああ、助かる」
「いえ、他にも私に出来ることがあれば仰ってくださいね」
アイデシアがふわりと微笑む。
「ありがとう。では、昨夜のワンピースは「黙秘します」」
「今、『私に出来ることがあれば』って……「黙秘します」」
「……」
……スケスケワンピースについては、質問すらさせてもらえなかった。
誰が用意したのか?アイデシアはどうして着ることにしたのか?他の服もあるのか?
ただ、アイデシアと職員のあのやり取りを聞く限り、恐らくあの女性職員が用意したんだろう。
あの職員に直接聞けば良い。
よし、聞きたいことは一通り聞き終えたか。
朝食の方も、ほぼ食べ終わり、残るはデザートのフルーツのみだ。
そこで、俺は先ほど後回しにした大事な用事に取り掛かることにした。
俺はフルーツをアイデシアの口に運ぶ。
すっかり俺の手から食事を取ることに慣れてしまったアイデシアは、その愛らしい唇を開く。
そして俺はその唇に、フルーツと共に俺の人差し指を入れ込んだ。
「ふむっ?……ふ、ふーふひっひょ……はま?!」
アイデシアは驚き、フルーツと俺の指を口に含んだまま、口をもごもごさせる。
俺は、アイデシアの耳元で囁いた。
「アイデシア。俺にも食べさせて」
アイデシアはこくんと頷き、フルーツを俺の口へ運ぶ。俺はアイデシアの手首を掴んで、その人差し指ごと口に含んだ。
俺はアイデシアの指ごとフルーツを堪能する。指を傷付けないよう甘噛みし、舌でつぶし、咀嚼する。フルーツを嚥下した後、アイデシアの指をじっくりと味わう。
そのうちに、アイデシアも俺の指ごとフルーツを味わうように舌を動かし、あむあむと甘噛みで咀嚼し始めた。
本当に美味そうに食べるものだ。
アイデシアは、フルーツが口からなくなっても、俺の指に舌を絡ませ、吸い付き、甘噛みする。
その表情が徐々に、うっとりとした欲情を絡ませたものに変化していく。
「んんっ……」
アイデシアは艶めかしい吐息を、俺の指の隙間から漏らした。
やっっっべ!可愛すぎる!!!
俺のモノはすっかり大きくなり、アイデシアのナカをみちみちと押し広げ、アイデシアのナカはキュンキュンと俺のモノを締め付け始めた。
先ほどの予想通り止まらなくなった俺は、アイデシアのシャツを持ち上げているツンと尖った蕾に、空いている方の手を伸ばしたのだった。
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三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セレフィアはその場を離れた。
しかし治療師として働いているセレフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。
それどころか、シルヴァードはセレフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。
「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」
「お願い、セレフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」
※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。
※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。
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