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疾風のマウンド
66.
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寿志さんは出口の扉の前に立ち、じっと私たちを見下ろしていた。
直立不動のその姿は、一見すると厳格なようでどこか温かみを含んでいる。
まるで親が子を見守るような、不思議な安心感を与える雰囲気だった。
「もうこんなことをしたらダメだからね」
その一言に、私は深々と頭を下げた。
「はい……すみませんでした」
声は小さく、肩を落とした姿勢のまま隣の神さんをちらりと見た。
神さんも私に続いて、控えめに頭を下げる。
「――すみません」
ふと、隣を見ると神さんは少しだけ肩をすぼめている。
きっと反省しているのだろうけれど、その様子を見ていると申し訳なさが胸の中で膨らんだ。
無断で入ると言い出したのは私、彼を巻き込んだのも私なのだから。
「そうだ、星里奈ちゃん」
寿志さんは暫く私達を見つめた後、ゆっくりと視線を向けて尋ねてきた。
「俺のグービルはどうだった」
「ど、どうだった?」
「いや、ごめんね。先代グービルの娘さんから見た俺はどうだったかなと思ってさ」
うん……先代のグービルは父さんだ。
寿志さんは私を呼んだのも、近くで私にグービルとしての自分を見てもらいたいからだ。
私は現状の率直な感想を伝える。
「もう少し、ダンスの練習をした方がいいですよ」
「あ……やっぱり?」
「はい、あれではロボットみたいですよ」
「ロボットか……どうにもリズム系は苦手でね」
恥ずかしそうに頭をかく寿志さん。
そんなダンスが苦手な二代目グービルに私はアドバイスを伝える。
「玲夢さんにダンスのことを教えてもらって下さい」
「え? 玲夢に?」
「本業じゃないですか、餅は餅屋って言葉がありますし」
「あいつも仕事で忙しいからなあ……それに……うーん……」
腕組みしながら考え事をする寿志さん。
ダンスを教えてもらうことがそんなに気まずいんだろうか。
「教えてもらうことがそんなに恥ずかしいんですか? 彼女なのに」
彼女なのに。
私は自分でも想像していなかった言葉をつけ足してしまった。
「か、彼女!?」
「違うんですか?」
「き、君は何か勘違いしているんじゃないのかな」
「え……」
「玲夢は俺の近所に住んでいた子で、中学生の時は次郎と同級生だっただけだよ。彼女と俺が付き合うなんてそんな」
寿志さんは両手を左右に激しく振る。
その慌てた様子に、私は思わず吹き出しそうになった。
それと同時に安心感も――。
「そうなんですか。じゃあ……私の早とちりですね」
「早とちり?」
「い、いえ! なんでもありません!」
今度は私が両手を左右には激しく振った。
何だかコメディ映画みたいな展開で恥ずかしくなる。
一方の寿志さんは両手を腰に当てて一言。
「まあ、玲夢にダンスのことは相談してみるよ」
寿志さんはそう言うと、少し照れくさそうに視線を逸らす。
静かに私達のやりとりを見ていた神さんが、小声で口を開いた。
「いい調子だ」
「いい調子?」
何が「いい調子」なんだろう。
私が不思議に思っていると、神さんはニッコリと微笑んだ。
「何でもないよ。それよりも試合はいつの間にか終わったようだよ」
「終わった?」
「ほら、みんなの姿が見えるじゃないか」
その言葉と同時に出口の向こう側から、賑やかな声が聞こえてきた。
「水島さんだっけ、星里奈のやつ先に帰ったって本当?」
「ええ……何だか酷く慌てた様子で……ねえ進藤さん」
「は、はい……何があったかは知りませんがあまりにも突然で……」
「ちっ……あのイケメンとお楽しみに行ったワケね。私は愛しの陽翔君が負け投手になって悔しいってのに」
私は音の方に目を向けるとそこには結愛達の姿が見えた。
「うん、そうこうしているうちに試合は終わったみたいだ」
寿志さんはそう述べるとポンと私の肩を叩いた。
「さあ、みんなのところに行っておいで」
「は、はい」
私は寿志さんの言葉に背中を押されるようにして、一歩踏み出した。
神さんも静かに頷いて、私の後に続く。
選手通路の出口に近付くにつれ、結愛達の声がだんだんと大きくなるのがわかる。
「あ、星里奈!」
結愛が私を見つけるなり、声を上げて駆け寄ってきた。
その顔には、いつもの少し意地悪な笑みが浮かんでいる。
「先に帰ってたんじゃないかったの?」
「う、うん……それはそうなんだけど」
私の傍には神さんがいる。
その姿を見て、結愛は怪しんだ顔で私を見た。
「何か怪しいことでもしてたんじゃないでしょうね?」
「そ、そんなことないってば。ただ、ちょっとね……」
はぐらかそうとする私の態度を見て、結愛はさらに怪しむような目を向けてくる。
その様子を見たひまりが、軽く咳払いをして場を取り持つように口を開いた。
「それはそうですけど、何で雪村さんが選手側通路から出てくるんですか?」
「そ、それは……」
私は言葉に詰まってしまった。
出口付近には選手側通路には『関係者以外立ち入り禁止』の看板が掲げられていた。
どう説明すればいいのか考えがまとまらない。
そんな私を見て、神さんが一歩前に出た。
「彼女、伊能次郎のファンでね。どうしてもサインが欲しいって言ってね」
「サ、サイン!?」
私は神さんの言葉に驚いて声を上げた。
水島さんは目を丸くして私を見つめ、問い詰めるような口調で続けた。
「え、雪村さんってそんなに熱心なファンだったの?」
「うん、この子はマジでガチのヒーローズファンなんだけど、その中でも伊能次郎の大ファンなんだ。僕はワガママな彼女に付き合って一緒にコッソリと侵入したんだけど、スタッフの人に見つかって叱られてたばっかりなんだ」
「そ、そうなんですか……」
水島さんが神さんに目を向け、少し不思議そうな表情を浮かべた。
「それはそうとこちらの方は?」
私が答える前に神さんが答えた。
「ただのご近所さんですよ」
ご近所さんは事実だが、結愛達はどうも納得していない様子だった。
結愛は少し眉をひそめながら、私と神さんを交互に見た。
「ふうん……それにしては妙に親密な感じがするけど?」
「そ、そんなことないってば!」
私は慌てて否定しながら、結愛の鋭い視線から逃げるように視線を泳がせた。
すると、ひまりが何かに気づいたように興奮気味に後ろを指差した。
「あーっ! キノさんだ! キノさんがいるっ!」
振り向くと選手側通路から選手達が姿を現し始めていた。
どうやら、試合後のミーティングが終わったようだ。
その中には次郎さんの姿があった。
(次郎さん、帰らなかったんだ)
どうやら、監督かコーチに説得されたのか球場から帰らずに帯同していた。
でも、何だかチームから浮いているように見えた。
弓浦選手を始め、他の選手達は固まって動いているのに次郎さんは距離を置いて歩いていた。
その姿がどこか寂しげに見え、その距離が次郎さんとヒーローズの距離を象徴しているように思えた。
直立不動のその姿は、一見すると厳格なようでどこか温かみを含んでいる。
まるで親が子を見守るような、不思議な安心感を与える雰囲気だった。
「もうこんなことをしたらダメだからね」
その一言に、私は深々と頭を下げた。
「はい……すみませんでした」
声は小さく、肩を落とした姿勢のまま隣の神さんをちらりと見た。
神さんも私に続いて、控えめに頭を下げる。
「――すみません」
ふと、隣を見ると神さんは少しだけ肩をすぼめている。
きっと反省しているのだろうけれど、その様子を見ていると申し訳なさが胸の中で膨らんだ。
無断で入ると言い出したのは私、彼を巻き込んだのも私なのだから。
「そうだ、星里奈ちゃん」
寿志さんは暫く私達を見つめた後、ゆっくりと視線を向けて尋ねてきた。
「俺のグービルはどうだった」
「ど、どうだった?」
「いや、ごめんね。先代グービルの娘さんから見た俺はどうだったかなと思ってさ」
うん……先代のグービルは父さんだ。
寿志さんは私を呼んだのも、近くで私にグービルとしての自分を見てもらいたいからだ。
私は現状の率直な感想を伝える。
「もう少し、ダンスの練習をした方がいいですよ」
「あ……やっぱり?」
「はい、あれではロボットみたいですよ」
「ロボットか……どうにもリズム系は苦手でね」
恥ずかしそうに頭をかく寿志さん。
そんなダンスが苦手な二代目グービルに私はアドバイスを伝える。
「玲夢さんにダンスのことを教えてもらって下さい」
「え? 玲夢に?」
「本業じゃないですか、餅は餅屋って言葉がありますし」
「あいつも仕事で忙しいからなあ……それに……うーん……」
腕組みしながら考え事をする寿志さん。
ダンスを教えてもらうことがそんなに気まずいんだろうか。
「教えてもらうことがそんなに恥ずかしいんですか? 彼女なのに」
彼女なのに。
私は自分でも想像していなかった言葉をつけ足してしまった。
「か、彼女!?」
「違うんですか?」
「き、君は何か勘違いしているんじゃないのかな」
「え……」
「玲夢は俺の近所に住んでいた子で、中学生の時は次郎と同級生だっただけだよ。彼女と俺が付き合うなんてそんな」
寿志さんは両手を左右に激しく振る。
その慌てた様子に、私は思わず吹き出しそうになった。
それと同時に安心感も――。
「そうなんですか。じゃあ……私の早とちりですね」
「早とちり?」
「い、いえ! なんでもありません!」
今度は私が両手を左右には激しく振った。
何だかコメディ映画みたいな展開で恥ずかしくなる。
一方の寿志さんは両手を腰に当てて一言。
「まあ、玲夢にダンスのことは相談してみるよ」
寿志さんはそう言うと、少し照れくさそうに視線を逸らす。
静かに私達のやりとりを見ていた神さんが、小声で口を開いた。
「いい調子だ」
「いい調子?」
何が「いい調子」なんだろう。
私が不思議に思っていると、神さんはニッコリと微笑んだ。
「何でもないよ。それよりも試合はいつの間にか終わったようだよ」
「終わった?」
「ほら、みんなの姿が見えるじゃないか」
その言葉と同時に出口の向こう側から、賑やかな声が聞こえてきた。
「水島さんだっけ、星里奈のやつ先に帰ったって本当?」
「ええ……何だか酷く慌てた様子で……ねえ進藤さん」
「は、はい……何があったかは知りませんがあまりにも突然で……」
「ちっ……あのイケメンとお楽しみに行ったワケね。私は愛しの陽翔君が負け投手になって悔しいってのに」
私は音の方に目を向けるとそこには結愛達の姿が見えた。
「うん、そうこうしているうちに試合は終わったみたいだ」
寿志さんはそう述べるとポンと私の肩を叩いた。
「さあ、みんなのところに行っておいで」
「は、はい」
私は寿志さんの言葉に背中を押されるようにして、一歩踏み出した。
神さんも静かに頷いて、私の後に続く。
選手通路の出口に近付くにつれ、結愛達の声がだんだんと大きくなるのがわかる。
「あ、星里奈!」
結愛が私を見つけるなり、声を上げて駆け寄ってきた。
その顔には、いつもの少し意地悪な笑みが浮かんでいる。
「先に帰ってたんじゃないかったの?」
「う、うん……それはそうなんだけど」
私の傍には神さんがいる。
その姿を見て、結愛は怪しんだ顔で私を見た。
「何か怪しいことでもしてたんじゃないでしょうね?」
「そ、そんなことないってば。ただ、ちょっとね……」
はぐらかそうとする私の態度を見て、結愛はさらに怪しむような目を向けてくる。
その様子を見たひまりが、軽く咳払いをして場を取り持つように口を開いた。
「それはそうですけど、何で雪村さんが選手側通路から出てくるんですか?」
「そ、それは……」
私は言葉に詰まってしまった。
出口付近には選手側通路には『関係者以外立ち入り禁止』の看板が掲げられていた。
どう説明すればいいのか考えがまとまらない。
そんな私を見て、神さんが一歩前に出た。
「彼女、伊能次郎のファンでね。どうしてもサインが欲しいって言ってね」
「サ、サイン!?」
私は神さんの言葉に驚いて声を上げた。
水島さんは目を丸くして私を見つめ、問い詰めるような口調で続けた。
「え、雪村さんってそんなに熱心なファンだったの?」
「うん、この子はマジでガチのヒーローズファンなんだけど、その中でも伊能次郎の大ファンなんだ。僕はワガママな彼女に付き合って一緒にコッソリと侵入したんだけど、スタッフの人に見つかって叱られてたばっかりなんだ」
「そ、そうなんですか……」
水島さんが神さんに目を向け、少し不思議そうな表情を浮かべた。
「それはそうとこちらの方は?」
私が答える前に神さんが答えた。
「ただのご近所さんですよ」
ご近所さんは事実だが、結愛達はどうも納得していない様子だった。
結愛は少し眉をひそめながら、私と神さんを交互に見た。
「ふうん……それにしては妙に親密な感じがするけど?」
「そ、そんなことないってば!」
私は慌てて否定しながら、結愛の鋭い視線から逃げるように視線を泳がせた。
すると、ひまりが何かに気づいたように興奮気味に後ろを指差した。
「あーっ! キノさんだ! キノさんがいるっ!」
振り向くと選手側通路から選手達が姿を現し始めていた。
どうやら、試合後のミーティングが終わったようだ。
その中には次郎さんの姿があった。
(次郎さん、帰らなかったんだ)
どうやら、監督かコーチに説得されたのか球場から帰らずに帯同していた。
でも、何だかチームから浮いているように見えた。
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